「人差し指の側面にぶつぶつ」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
人差し指の側面にぶつぶつができる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
「人差し指の側面にぶつぶつ」ができる原因と対処法
人差し指の側面にぶつぶつなど皮膚トラブルが起こると心配になりますね。
手や指における皮膚疾患は、毎日の生活に支障をきたすこともあり、一刻も早く適切に診断して、治療することが重要です。
今回は、人差し指の側面にぶつぶつができる原因疾患やその対処法などを紹介します。
人差し指の側面にぶつぶつができる原因と対処法
人差し指の側面にぶつぶつができる場合には、「手湿疹」を疑います。
手湿疹とは、皮膚の炎症によって生じる病変のことです。
代表的には、かゆみを伴う紅斑を生じ、続いて丘疹になり、丘疹は水疱や膿疱、びらんなどを形成して、さらに進行すると色素沈着を生じます。
手湿疹は、長期間の刺激やアレルゲン曝露によって引き起こされる皮膚炎です。
そのため、特定の皮疹が見られるのではなく多彩な皮疹が混在しているのが特徴的です。
手湿疹を治すには、原因となる外的刺激やアレルゲンを避けるとともに、湿疹に対する治療には主に外用薬と内服薬が用いられます。
特に、外用薬は皮膚の炎症を抑えるためのステロイド外用薬、皮膚を保湿するための保湿剤などが使用されます。
症状が改善しない際には、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
人差し指の側面にぶつぶつがあり、かゆい症状の原因と対処法
人差し指の側面にぶつぶつがあり、かゆい症状を呈する場合には、「汗疱」を疑います。
汗疱は、季節の変わり目などの時期に、手指や手の甲、足底部がかゆくなり小さな水ぶくれが左右対称に多発してできる病気です。
小さな水ぶくれが接合して、より大きな水ぶくれになることもあって、通常であれば数週間で水ぶくれは吸収されて、鱗屑になって剥がれ落ちていきます。
汗疱では症状が軽い場合、自然治癒が期待できることもありますが、炎症が生じてかゆみがひどい場合や水疱が大きい際には、薬物治療が検討されます。
心配であれば、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
人差し指の側面にぶつぶつがあり、痛い症状の原因と対処法
人差し指の側面にぶつぶつがあり、痛い場合には、「掌蹠膿疱症」を疑います。
掌蹠膿疱症は、手の平と足の裏に次々と小さな水疱が形成されて、少しずつ膿疱に変化していくのが特徴のひとつです。
膿疱は時間が経つとかさぶたになって皮がむけていき、また別の体の部位で新たな病変が形成されて、病状が悪化すると手の平や足の裏の皮膚が赤くなって厚くなります。
また、掌蹠膿疱症においては、爪にも肥厚や点状陥凹、変形などを引き起こしますし、手の平や足の裏だけでなく脚の脛や膝などに赤い発疹の所見が現れることもあります。
掌蹠膿疱症の原因は現在のところ全て解明されていません。
これまでの研究では、扁桃炎、副鼻腔炎、虫歯、歯周病など一部の慢性的な感染症が発症に関わっていることが知られていて、扁桃の摘出手術や歯科治療をすると症状が改善することがあります。
それ以外にも、金属アレルギーや喫煙習慣も発症に関わっていると考えられていますし、特定の遺伝子を持つ人は掌蹠膿疱症を発症しやすいとの報告もあります。
扁桃炎や虫歯などを持っている人、あるいは金属アレルギーや喫煙習慣を有している場合に掌蹠膿疱症を発症しやすいと考えられているので、感染性の病気の治療、金属との接触を避ける、禁煙するといった生活習慣の改善を行うことが重要です。
症状が心配であれば、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
冬になると人差し指の側面にぶつぶつができる原因と対処法
冬になると、人差し指の側面にぶつぶつができる場合には、「霜焼け」を疑います。
霜焼けは、寒暖差による血行不良が原因で起こる疾患です。
典型的には、手や足の指、鼻先など、血液の循環が悪い末端部位によく形成されます。
特に、冬場など昼と夜の温度差が10℃以上になる季節によく発症します。
発症原因は、体質や遺伝もありますが、手足に湿り気があると熱を奪って冷えるため、多汗症の人、仕事でゴム手袋を装着している人、水仕事の多い人は罹患しやすくなります。
また、基礎疾患に動脈硬化がある場合にも、気温の変化に血管の収縮が対応できずに、霜焼けを発症しやすくなります。
手足が湿った際には、乾いた布でよく清拭すること、そして手袋や靴下が濡れたら早めに乾いたものと取り替えるといった改善予防策が重要となります。
症状が悪化すれば、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
すぐに病院へ行くべき「人差し指の側面にぶつぶつ」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
発熱症状を伴う場合は、小児科へ
人差し指の側面にぶつぶつができて、発熱症状を伴う際には手足口病を疑います。
手足口病は主に、夏季に流行するウイルス性の感染症であり、その原因ウイルスは「エンテロウイルス」や「コクサッキーウイルス」が代表例です。
罹患者のほとんどは小児例ですが、まれに大人にも感染します。
症状としては、口腔内粘膜や手の甲、足底部などに水疱性の発疹が現れて、1〜3日間発熱することがあり、水疱は、かさぶたにならずに1週間程度で治る場合が多く見受けられます。
一般的に、手足口病に対する特効薬はありませんが、口内炎に対して鎮痛薬で痛みを緩和する、あるいは粘膜保護剤の軟膏などが処方されることがあります。
症状が悪化すれば、小児科など専門医療機関を受診しましょう。
「人差し指の側面にぶつぶつ」症状の特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「人差し指の側面にぶつぶつ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
手湿疹(主婦湿疹)
手湿疹は皮膚科医が診療する頻度の高い疾患で、その発症原因を確定して、その原因との接触を断つことができれば根治できる疾患であるといわれています。
手湿疹は、何らかの外的刺激やアレルゲンに接触することで、手に生じる湿疹のことです。
基本的には、かゆみを伴う水疱や苔癬化など様々な形態の皮疹がみられる病気です。
手湿疹とは、接触性皮膚炎の一種であり、手湿疹は女性に多いとされています。
この病気は、遺伝的な要因ではなく、女性のほうがこれらの仕事の場以外にも家事などで手の皮膚にさまざまな刺激を受けやすく、手湿疹は水仕事の多い家事を行う主婦にも多くみられることから、主婦湿疹と呼ばれる場合もあります。
主に、皮膚所見として、紅斑や丘疹など、さまざまな皮疹が認められるのが特徴のひとつです。
手湿疹は、慢性的な刺激や長期間アレルゲンに曝露されることで、接触性皮膚炎となり、炎症が慢性的に継続することで手の皮膚が厚くなって苔癬化を生じます。
心配であれば、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
汗疱(かんぽう)
汗疱は、手の甲や足の裏にできる皮膚の炎症であり、手の平や足底部に小さな水ぶくれができて、病変部が大豆大のサイズになることもあります。
水ぶくれができた周辺が白く濁ったあとに、皮膚の表面から角質が剥がれ落ちて、自然に治癒していきます。
軽症の場合は、特別な治療を施さなくても約数週間で治ります。
症状が悪化する、かゆみがひどくなる場合などには、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手の平や足の裏に膿疱が繰り返して慢性的にできる病気です。
一般的に、膿というものは細菌感染などによって引き起こされますが、掌蹠膿疱症における膿疱は感染によって生じるものではありません。
掌蹠膿疱症の明確な発症メカニズムはいまだに解明されていません。
一説によれば、扁桃炎(へんとうえん)や副鼻腔炎(ふくびくうえん)に合併しやすい、あるいは虫歯や歯周病などの体の一部で感染が生じることや喫煙習慣などが掌蹠膿疱症の発症と関連しているといわれています。
掌蹠膿疱症を発症すると、初期段階では小さな水疱が生じて、次第に膿疱に変化したのち、膿疱が乾いてかさぶた(痂皮)になって剥がれ落ちる現象を次々と繰り返します。
重症な場合には、手の平や足の裏の皮膚が厚くなってひび割れを起こすために、強い痛みを伴うこともありますし、時に前胸部などの関節が腫れたり痛んだりする症状が見られることもあります。
心配であれば、皮膚科など専門医療機関を受診してください。
「人差し指の側面にぶつぶつ」ができたときの正しい対処法は?
人差し指の側面にぶつぶつができた際の対処法として、手の乾燥と指の刺激を避ける生活習慣を実践することが必要です。
日常生活では、水仕事をする時はゴム手袋をして、出来る限り乾燥するのを避けて、クリームなどで手指の保湿を心がけるようにしましょう。
汗疱の場合は、指に症状が現れたら早めに対策して、小さな水ぶくれがあって掻痒感がない場合には、水仕事を控えて、手洗いや入浴後にタオルでしっかり乾かすようにしてください。
できるだけ高温多湿の状態を避け、室内は除湿や換気を行うとともに、こまめにハンカチなどを利用して汗を拭きとることも重要です。
人差し指の側面にぶつぶつなど湿疹がある際には、症状が軽くてかゆみなどの症状が乏しい場合は、適度な手洗いとヒルドイドローションなどの保湿剤を塗りましょう。
人差し指の側面に水ぶくれが多発して、かゆい場合は、早急に皮膚科を受診し、ステロイド(外用)やかゆみを改善させる内服薬を検討してもらいましょう。
指の水ぶくれを破ると二次的な皮膚炎や感染症を引き起こすことがあるので、刺激を避けて清潔を保ちましょう。
日々の生活では、手の指が蒸れるような外的環境を避けて、手洗いを行う生活を心がけることで症状の再発を回避できる場合もあります。
人差し指の側面にぶつぶつがある場合においては、湿布や貼り薬、冷却スプレーなどを使用してさらに皮膚が荒れて炎症を引き起こすことも懸念されるので、使うべきかどうかを事前に皮膚科専門医などに相談することを推奨します。
手の指の潤いや新陳代謝を保つために、日常的な食生活において、タンパク質やビタミン、亜鉛などの栄養素を補給することを推奨します。
早く治したい時や応急処置をしても症状が改善しない場合は、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
「人差し指の側面にぶつぶつ」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「人差し指の側面にぶつぶつ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
人差し指の側面にできたぶつぶつは何と呼ばれる疾患ですか?
甲斐沼 孟(医師)
発疹が人差し指の側面に出来る原因としては、手の乾燥、手足口病などの感染症、汗疱、掌蹠膿疱症などが考えられます。人差し指の側面にぶつぶつができた時には、心配であれば、小児科や皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
ストレスが原因で人差し指の側面にぶつぶつができることはありますか?
甲斐沼 孟(医師)
ストレスが原因で、直接的に人差し指の側面にぶつぶつが出る可能性は低いですが、皮膚に発疹ができると、ストレスに伴って、イライラして皮膚を掻く、自分で指を掻きむしるなどの行動が惹起されることによって、症状を悪化させる場合も考えられます。
まとめ
皮膚に関するトラブルは、日常生活に支障をきたすこともあり、一刻も早く治したいものです。人差し指の側面に普段見ないぶつぶつや発疹を認める際には、手足口病や掌蹠膿疱症、汗疱や手湿疹などが原因として考えられます。セルフケアをしても症状が改善しない場合には、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
今回の情報が参考になれば幸いです。
「人差し指の側面にぶつぶつ」で考えられる病気
「人差し指の側面にぶつぶつ」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
小児科の病気
年齢や皮疹の性状によって候補となる病気は異なります。
「人差し指の側面にぶつぶつ」に似ている症状・関連する症状
「人差し指の側面にぶつぶつ」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 発熱
- 足にぶつぶつができる
全身性の病気の症状の一つとして手指にぶつぶつが現れることもあります。これらの症状がある場合には、医療機関への受診を考慮しましょう。
・手湿疹診療ガイドライン(日本皮膚科学会ガイドライン)