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「痛くない身に覚えのないあざ」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「痛くない身に覚えのないあざ」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

身に覚えのないあざで、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

久高 将太

監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

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琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。

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「痛くない身に覚えのないあざ」症状で考えられる病気と対処法

気がついたらアザができていた、というのは不安になりますよね。ぶつけた覚えがなく、痛みを感じていないのにあざができる病気にはさまざまな原因が考えられます。放置していいものも多いのですが、中には早期に治療が必要な病気もあります。考えられる病気と対処法を解説していきます。

痛くない身に覚えのないあざの症状で考えられる原因と対処法

ぶつけた覚えがないのに、痛みを感じないあざを見つけて驚いた経験は誰しもあると思います。生後間も無い場合には小児科や皮膚科に受診してみると良いでしょう。
他にも色が変化していく場合には、出血によるあざの可能性が考えられます。明らかにぶつけた記憶がないのにあざがよくできてしまう場合には、出血しやすい原因がある可能性があります。そのような症状を繰り返す場合には、一度内科に受診してみると良いでしょう。

足や太もも・ふくらはぎ・膝に痛くない身に覚えのないあざがある症状で考えられる原因と対処法

足、太もも、膝、ふくらはぎに痛みを感じない身に覚えのないあざを見つけた場合、原因は身に覚えはなくてもどこかでぶつけた内出血であることがほとんどです。しかし、繰り返す場合には、出血しやすい原因が潜んでいる可能性があります。稀な疾患ですが、白血病や血友病では症状の一つとして出血しやすくなる症状があるので、あざが繰り返しできる場合には内科に受診して精査した方が良いでしょう。また抗血栓薬といい、出血傾向となる薬を内服している場合には調整を要する場合があるため、かかりつけ医に相談しましょう。

腕や手首に痛くない身に覚えのないあざがある症状で考えられる原因と対処法

腕や手首に痛みを感じないのにあざがある場合、最も頻度が高い原因は老人性紫斑です。加齢とともに皮膚や毛細血管の脆弱化によりほんの少しの衝撃で内出血が起こってしまう病気です。基本的には病院に行かずに様子をみても良い病気ですが、繰り返す場合には出血しやすい要因があるかどうか確かめるために、内科に受診してみると良いでしょう。

手の甲や指に痛くない身に覚えのないあざの症状で考えられる原因と対処法

手の甲や指に身に覚えのないあざがある場合には、稀ですがアッヘンバッハ症候群が原因の場合があります。この疾患は誘因なく突然手指や足指に痛みや異常感覚が現れ、その後同部位に紫斑や血腫を生じる疾患です。原因は不明であり、緊急性はありません。他に原因がないか採血などをする必要があるので内科受診がおすすめです。

顔に痛くない身に覚えのないあざの症状で考えられる原因と対処法

顔に突然見に覚えのないあざができた場合には、太田母斑という疾患が原因の場合があります。女性に多くみられ、妊娠・出産や閉経後などホルモンバランスの変化に伴い突然出現することがあります。成人期に発症した太田母斑は自然になくなることはないので皮膚科に受診して治療が必要です。

痛くない身に覚えのないあざができていて消えない症状で考えられる原因と対処法

ベーチェット病という自己免疫疾患の症状の一つとして消えないあざのような症状が出る場合があります。一見あざのように見えますがベーチェット病の場合には結節性紅斑という少し隆起した皮疹が特徴的です。皮膚の下に赤色の隆起がある場合には、一度膠原病内科へ受診してみると良いでしょう。

紫の痛くない身に覚えのないあざの症状で考えられる原因と対処法

紫で痛みを感じないあざがある場合、血友病の可能性があります。これは凝固因子の不足により出血しやすくなる疾患であり、関節内や皮下、筋肉内に簡単に出血を起こしてしまいます。
繰り返しあざができる場合には、精査のために内科へ一度受診してみると良いでしょう。

すぐに病院へ行くべき「痛くない身に覚えのないあざ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

鼻血や歯肉出血を繰り返す場合は、内科・血液内科へ

あざが繰り返しできるだけでなく、鼻血や歯肉出血など出血しやすくなっている場合には白血病などの重篤な疾患が原因となっていないか早急に検査が必要です。
すぐに内科へ受診しましょう。

受診・予防の目安となる「痛くない身に覚えのないあざ」ときのセルフチェック法

  • ・痛くない身に覚えのないあざ以外に膝が腫れる症状がある場合
  • ・痛くない身に覚えのないあざ以外に鼻血や歯肉出血を繰り返す症状がある場合
  • ・痛くない身に覚えのないあざ以外に口内炎や外陰部潰瘍などの症状がある場合

「痛くない身に覚えのないあざ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「痛くない身に覚えのないあざ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

白血病

白血病は骨髄やリンパ組織で発生する血液のがんです。発症の原因は不明ですが、遺伝的・環境的要因が関与しています。治療法としては、抗がん剤治療、造血幹細胞移植などがあります。病院へ行く目安は、急激な体重減少や貧血、頻繁な感染症などが現れた場合です。白血病を疑う症状がある場合には、血液内科または腫瘍内科に受診しましょう。

ベーチェット病

ベーチェット病は、炎症性の全身性疾患で、原因は不明です。口内炎、性器潰瘍、皮膚病変、関節痛、眼炎などが特徴です。治療法としては、炎症を抑えるための抗炎症薬や免疫抑制薬の使用が一般的です。ベーチェット病を疑う症状がある場合には膠原病内科に受診すると良いでしょう。

血友病

血友病は、遺伝性の出血性障害で、血液を止める凝固因子の欠陥が原因です。治療方法としては、凝固因子の補充療法が主な治療法となります。病院へ行く目安は、出血が頻繁に起こる、傷口からの出血が止まらないなどの症状が現れた場合です。血友病を疑う症状が出た場合には、血液内科への受診が必要となります。

クッシング病

クッシング病は、副腎皮質からの過剰なグルココルチコイドホルモン分泌による内分泌疾患です。最も一般的な原因は、脳下垂体腺腫による過剰なACTH(副腎刺激ホルモン)の分泌です。症状には、体重増加、顔の丸み、皮膚の細くて繊細な血管、月経異常、筋力低下などがあります。治療法は、原因となる腫瘍の手術、放射線治療、薬物療法があります。クッシング病を疑う症状がある場合には、内科分泌内科へ受診すると良いでしょう。

肝機能障害

肝臓は凝固因子を産生する臓器であり、障害により出血傾向をきたすことがあります。肝機能障害の原因はアルコール、ウイルス、薬物、脂肪の蓄積など様々です。健診で肝機能障害を指摘された、あるいは出血症状を繰り返している場合には消化器内科を受診しましょう。

フォンウィルブランド病

遺伝性の出血性疾患であり、一次止血を担うフォンウィルブランド因子(vWF)に異常が生じることが原因です。幼少期から鼻出血などの出血を繰り返す場合には鑑別する必要があり、小児科あるいは血液内科を受診しましょう。治療としては薬物療法や製剤によりvWFを補充します。

播種性血管内凝固症候群(DIC)

DICとは血液が過剰に固まる傾向となり、全身の血管に血栓ができる病気です。血小板や凝固因子を消費することで二次的に出血傾向となり、血栓と共に出血もきたすことが特徴です。原因は感染症やがんをはじめ、多岐に渡ります。治療は原疾患の治療が第一であり、適宜抗凝固薬や輸血を行う場合があります。内科あるいは救急で対応することが多いです。

血小板減少性紫斑病

血小板減少性紫斑病(ITP)は自己の血小板を攻撃する自己抗体が生じ、血小板の寿命が短くなることで生じます。ピロリ菌感染が併存している場合には除菌療法でITPも改善することが期待できます。ピロリ菌感染がない場合にはステロイドや脾臓摘出術などが治療法となります。出血症状を繰り返す場合には血液内科を受診しましょう。

老人性紫斑

老人性紫斑とは加齢に伴い血管などの組織が脆くなり、軽度の外力により出血を生じる疾患です。加齢現象であり、重篤な出血をきたすことは少ないですが、他に出血傾向となる病気が発症していないか、一度は内科を受診することをおすすめします。老人性紫斑であれば特に治療はなく、外力を避けるような生活指導が主となります。

アレルギー性紫斑病

アレルギー性紫斑病に関して今現在明確な原因は不明ですが、IgAという抗体が関連し血管に炎症をきたし出血傾向を呈すると考えられています。約50%で上気道炎などの先行感染があります。出血傾向のほかに、関節症状、消化器症状、腎炎を合併することがあります。治療としては先行感染に対して治療しつつ、急性期には安静を保ちながらの対症療法が主となります。症状が強い場合にはステロイドを使用する場合があります。小児科や血液内科で対応可能です。

「痛くない身に覚えのないあざ」の正しい対処法は?

「痛くない身に覚えのないあざ」がある場合には、まず休息をしっかりと取り患部を安静にすることが重要です。腫れや炎症がある場合は、冷却スプレーや氷を使って15〜20分間冷やすことが効果的です。青あざや痛みがある場合には、湿布や貼り薬を使用して患部を保護しましょう。早く治したい場合は、しっかりと安静にして十分な睡眠をとり適切な栄養摂取を心掛けることが大切です。しかし、応急処置をしても症状が収まらない場合は医療機関に受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。

「痛くない身に覚えのないあざ」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「痛くない身に覚えのないあざ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

痛くない身に覚えのないあざがあるのですが病気でしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

多くは単純にぶつけたことが原因ですが、繰り返すあざがある場合出血しやすくなる病気の可能性があります。一度医療機関に受診すると良いでしょう。

痛くない身に覚えのないあざは何科に行けばいいですか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

出血しやすくなる疾患が原因であざができている可能性があるのでまずは内科へ受診すると良いでしょう。

覚えがないのに紫色の痣ができて消えません。肝臓の病気でしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

肝臓の病気の可能性もありますが、皮膚疾患の可能性もあります。一度内科へ受診して精査してみると良いでしょう。

白血病のあざの特徴を教えてください。

久高 将太 医師久高 将太 医師

白血病の場合には、出血しやすくなるだけでなく貧血や感染しやすくなるという特徴があります。あざ以外にも症状がある場合は内科へ受診すると良いでしょう。

青アザができやすい人はどんなことに注意したらよいですか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

まずは医療機関に受診して何か原因がないか調べることが重要です。特に治療が必要ない体質が原因の場合にはぶつけないように周囲に注意して行動しましょう。

病院に行く必要のない痛くないあざがよくできる場合、日頃から対策する方法はありますか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

日頃から転倒や外傷に気をつけましょう。よくあざができる箇所にはサポーターなどで保護することも有用です。

まとめ

ぶつけていないのにあざができてしまう場合には、身体が出血しやすい状態になっている可能性があります。繰り返しあざができたり、あざがどんどん大きくなる場合には一度医療機関に受診して検査しましょう。

「痛くない身に覚えのないあざ」症状で考えられる病気

「痛くない身に覚えのないあざ」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

血液系の病気

自己免疫疾患の病気

内分泌系の病気

  • クッシング病

皮膚系の病気

  • 太田母斑

アザができる際には、何らかの理由で皮下出血が起こっていることが多いので、出血しやすい状況にある場合には、一度精査をすることが望まれます。

「痛くない身に覚えのないあざ」に似ている症状・関連する症状

「痛くない身に覚えのないあざ」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「ぶつけてないのにあざができる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「白血病」「血友病」「ベーチェット病」「血管炎」「クッシング病」「太田母斑」などの疾患の可能性が考えられます。膝が腫れたり、鼻血や歯肉出血を繰り返したり、口内炎や外陰部潰瘍などの症状がある場合には、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師

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