「手に赤い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
手に赤い斑点で、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
森田 知世(医師)
「手に赤い斑点」の症状で考えられる病気と対処法
手に赤い斑点がありかゆい、症状はないが手のひらが赤くなる、などの症状があると心配になりますね。手に赤い斑点がある場合、他にもかゆみや痛み、水ぶくれなどの症状があるかで治療法が変わってきます。今回は、手の赤い斑点の原因と対処法について詳しく解説していきます。
手に赤い斑点がありかゆい症状で考えられる原因と対処法
手に赤い斑点がありかゆい場合、手湿疹や接触皮膚炎(かぶれ)の可能性があります。いずれも皮膚を外敵刺激から守るバリア機能の低下をきっかけに起こります。かゆくて赤みのある小さいぶつぶつや、ひりひりとした痛みが特徴です。手の乾燥やかぶれの原因になるものとの接触を避け、保湿剤やステロイド外用薬を使うことで、炎症を落ち着けることができます。市販の外用薬を試してみましょう。数日治療しても改善しない場合には、皮膚科で相談してください。
かゆくないが手に赤い斑点がある症状で考えられる原因と対処法
手にかゆくない赤い斑点がある場合、手掌紅斑の可能性があります。手掌紅斑は肝疾患や肝硬変患者に多くみられる症状で、そのほか妊娠や全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎などの膠原病、慢性肺疾患が原因となる場合もあります。手のひらの中でも特に親指や小指の付け根のあたりが赤くなり、相対的に手のひらの中心は白っぽくみえます。肝臓は沈黙の臓器と言われ、少しくらいの障害であれば痛みなどの症状が出ないため、肝臓を悪くしていることに気付きにくいです。また、手掌紅斑をきっかけに膠原病などの病気が発見される場合もあります。気になる症状があれば、まずは医療機関で相談してください。
手に赤い斑点があり痛い症状で考えられる原因と対処法
手に赤い斑点があり痛い場合に考えられるのは、ヘルペスや帯状疱疹です。いずれもウイルス感染症の一種で、ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが感染することで起こります。痛みと赤い斑点、水ぶくれが特徴で、口唇や性器に好発します。手にできることもあり、特に指先にできる場合にはヘルペス性ひょう疸と呼ばれ、強い痛みを伴います。帯状疱疹は、幼少期に感染したみずぼうそうの原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に潜伏し、何らかの誘因で再活性化することでおこります。通常は、神経分布に沿って体の片側のみに症状がでるため、手から腕にかけて痛みと赤い斑点や水ぶくれが出ます。抗ウイルス薬をできるだけ早期に内服することで重症化を防げますので、痛みのある赤い斑点が出た場合には、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
子どもの手に赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法
子どもの手に赤い斑点がある場合、砂かぶれ様皮膚炎の可能性があります。0歳後半から4歳くらいまで、特に1歳前後の子どもに多く、手のひらや足の裏全体が赤くなり、痒みを伴います。通常は手の甲に症状は無く、砂遊びをした後のかぶれた状態に似ているため、砂かぶれ様皮膚炎と呼ばれますが、原因は砂ではなく何らかのウイルス感染症と考えられています。手足口病やかぶれなどと症状が似ているため鑑別が必要です。自然に治っていく疾患ですが、かゆみが強い場合には保険で塗り薬や飲み薬での治療が可能です。
すぐに病院へ行くべき「手に赤い斑点」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
赤い斑点のほかに水ぶくれや痛みを伴う場合は、皮膚科へ
手の赤い斑点以外に水ぶくれや痛みを伴う場合には、ヘルペスや帯状疱疹が考えられます。特に帯状疱疹は放っておくと重症化し、強い痛みが続いてしまうことがあります。早期の診断と抗ウイルス薬の投与が大切な疾患ですので、このような症状がある場合には速やかに皮膚科を受診しましょう。
受診・予防の目安となる「手に赤い斑点ができる」ときのセルフチェック法
- ・手の赤い斑点以外にかゆみの症状がある場合
- ・手の赤い斑点以外に痛みの症状がある場合
- ・手の赤い斑点以外に水ぶくれの症状がある場合
「手に赤い斑点」の症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「手に赤い斑点」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
手掌紅斑
手掌紅斑は、さまざまな原因によりおこる手のひらの紅斑です。肝機能障害や妊娠でおこるエストロゲンの上昇が原因になる場合や、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎などの膠原病、慢性肺疾患が原因となる場合もあります。
手湿疹
手湿疹は主に手のひらや指先におこり乾燥やかさかさ、赤み、痒みなどの症状があります。手をよく使う仕事や洗剤を多く使用する方に好発します。外的な刺激を避けることや保湿剤の外用で良くなることもありますが、症状がひどい場合はステロイドの塗り薬が効果的です。
「手に赤い斑点」の正しい対処法は?
手に赤い斑点とかゆみがある場合には、手湿疹や接触皮膚炎(かぶれ)の可能性があります。手作業や水仕事などを減らし、ゴム手袋をつけて作業するなど外的な刺激を避け、保湿剤やステロイド外用剤で改善することが多いです。赤い斑点の他に痛みや水ぶくれがある場合には、ヘルペスや帯状疱疹の可能性があります。早期の抗ウイルス薬の投与が重症化を防ぐポイントになりますので、このような症状がある場合には皮膚科などの医療機関を受診してください。手に赤い斑点があり他に症状が無い場合、手掌紅斑の可能性があります。肝障害などが原因となることが多いですが、他にも膠原病や肺疾患など原因は多岐にわたります。何科に行くか迷う場合には、まずはかかりつけの内科や皮膚科で相談してみましょう。
「手に赤い斑点」の症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「手に赤い斑点」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
手に赤い斑点があるのですが何科に行けばいいですか?
森田 知世(医師)
まずは皮膚科でご相談ください。
手のひらに赤い斑点・ブツブツができるのは手掌紅斑でしょうか?
森田 知世(医師)
はい、その可能性はあります。
手に赤い斑点があるのは肝臓が悪いのでしょうか。
森田 知世(医師)
手に赤い斑点ができる原因はたくさんあり、必ずしも肝臓と関係があるわけではないですが、手掌紅斑という手のひらの特徴的な赤みは肝疾患に多いと言われています。
秋冬に手が荒れて赤い斑点ができます。手湿疹は治りますか?
森田 知世(医師)
手湿疹は皮膚のバリア機能の低下によって起こります。手の保湿をこまめに行い、かゆみやぶつぶつのある部分にはステロイドの塗り薬をぬると良いでしょう。
まとめ
今回は手の赤い斑点の原因と対処法について解説しました。手の赤い斑点とひとことに言っても様々な原因があり、原因の特定と適切な治療が必要です。症状が長引いたり繰り返したりする場合には、原因や対処法が間違っている可能性がありますので、早めに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
「手に赤い斑点」症状で考えられる病気
「手に赤い斑点」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
原因を特定することが適切な治療につながるため、症状が長引く場合などには一度受診することをお勧めします。
「手に赤い斑点」に似ている症状・関連する症状
「手に赤い斑点」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
「手に赤い斑点」症状の他にこれらの症状がある場合でも「手湿疹」「接触皮膚炎」「手掌紅斑」「単純ヘルペス」「砂かぶれ様皮膚炎」などの疾患の可能性が考えられます。かゆみ、痛み、水ぶくれなどの症状がある場合には、早めに医療機関への受診を検討しましょう。