「ニキビが痛い」原因とは?頭皮や顎のニキビについても解説!
ニキビが痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・市販塗り薬などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
久高 将太 医師
「ニキビが痛い」症状で考えられる病気と対処法
気がついたらニキビができているという経験はありませんか?自覚症状の無いニキビがほとんどですが、痛みなど症状のあるニキビができた経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
中学生頃より始まったり、高校生くらいから出てきたりなど、人それぞれに出てくる時期は異なっても、ニキビは誰もが悩む疾患の一つと言えるでしょう。今回はニキビが痛い時にどのような状態になっているか、またその対処法などを説明いたします。
ニキビが痛い、触ると痛い症状で考えられる原因と治し方
ニキビが痛い場合は炎症をおこしているか、二次感染と言って雑菌がつき化膿している状態がほとんどであると考えられます。炎症の原因は、常在菌といって誰にでもいる細菌の一種であるアクネ菌が、皮脂に含まれるトリグリセリドを分解して遊離脂肪酸を生成し、これが毛包を破壊して炎症反応を起こします。
また、雑菌などで二次感染が起こっている場合は、熱感(熱がある)・発赤(赤みがある)・腫脹(腫れている)・疼痛(痛みがある)の4つの症状が出現している状態です。
そのほか考えられる病気には、粉瘤の二次感染や単純ヘルペスなどです。
粉瘤の二次感染とは、粉瘤というものに細菌感染を起こした状態です。
単純ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスの初感染、あるいは再活性化によって引き起こされる皮膚症状です。主に口唇に出来る事が多いですが、鼻の下等どこにでも出来る可能性はあります。痛みを伴う小水疱が出現します。治療はヘルペスウイルス用の内服薬や外用薬を使用します。
すぐに出来る処置は冷やす、または外用薬を使用することです。痛いからといって、自分でニキビを潰すのは良い手段ではありません。自分で潰してしまうと、手の雑菌がついてしまうことや、うまく潰れないと完全に膿が出ずに痕が残る可能性があるためです。
ニキビが痛い場合には、緊急性は高くはありませんが、ニキビではない病気である可能性や、痛みのために生活の質の低下につながる可能性もあるため、皮膚科の受診を検討しましょう。
おでこ・鼻のニキビが痛い症状で考えられる原因と治し方
額から鼻にかけての部分はTゾーンと呼ばれ、皮脂腺が多く分布しています。皮脂腺が多いと、脂分が多く皮膚が光りやすくなり、ニキビもできやすくなります。
原因としてはホルモンバランスなどが関与している事があります。思春期の内分泌変動で血中のアンドロゲンが増加し、皮脂腺の機能が亢進します(過剰になります)。これにより皮脂の貯留と細菌増殖が起こりやすくなり、押すと痛いなど症状が出る事があります。
額から鼻にかけて(Tゾーン)のニキビは、ホルモンなどの影響によりすぐに治らないため、皮膚科に相談して治療するのが良い治し方だと思います。
あごのニキビが痛い症状で考えられる原因と治し方
口元や顎の部分はUゾーンと呼ばれ、多くは20代でニキビを発症します。マスクの刺激などで傷になり悪化し、痛みが出ることもあります。
できるだけ刺激を避けて、スキンケアが必要になります。それでも改善しない場合は、皮膚科を受診して治療を受けましょう。
頬のニキビが痛い症状で考えられる原因と治し方
顔の中で一番面積の大きい部分で有る頬部には、ニキビが出来やすい場所です。また、痕になりやすい部分でもあります。マスクの刺激や顔の洗顔時に傷になり悪化し、痛みが出ることもあります。
できるだけ刺激を避けて、スキンケアを行う必要があります。それでも改善しない場合は皮膚科を受診することをお勧めします。
眉のニキビが痛い症状で考えられる原因と治し方
眉部には眉毛があるため、毛穴に一致し炎症が起こり、痛みが出てしまうことがあります。
正しく洗顔し、毛孔を清潔にする事が必要になってきます。それでも改善しない場合は皮膚科を受診することをお勧めします。
頭皮のニキビが痛い症状で考えられる原因と治し方
頭皮は汗や脂分が多くなってしまう場所です。そのために毛穴がつまり炎症が起こり、痛みが出てしまう事があります。またかゆみも出現することがあります。
痛いニキビがある場合には、ヘアブラシや整髪料などの刺激を出来るだけ避ける事が大事です。頭皮の痛いニキビは脱毛を起こすこともあるため、皮膚科で相談して治療を行うことが良いでしょう。
すぐに病院へ行くべき「ニキビが痛い」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
女性の陰部のニキビが痛い症状の場合は、婦人科へ
女性(特に若年層)の陰部の痛いニキビは、バルトリン腺嚢胞という病気の可能性があります。
バルトリン腺嚢胞(のうほう)
バルトリン腺嚢胞とは、陰部の片側に嚢胞(しこり)が出来てしまう病気です。雑菌感染を起こしてしまうこともあります。診察には医師が内診し、視診や触診で確認する必要があるため、婦人科を受診するのが良いでしょう。
悪性腫瘍の合併が疑われる場合には、生検という組織の一部を取って精密検査をすることもあります。抗菌薬の投与や手術などで治療します。
「ニキビが痛い」症状の特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「ニキビが痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)
稗粒腫とは、目の周りによく出来る、直径1~2mm程度の小さな白色の良性のできものです。たくさんできてしまうこともあります。皮膚の下に角質塊が出来ているので、皮膚を注射針やメスで小さく切り角質塊を押し出して摘出します。これも雑菌がついてしまうと痛みがでる事もあります。
良性のものなので、緊急性はありませんが多発して気になる・大きくなってきた場合には、処置が必要なので形成外科や皮膚科を受診してください。
「ニキビが痛い」ときにおすすめの対処法・市販塗り薬は?
症状が出ている場合には皮膚科を受診するのをおすすめしますが、症状の軽いうちは市販の薬を使って対応することも可能です。
使用するものは、アポスティークリーム®︎やクロマイセチン軟膏®などの殺菌成分が入っている塗り薬を使用するのが良いでしょう。ただし、塗り薬を使用してかぶれてしまうこともあるため、使用後にかゆみが出たり赤くなったりした場合はすぐに使用を中止して皮膚科を受診してください。
使用後に効果が実感できれば継続しても良いかと思います。また、市販のビタミンなどのサプリメントは積極的に摂っても良いでしょう。ほとんどのメイク用品は油分を含んでおり、症状を悪化させる原因になるため、避けた方が無難です。
「ニキビが痛い」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ニキビが痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
赤く腫れているニキビが痛いときの対処法を教えてください。
久高 将太医師
すぐに出来る処置は冷やす、または外用薬を使用することです。
大きくしこりのあるニキビが痛いときは膿が溜まっているのでしょうか?
久高 将太医師
膿がたまり感染している可能性があるので、皮膚科で相談してください。
押すと痛いにきびを悪化させずに早く治す方法はありますか?
久高 将太医師
自然に治る場合もありますが、早くきれいに治すためには、皮膚科を受診して治療するのが良いでしょう。
吹き出物が痛いときは、潰さずに皮膚科に行くべきでしょうか?
久高 将太医師
皮膚科に行くことをお勧めします。自分で潰してしまうと、手の雑菌がつく可能性があること、うまく潰れないと完全に膿みが出ずに痕が残りやすいためです。
まとめ
ニキビは誰にでも起こりうる病気ですので、日常生活でも注意が必要です。ニキビだと思っていても違う病気の可能性もあるため、痛いという症状がある場合には皮膚科を早めに受診するのが良いでしょう。
「ニキビが痛い」で考えられる病気と特徴
「ニキビが痛い」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
痛みを感じる皮膚疾患の種類は多くありません。早めに治療を開始することが望まれます。
「ニキビが痛い」と関連のある症状
「ニキビが痛い」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「ニキビが痛い」他に、これらの症状が見られる際は、「毛包炎」「帯状疱疹」「せつ」「よう」「バルトリン腺嚢胞」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。
・尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017(日本皮膚科学会)