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「かゆい小さな水ぶくれ」ができる原因をご存知ですか?医師が徹底解説!

ふと気づくとある痒みを伴う水ぶくれ。やけどをした覚えはないし、原因が分からないとなるととても心配ですよね。ここではMedical DOC監修医が、かゆい水膨れの考えられる原因、病気、治療方法を紹介します。

「小さな水ぶくれと痒み」で考えられる病気と対処法

突然水ぶくれができると、やけどのような明確な原因があれば安心ですが、多くの場合は原因がわからないのではないでしょうか。手足に出現しかゆみがある、体幹に多数出現するなどすると、とても不安ですよね。子供に症状が出現すると学校や保育園に行かせていいのか、習い事はどうしたらいいのか、悩みは尽きないと思います。今回はそのような症状に応えられるように解説していきます。

痒みを伴う水ぶくれが手や腕に突然現れた場合の原因と治し方

突然に手のひらや腕にかゆみを伴う水ぶくれができた場合は、まずは湿疹を疑います。湿疹とは、皮膚表層におきる炎症の総称で、水ぶくれ以外にも、かゆみを伴う発赤、細かい丘疹などが混じり合ってみられます。
湿疹のできる場所や原因に特徴がある場合は、手湿疹、脂漏性湿疹と名前がつくこともあります。
原因はさまざまあって、外部の原因には薬・化粧品が肌に合わない、細菌感染、植物に触れる、寒冷刺激などがあり、患者さん本人に原因がある場合には皮膚の乾燥、汗や皮脂の状態などが挙げられます。もちろん原因がわからないこともあります。
明らかな原因が分かれば原因の除去が必要です。かゆみや炎症がつらいようなら、我慢せずステロイド入りの外用薬や抗ヒスタミン薬内服をすることが大事で、患部を引っ搔いたりすると増悪や二次感染の危険があります。症状がつらい場合などは、皮膚科を受診しましょう。

指などにできた小さな水ぶくれ・水疱がか痒い場合の原因と治し方

春先から夏にかけて、手のひらや手の側面、足の裏などにかゆみを伴う水ぶくれができた状態が当てはまります。
このような場合は、汗疱や汗疱状湿疹、掌蹠膿疱症が疑われます。
汗疱は、夏場などに好発し左右対称に出現します。自然治癒が期待できますが、年に数回再燃することもあります。対応は、湿疹と同じで、引っ搔いたりして皮膚に傷がつくと増悪する可能性があります。かゆみが我慢できない場合は、ステロイド入りの外用薬を使用したりや抗ヒスタミン薬内服をすることが大切です。
掌蹠膿疱症は、手のひらや足裏に水ぶくれができますが、比較的かゆみは少ないのが特徴です。膿がたまっていますが、無菌性であり人に移るような病気ではないので心配はいりません。
掌蹠膿疱症の原因ははっきりとわかっていませんが、金属アレルギーや喫煙などが関係していると言われています。
治療方法は湿疹と同じく原因の除去、ステロイド外用薬を使用する対症療法です。症状がつらい場合などは、皮膚科を受診しましょう。

全身にポチポチと水ぶくれが出てかゆいある場合の原因と治し方

全身にポチポチと水ぶくれができてかゆい場合には、水ぼうそうや水疱性類天疱瘡などが疑われます。
水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルスに感染することで起きる病気です。
水ぼうそうは、小学生以下の子供がかかることが多く、強いかゆみを伴う小さな水ぶくれが全身に広がります。非常に感染力が強いことで知られている病気で、保育園や学校への登校は禁止され、習い事も休ませる必要があります。治療は自然に治ることを待つことですが、引っ搔いたりすると皮膚に傷ができて、二次感染の危険があります。患部を冷やしたり、抗ヒスタミン薬を使用するなどかゆみを抑えることが大切です。
水疱性類天疱瘡は、前触れもなく全身に水ぶくれを作る病気です。高齢者に多いことで知られており、初期の症状がかゆみのこともあります。
水疱性類天疱瘡は、自己免疫性の疾患であることが分かっており、治療はステロイド薬の内服が中心になります。専門性の高い病気ですので、皮膚科専門医への受診が望ましい病気です。

水ぶくれが潰れてしまった場合の原因と治し方

水ぶくれがつぶれてしまったときは、細菌の二次感染の危険性があります。創部を清潔に保つことが大切で、水道水や手洗い石鹸で洗浄し、ガーゼや絆創膏で保護しておいてください。
消毒液などは無理に使う必要はありません。流水や手洗い石鹸で十分に清潔に保つことができますが、発赤や疼痛、黄色い液体がでるなど細菌感染の可能性がある場合は医師に相談してください。

すぐに病院へ行くべき小さな水ぶくれの症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

全身のかゆみや息苦しさがある場合は、内科へ

局所の水ぶくれだけではなく、全身のかゆみやむくみ、息苦しさがある状態です。症状がひどい場合は、腹痛や下痢、血圧低下などの症状も出ることもあります。
このような場合は、アナフィラキシーが疑われます。水ぶくれの原因としてアレルギーが関与する場合は、注意が必要です。金属アレルギーでネックレスやイヤリングの部分が反応していることなどが一例です。
アレルギー反応としては皮膚病変が最も軽症ですが、粘膜の異常(目のかゆみなど)、呼吸の異常(息苦しさなど)や消化器系の異常(腹痛など)、循環器系の異常(血圧低下など)など全身の症状が見られる場合はすぐに病院受診が必要です。夜間休日でもすぐに病院に連絡して、受診してください。

「小さな水ぶくれ・かゆみ」があるときに飲んでも良い市販薬は?

水ぶくれの治療の大原則は、原因の除去にあります。原因がわかる場合は市販薬を試す前に原因を取り除くようにしてください。
かゆみを伴う水ぶくれに効果がある薬剤は、抗ヒスタミン薬と、ステロイド軟膏です。
水ぶくれにかゆみが強い場合は、かゆい場所を冷やしたりしながら、抗ヒスタミン薬(アレグラ、アレジオンなど)を内服することは効果的です。薬剤師のいる薬局で相談してから購入するようにしましょう。
水ぶくれには市販のステロイド軟膏(リンデロン軟膏など)も効果的です、抗ヒスタミン薬と同様に薬剤師のいる薬局で相談してから購入してください。
ただし、ステロイド軟膏によって病状を悪化させることがあるため注意が必要です。水ぶくれの原因に細菌や真菌(白癬菌など)などが関与している場合です。数日間使用してもよくならない場合、使用中止して病院受診をしてください。

小さい水ぶくれができて痒い!もしかして「汗疱」が原因?

汗疱とは、春先から夏ころにかけて、季節の変わり目、毎年決まった時期になると、手足の指の側面、手のひら、足の裏などに小さな水ぶくれができる病気です。水ぶくれが治りながら皮がむけたり、同時に新しい水ぶくれができたりします。
小児から思春期に多く発症すると言われますが、原因はよく分かっていません。汗をかくことやアレルギーとの関連も指摘されていましたが、結局ところ原因ははっきりしていません。湿疹と同様の疾患だと考えられています。
かゆみを伴う場合はステロイド軟膏などが効果的ですが、かゆみもなく水ぶくれができるだけならば治療せずとも自然治癒が期待できます。
緊急性のある病気ではありませんが、たびたび水ぶくれができると不安になる方が多いと思います。改善しないなどの場合には、皮膚科受診をお勧めします。

「小さな水ぶくれ・かゆみ」で考えられる病気と特徴

考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからご覧ください。

関連する病気

細菌感染症

毛包や汗腺など皮膚バリア機能の低下している部位や創部などから感染することがあります。

  • 伝染性膿痂疹

ウイルス感染症

ウイルス感染によって角化細胞の編成を生じて水疱を形成したり、腫瘍性変化を来したり、アレルギー反応によって全身性皮疹をきたすものがあります。

  • 伝染性軟属腫
  • 手足口病
  • 水痘
  • 帯状疱疹
  • ヘルパンギーナ
  • ウイルス性疣贅

真菌症

真菌による皮膚病変です。

  • 白癬

湿疹・皮膚炎

多くは何らかの外来性物質による刺激などの原因によって発症します。

  • 接触皮膚炎
  • 湿疹
  • 汗疱

水疱症

先天性(遺伝性)と後天性の2種類があります。後天性としては類天疱瘡、天疱瘡などの自己免疫性水疱症が知られています。

  • 類天疱瘡
  • 天疱瘡

嚢胞症

無菌性嚢疱が多発する病気です。

  • 掌蹠膿疱症

まとめ

自分の症状に似ている病気があったのではないでしょうか?小さな水ぶくれの多くは心配ない病気ですが、中には専門的な治療が必要な病気が隠れています。もしかしたらと気になる点がある方は、早めに皮膚科へ相談しましょう。