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「頭皮のかゆみ」の原因はご存知ですか?医師が監修!

頭皮がかゆい時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

森田 知世医師

監修医師
森田 知世(医師)

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2東京女子医科大学卒業後、広島大学病院皮膚科、県立広島病院皮膚科などに勤務。現在は大阪市内の美容皮膚科、皮膚科に複数勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の資格を有する。

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「頭皮のかゆみ」症状で考えられる病気と対処法

シャンプーしても頭皮がかゆい、フケが出る、頭皮のべたつきや赤みがある、などの症状があると心配になりますね。頭皮のかゆみには様々な原因があり、適切に対処することが肝心です。今回は頭皮がかゆくなる原因とその対処法について解説していきます。

頭皮のかゆみ症状で考えられる原因と治し方

頭皮のかゆみの原因として、最も多いのは乾燥です。頭皮は顔や体の皮膚と比べて水分保持機能が低いと言われており、冬になり気温が低くなると空気が乾燥し、外気の影響を受けやすくなります。頭皮が乾燥すると表面のバリア機能も低下するため、外部からの刺激を受けやすくなり、かゆみがでます。乾燥による頭皮のかゆみを止める方法として、市販のローションタイプの保湿剤を頭皮に塗るとかゆみが落ち着くことがあります。また、頭皮が乾燥してバリア機能が弱っている時は、ちょっとした刺激で炎症を起こしやすいので、シャンプーやリンスをよくすすぐ、ごしごし擦らないなどに注意してください。

頭皮がかゆくフケが出る症状で考えられる原因と治し方

皮膚は約1~3か月のサイクルで生まれ変わります。古くなった皮膚は表面からはがれ落ち、体では“垢“とよばれるものが頭皮では”フケ“にあたります。頭皮の生まれ変わりが正常な場合のフケはとても小さいため、自分で気付かない間にはがれ落ちます。しかし、乾燥した頭皮は皮膚が生まれ変わるサイクルが早まり、未熟な角質細胞までもはがれ落ちてしまうため、通常より大きくガサガサしたフケが大量にでます。また、未熟な角質細胞がはがれ落ちることで、さらに頭皮のバリア機能が低下し、ちょっとした刺激でかゆみを感じやすくなります。対策として、シャンプーやリンスの際にはぬるめのお湯でよくすすぐ、強くこすらないなどがあります。また、洗髪後に市販のローションタイプや頭皮用の保湿剤を塗るのも効果的です。それでも治まらない場合、頭皮が乾燥により炎症を起こしている可能性がありますので、皮膚科を受診してください。

頭皮がかゆく湿疹やかさぶたがある症状で考えられる原因と治し方

頭皮のかゆみに加えてぶつぶつやかさぶたがある場合、脂漏性皮膚炎の可能性があります。もともと皮膚には何種類もの常在菌が住んでおり、これらの常在菌のバランスが保たれることにより、皮膚を外的な刺激から守り健やかな状態を保つ手助けをしています。また頭皮は皮脂分泌が盛んな場所で、ほどよい皮脂があることで頭皮の乾燥を防いでいます。しかし、何らかの理由で頭皮の皮脂が過剰になると、常在菌でカビの一種であるマラセチアが増え、皮脂と反応して炎症を引き起こし頭皮にあかみとかゆみが出ます。また、皮膚の生まれ変わるサイクルも乱れるため、頭皮にべたついたフケやかさぶたがでることがあります。対策として、マラセチアの増殖を抑える成分(ミコナゾールなど)の入った市販のシャンプーを使用する、皮脂を抑えるビタミンB群を摂取する、脂っぽいものを避け規則正しい生活をするなどがあります。しかし、頭皮の脂漏性皮膚炎は難治なこともあり、皮膚科で抗真菌剤やステロイド含有の塗り薬を処方してもらうとよいでしょう。

女性の頭皮がかゆい症状で考えられる主な原因と治し方

女性の頭皮がかゆい場合に多いのは、洗いすぎによる乾燥です。髪の毛を綺麗にしたい女性は多いですが、頭皮の汗や皮脂をしっかり落としたいと思うあまり、1度に何回もシャンプーで洗髪したり、必要以上にごしごしこすることで、必要な角質を取り除き頭皮のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみを引き起こします。また、髪の長い女性はドライヤーの時間も長いことが多く、長時間、頭皮に温風があたることで乾燥します。反対に、濡れたまま寝てしまう場合には、頭皮の常在菌のバランスが崩れてしまい、こちらもかゆみや乾燥の原因となります。洗髪前にブラッシングをする、シャンプーの前後によくすすぐ、シャンプーを泡立ててから頭皮につける、自分の頭皮の状態にあったシャンプーを選ぶ、などの対策をすることで改善が見込めます。それでもよくならない場合には、ステロイドなどの炎症を抑える塗り薬が必要な場合がありますので、皮膚科を受診しましょう。

更年期で頭皮がかゆい症状で考えられる原因と治し方

女性で頭皮にかゆみがある場合、更年期障害が原因のことがあります。多くの日本人女性は40代から50代にかけて更年期を迎えると言われています。顔や上半身がほてり、汗をかきやすくなることで、頭皮にかゆみが出ることがあります。また精神面では、落ち込みやすい、これまで気にならなかったようなちょっとしたことが気になる、といった変化から、過度にかゆみを感じやすくなる場合もあります。さらに更年期により女性ホルモンが減少することで、頭皮も乾燥しやすくなり、頭皮のターンオーバーもうまくいかずかゆみが出る事があります。頭皮のかゆみに対する一般的な対策で改善がなく、ほてりや多汗などの症状がある場合には、漢方薬やホルモン治療が効果的なこともありますので、婦人科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「頭皮のかゆみ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

ぶつぶつや赤み、かさぶたがある場合は、皮膚科へ

頭皮のかゆみ以外にぶつぶつや赤み、かさぶたがある場合には、湿疹や脂漏性皮膚炎の可能性がありますので、皮膚科を受診しましょう。
40代から50代の女性で、頭皮のかゆみ以外に多汗やほてり、イライラなどの症状があれば、更年期障害の可能性がありますので、婦人科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「頭皮のかゆみ」のセルフチェック法

  • ・頭皮のかゆみ以外にあかみ、ぶつぶつの症状がある場合
  • ・頭皮のかゆみ以外にがさがさやかさぶたの症状がある場合
  • ・頭皮のかゆみ以外に多汗やほてりの症状がある場合

「頭皮のかゆみ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「頭皮のかゆみ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

頭皮湿疹

頭皮湿疹は空気の乾燥やシャンプーのやりすぎ、毛髪のカラーリング、疲労やストレスなど様々なことがきっかけで起こります。症状は頭皮のかゆみ、あかみ、ぶつぶつ、フケなどです。自宅でできる対処法としては、市販のローションタイプの保湿剤をぬる、シャンプーは1-2日に1回にしてゴシゴシこすらない、などがあります。かゆみが強い場合はドラッグストアで販売されているステロイド含有のOTC薬品をぬってみるのも良いでしょう。ただし、数日しても治らない場合には漫然と使用せず、皮膚科を受診しましょう。

頭部粃糠疹

頭部粃糠疹はいわゆる“フケ症”のことで、頭皮の角質がはがれおちてできるフケが非常に目立つ状態です。原因は頭皮の乾燥によるターンオーバーの亢進や、脂漏性皮膚炎などで頭皮の水分と脂分のバランスの乱れが皮膚常在菌に影響し、頭皮の環境が悪化することでおこります、自宅でできる対処法としては、市販の保湿剤をぬる、シャンプーを変更するなどがあります。難治な場合も多いので、改善しなければ皮膚科を受診しましょう。

頭部白癬

頭部白癬は白癬菌とよばれるカビの一種が髪の毛に寄生することで起こります。戦前はよくみかける疾患でしたが現在はまれで、頭部白癬のある方の多くは足白癬(いわゆる水虫)がみられます。いびつな円形に髪の毛が抜け、表面に細かいフケやかさぶたのような症状が出ますが、かゆみは感じない方が多いです。また、髪の毛が抜けた部分は毛がおれたり抜けやすくなります。円形脱毛症や脂漏性皮膚炎などの他の疾患と誤診され、ステロイドの外用を続けると症状が悪化しますので、このような症状がある場合には皮膚科を受診しましょう。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は頭皮や生え際、顔の中では眉や鼻、耳周りなどの皮脂の分泌が多い場所にできます。頭皮にできる場合はかゆみに加えて、頭皮の赤みやぶつぶつとべたっとした脂っぽいフケやかさぶたなどの症状がみられます。この疾患には常在菌でカビの一種であるマラセチアの関与がいわれています。自宅でできる対策としては、マラセチアの増殖を抑える成分(ミコナゾールなど)の入ったシャンプーがドラッグストアで手に入りますので、そちらを使用する、皮脂を抑えるビタミンB群のサプリメントを摂取する、食生活では脂っぽいものを避けるなどがあります。しかし、脂漏性皮膚炎は治療に長期間かかる場合も多く、皮膚科で適切な抗真菌剤やステロイド含有の塗り薬を処方してもらいましょう。

「頭皮がかゆい」ときの正しい対処法は?

頭皮がかゆい時は乾燥が原因のことが多いので、まずは市販の保湿剤やアミノ酸などの低刺激のシャンプーを利用しましょう。
かゆみの原因がはっきりしている場合には、市販の塗り薬を塗っても構いません。例えば、ヘアカラーやシャンプーが合わなかった場合には、ドラッグストアで入手できるステロイド含有のOTC薬品をぬると良いでしょう。
しかし、改善しないのに漫然と外用を続けると、ステロイドの副作用がでたり頭部白癬(頭の水虫)を誘発することもありますので、数日塗ってみても改善しない場合には皮膚科を受診してください。
市販薬をぬる場合には、薬を頭の上から振りかけるようにして塗っても髪の毛にしか付きません。面倒でも一度お薬を手のひらに出して、指で直接頭皮にぬるようにしましょう。
一般に皮膚は温めるとかゆみが増すので、かゆみがある場合にはお風呂などで頭皮を温めすぎないようにしましょう。
シャンプーをしてもかゆみが続くときはシャンプーのやり方に原因があるかもしれません。シャンプーは頭皮の状態にあわせて1-2日に1回行い、洗髪前のブラッシングとすすぎをしっかり行いましょう。シャンプーを泡立ててから頭皮につけ、爪を立てないよう優しく地肌を洗いましょう。シャンプー、トリートメント後も地肌に残らないようしっかりすすぎを行ってください。長時間のドライヤーは頭皮の乾燥の原因となりますので、タオルで頭皮を拭いてから使用するようにしましょう。
頭皮に保湿剤をぬるときも、お薬をぬる時と同様に髪の毛につかないよう、一度保湿剤を手のひらに出して、指で直接頭皮にぬるようにしましょう
整髪料やカラーリング、パーマは頭皮にかゆみがある場合、悪化する可能性がありますので避けてください。
早く治したい時や応急処置をしても症状が収まらない場合には、皮膚科などの医療機関を受診してください。

「頭皮のかゆみ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「頭皮のかゆみ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

頭皮がかゆいときどんなシャンプーを選べばいいでしょうか。

森田 知世医師森田 知世(医師)

洗浄力がマイルドなアミノ酸など低刺激のシャンプーを選びましょう。

頭皮のかゆみを抑える市販薬はありますでしょうか。/h3>

森田 知世医師森田 知世(医師)

かゆみ止めや抗炎症成分が含まれた市販の塗り薬がドラックストアで手に入ります。また、頭皮の湿疹に効果のあるステロイドを含んだOTC薬品もありますので、そちらを使ってみてもよいでしょう。

頭皮のかゆみがありますが洗髪していいでしょうか。

森田 知世医師森田 知世(医師)

洗髪しても構いませんが、低刺激のシャンプーで優しく洗うようにしてください。

頭に湿疹がありかゆみが続くのはストレスが原因でしょうか?

森田 知世医師森田 知世(医師)

ストレスにより末梢の神経が過敏になり、かゆみを感じやすくなる方もいらっしゃいます。また、体の免疫のバランスが崩れるともともと頭皮に湿疹がある方は治りにくく長引く場合があります。

頭皮が痒い症状と女性の更年期に関係性はありますか?

森田 知世医師森田 知世(医師)

更年期によくある症状のひとつに、顔や上半身のほてりと発汗があり、それにより頭皮にかゆみが出ることがあります。また精神面ではイライラしやすく、いつも以上にかゆみを感じやすくなることもあります。

まとめ

今回は頭皮がかゆくなる原因について解説しました。頭皮のかゆみには様々な原因があります。自宅でできる対応もご紹介しましたが、よくならない場合には早めに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

「頭皮のかゆみ」で考えられる病気と特徴

「頭皮のかゆみ」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

婦人科の病気

さまざまな原因があり、生活習慣を見直してみても改善しない場合には受診を検討しましょう。

「頭皮のかゆみ」と関連のある症状

「頭皮のかゆみ」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「頭皮のかゆみ」症状の他に、これらの症状がある場合も「頭皮湿疹」「脂漏性皮膚炎」「更年期障害」などの疾患の可能性が考えられます。
複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。