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「シミ」ができる原因はご存知ですか?予防する栄養素も医師が徹底解説!

「シミ」ができる原因はご存知ですか?予防する栄養素も医師が徹底解説!

シミを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

森田 知世医師

監修医師
森田 知世(医師)

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2東京女子医科大学卒業後、広島大学病院皮膚科、県立広島病院皮膚科などに勤務。現在は大阪市内の美容皮膚科、皮膚科に複数勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の資格を有する。

「シミ」症状で考えられる病気と対処法

「いつのまにか顔にシミができた」「以前からあったシミが濃くなってきた」などの症状があると心配になりますね。
シミといってもさまざまな種類があり、それぞれで治療法が異なります。シミ取りのレーザー治療や光治療が必要なものもあれば、塗り薬や飲み薬でよくなるものなど様々です。シミに悩んでいる場合には、まずご自身のシミがどのようなものか知る必要があります。今回はシミの種類と原因、対処法について詳しく解説していきます。 

シミの症状で考えられる原因と治し方

シミは顔や体の皮膚の色素(メラニン)が部分的に増えている状態のことで、代表的なものにそばかす、老人性色素斑、肝斑、炎症後色素沈着などがあります。また、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑などのアザも総称してシミと呼ばれることがあります。
シミの種類により治療法は異なるため、シミの治療には診断が大切です。
例えば、そばかすの多くは幼少期から出現し、頬から鼻にかけて小型の茶色い斑点が多数あるのが特徴で、多くは思春期に濃くなる経過をたどります。治療は光治療やレーザーなどを用いるのが一般的でシミ取りの化粧水やクリーム、サプリメントでは薄くする効果はありません。

肝斑(かんぱん)

肝斑は、30-40代の女性にできる両頬を中心としたもやもやとしたシミのことです。レーザー治療で悪化することも多く、安易なレーザー治療で失敗する例もあります。治療は抗炎症、美白作用のあるトラネキサム酸やビタミンCの内服、肌のターンオーバーを促すトレチノインと漂白作用のあるハイドロキノンなどの塗り薬で治療を行います。
シミの治療をする場合に大切なのは診断ですがご自身では判断が難しい場合も多いので、まずは皮膚科や形成外科などシミの治療を行っている医療機関で相談してみましょう。

濃くなるシミの症状で考えられる原因と治し方

もともとあったシミが濃くガサガサしてきた場合、老人性色素斑や脂漏性角化症の可能性があります。

老人性色素斑

老人性色素斑は、30代以降から増えてくるシミの一種で、顔や体の露光部に不定形な数㎜から数㎝の茶色または黒褐色の斑点としてみられます。老人性色素斑を放置していると表面が厚くガサガサになることがあり、これは脂漏性角化症(いわゆる老人性のいぼ)と呼ばれます。

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、保険診療で液体窒素を用いた凍結療法で除去することができます。また老人性色素斑と脂漏性角化症はいずれも自費診療でレーザー治療が可能です。
これらのシミは自然に消えることはなく市販の化粧水やクリームも効果はありませんので、消したい場合には医療機関を受診しましょう。

日焼け後のシミの症状で考えられる主な影響と対処法

一般的に日焼けしてすぐにシミが濃くなることはありません。若い時からの紫外線の蓄積が数年から数十年の経過でシミとなって現れます。予防には毎日日焼け止めを使用し、日傘や帽子などを用いて紫外線対策をすることが大切です。うっかり日焼けをしてしまった場合、皮膚は軽いやけどをしたのと同じ状態になっていますので、冷やす、保湿するなどの対応が必要です。シミの元となるメラニンの抑制、排出を促すビタミンCや抗酸化作用のあるサプリメントを摂取するのも良いでしょう。
また海などで強い日焼けをした数か月から数年後にでてくるシミに、花弁状色素斑というものがあります。もともと色白の人に出来やすく、上背部や肩、胸などに境界のはっきりした大小の茶色いシミがたくさんできます。こちらも予防が大切な疾患ですが、できてしまったシミには光治療やレーザーを用いた治療が可能です。

虫刺され後のシミの症状で考えられる主な影響と対処法

虫刺され後にできたシミで考えらえるのは、炎症後色素沈着です。虫刺されやケガなどの外的な刺激で皮膚が損傷し回復する過程で、一時的に皮膚のメラニンが増えることで起こります。色素沈着の程度は、外的な刺激の程度や部位、ご自身の肌質によって変わってきます。基本的には何も治療を行わなくても自然治癒しますが、顔などの皮膚が薄くターンオーバーが早い部位でも半年、下肢は3-4年かかる場合もあります。初期には市販のシミを薄くする化粧水やクリーム、サプリメントで効果が出ることもありますが、長引く場合には抗炎症、美白効果のあるトラネキサム酸やビタミンCの内服、漂白作用のあるハイドロキノンの外用や場合によってはレーザーを用いた治療を行うこともあります。

顔にシミができる症状で考えられる原因と治し方

顔のシミで相談が多いものに、肝斑があります。肝斑は主に30-40代の女性に多く、頬骨の出っ張った部分を中心に左右対称にできる境界のはっきりしないもやもやした褐色のシミです。
肝斑は、妊娠やピルの内服で悪化することから、女性ホルモンが関与していることがしられていますが、はっきりした原因はわかっていません。
治療は抗炎症、美白作用のあるトラネキサム酸とビタミンCの内服や、肌のターンオーバーを促すトレチノインと漂白作用のあるハイドロキノンなどの塗り薬などがあります。また、肝斑は肌を擦る刺激で悪化するため、洗顔や化粧で肌を擦るなど刺激を徹底的にさけることも有効です。

体にシミができる症状で考えられる原因と治し方

顔だけでなく体も紫外線を浴びることで、メラニンが産生されシミができます。若い時に海やプールで肌を焼いていた方や、日常生活でも手の甲や首などは日焼け止めを塗り忘れることが多く、紫外線による肌へのダメージが蓄積されることでシミが出てきます。
体にできるシミのほとんどは老人性色素斑というものであり、シミ取りのレーザー治療やビタミンAの一種であるトレチノイン、漂白作用のあるハイドロキノンなどの塗り薬を用いた治療が可能です。

シミの症状とストレスで考えられる主な影響と対処法

ストレスでシミが濃くなったと感じられる方がいらっしゃいます。シミの原因であるメラニンはメラノサイトという細胞で産生されますが、メラノサイトは神経由来の細胞でありストレスとの関連が示唆されています。
また、肝斑は女性ホルモンにより悪化することが知られていますが、ストレスによりホルモンバランスが乱れることでシミが濃くなる可能性があります。
シミの種類により治療法は異なりますが、まずはクリニックを受診しご自身のシミの状態を知ることで、ストレスを減らし安心して治療を受けていただくことができます。

すぐに病院へ行くべき「シミ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

赤みやかゆみがある場合や、盛り上がってがさがさする、キズになってジュクジュクする場合は、皮膚科・形成外科へ

シミだけでなく赤みやかゆみがある場合には、虫刺されや湿疹などの可能性がありますので、皮膚科を受診しましょう。
また、シミの部分が盛り上がってがさがさする、キズになってジュクジュクする場合には悪性黒色腫や基底細胞癌といった皮膚がんの可能性があります。
幼少期からあるシミの中には、太田母斑や扁平母斑といったいわゆるあざの可能性もあります。この場合は保険診療での治療が可能ですので、皮膚科や形成外科などの医療機関を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「シミ」のセルフチェック法

  • ・シミ以外に赤み、かゆみ症状がある場合
  • ・シミ以外にがさがさ、じゅくじゅくなどの症状がある場合
  • ・シミ以外に茶色や青っぽいあざがある場合

「シミ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「シミ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

肝斑

肝斑は30-40代の女性に多く、顔の特に頬骨を中心にできるもやもやしたシミのことです。原因ははっきりわかっていませんが、日焼けや妊娠、女性ホルモンにより悪化することが知られています。
治療は、抗炎症、美白作用のあるトラネキサム酸やビタミンCの内服や、肌のターンオーバーを促すトレチノインと漂白作用のあるハイドロキノンの外用があります。
また、肝斑は皮膚の慢性的な刺激による炎症が一因と言われており、スキンケアの見直しや洗顔・メイク指導で改善することも多々あります。
一部の肝斑ではレーザー治療が有効ですが悪化する場合もあり、レーザー治療を希望される場合には、肝斑の治療経験に富んだ皮膚科や形成外科の先生に相談するとよいでしょう。

悪性黒色腫(メラノーマ)

いわゆる「ほくろの癌」のことで、日焼けしたときにメラニン色素を作るメラノサイトと呼ばれる細胞が異常増殖し、癌化したものです。幼少期からあるほくろが癌化することはまれで、メラノーマの多くは中年期以降に生じます。
初期はシミに似ていることもあり、徐々に大きく盛り上がってくることがあります。治療は手術や化学療法になります。顔のシミを放置していたら、実は悪性黒色腫だったということもあります。心配な症状がある場合には皮膚科を受診しましょう。

表在型基底細胞癌

皮膚の毛包の一部の細胞が癌化したもので、顔など紫外線の影響を受けやすい場所に好発します。やや青味がかった黒色のできものであることが多いため、ほくろやシミと間違われやすいですが、基底細胞癌の場合には大きくなり一部がえぐれたような潰瘍になることもあります。治療は手術です。
特に60歳代以降で特に顔の中心部に好発するため、これまでなかった黒いほくろの様なできものができた場合には皮膚科を受診しましょう。

「シミ」の正しい対処法は?

シミの予防で最も大切なのは、紫外線を浴びないことです。紫外線を浴びることにより起こる肌の変化を光老化と呼びますが、光老化は肌の老化の原因の8割を占めると言われています。肌のシミだけでなく、しわやたるみなどの老化現象を引き起こすため、健康的な美しい肌を維持するには紫外線対策が最も重要です。具体的には、日差しの強い午前からお昼の時間帯は外出を控え、外出する際には長袖や帽子、日傘を使用しましょう。また、顔や首、手の甲など紫外線が当たる部位には日焼け止めを毎日塗るようにしましょう。日焼け止めは十分な量をムラなく皮膚に塗り、できたら2-3時間毎に塗りなおしましょう。
出来てしまったシミはその種類により治療法が異なるので、まずは診断のため皮膚科や形成外科などの医療機関を受診しましょう。美容が目的の場合はすべて自費での診療になります。老人性色素斑や日光黒子のような30代以降の露光部に単発でみられるシミはレーザー治療が効果的です。そばかすのように幼少期から小型のシミがたくさん頬にできているタイプは、フラッシュライトなどを用いた光治療やレーザー治療でもシミ取り放題などのメニューを選ばれる方が多いです。肝斑には抗炎症、美白作用のあるトラネキサム酸やビタミンCの内服が効果的です。トラネキサム酸やビタミンC配合の飲み薬はドラッグストアでも手に入ります。また、肝斑は市販のスキンケアや化粧による慢性的な刺激が一因ですので、スキンケア、メイク指導を行うクリニックもあります。ドラッグストアで手に入るシミの塗り薬には、トラネキサム酸やビタミンCなどの成分が含まれていることが多く、美白の効果はありますが塗り薬だけでシミが消えることはまれですので、しっかり治療したい場合には皮膚科や形成外科などの医療機関で相談しましょう。
シミの予防には、ビタミンA,C,Eなど抗酸化物質を多く含む食べ物を日ごろから摂取すると良いでしょう。これらの成分は色の濃い野菜に多く含まれています。また、ストレスでシミが濃くなるケースもありますので、しっかりとした睡眠、休養をとり規則正しい生活を行うことも大切です。

「シミ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「シミ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

シミの予防方法を教えてください。

森田 知世医師森田 知世(医師)

肌の老化の8割は紫外線による影響と言われています。日焼け止めを塗る、外出時は日傘や帽子などを使用するなど日々の生活から紫外線対策を心がけましょう。

顔の肝斑とシミの見分け方はありますか?

森田 知世医師森田 知世(医師)

肝斑は30-40代の頬などにできるもやもやとしたシミで、老人性色素斑や日光黒子などのいわゆるシミとの違いは、左右対称にあるかどうか、シミと正常皮膚との境界がはっきりしているかなどです。しかしご自身では判断が難しいことも多いので、心配な場合は医療機関を受診しましょう。

シミとそばかすやほくろとの違いは何でしょうか。

森田 知世医師森田 知世(医師)

そばかすは、幼少期から出現し思春期に悪化するシミの一種で、両頬~鼻にかけて小型の茶色い色素斑がたくさんできます。そばかすの原因ははっきりわかっていませんが、色白で乾燥気味な肌質の女性に多いと言われています。そばかすは表皮基底層という皮膚の表面に近い部分のメラニンが増えており、光治療やレーザーでの治療が可能です。
ほくろは、皮膚の中でメラニンを作る細胞(メラノサイト)が増える良性のできもののことで、年齢や肌質に関係なくそばかすと違い体のどこにでもできます。メラノサイトは真皮という皮膚のやや深い部分にあることが多く、治療は手術や炭酸ガスレーザーを用いて削るような処置が必要です。

できてしまったシミは消すことができるのでしょうか。

森田 知世医師森田 知世(医師)

シミの種類により治療法は異なりますが、レーザーや内服、外用での治療が可能です。美容目的の治療は自費診療となりますが、シミやアザの種類によっては保険診療での治療が可能な場合もありますので、医療機関で相談してみましょう。

まとめ

今回はシミの種類と原因、対処法について解説しました。シミにはさまざまな種類があり、それにより治療法が異なります。まずはご自身のシミがどのタイプか診断をつけることが大切ですので、シミでお悩みの場合は皮膚科や形成外科などシミ治療を行っている医療機関で相談してみましょう。

「シミ」で考えられる病気と特徴

「シミ」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科・形成外科の病気

治療をするためには、そのシミがどのようなものか知る必要があるので、皮膚科や形成外科で相談するのが良いでしょう。

「シミ」と関連のある症状

「シミ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「シミ」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「老人性色素」「脂漏性角化症」「そばかす」「肝斑」「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」「悪性黒色腫」「基底細胞癌」などの疾患の可能性が考えられます。痛みが続く場合や足のむくみなど見た目に変化がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。