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「耳の中にかさぶた」ができる原因はご存知ですか?医師が対処法も徹底解説!

「耳の中にかさぶた」ができる原因はご存知ですか?医師が対処法も徹底解説!

耳の中にかさぶたができるとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

武田 美貴

監修医師
武田 美貴(医師)

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平成6年札幌医科大学を卒業し、札幌医科大学放射線科に入局。画像診断専門医となり、読影業務に従事。その後、新たな進路を模索するため、老年医療や訪問医療、リハビリテーションなどを学ぶ。現在は、一周回って画像診断で母校に恩返しをする傍ら、医療事故の裁判では、患者に寄り添う代理人を、画像診断と医学知識の両面でサポートすることをライフワークとしている。

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「耳の中にかさぶたができる」症状で考えられる病気と対処法

耳は普段痛みやかゆみを感じる場所ではないため、違和感があるととても気になりますよね。特に耳の穴の中は直接見えにくいため、かさぶたに気がつくと、なぜかさぶたができたのか、とても気になってしまいます。どんな場合に、病院を受診する必要があるのか解説していきます。

耳の中にかさぶたができていて血が出る症状で考えられる原因と治し方

耳の中に血が出るかさぶたができているときは、外耳道炎になっている可能性があります。とくに、綿棒で耳かきをしている人は、かゆいと綿棒で触ってしまいがちですが、なるべく放置して様子を見ます。放置していると、自然治癒することが多いです。かさぶたを取りたくなりますが、取ってしまうと血が出て新しい傷となります。新しい傷を作ってしまうと、血が乾いてかさぶたとなるとき、またかゆくなって綿棒で触りたくなり、なかなか傷が治らない、ということを繰り返すことがあります。腕などにできた傷と同じく、オロナインなど市販薬を綿棒などで耳の中のかさぶたに塗って、様子を見ます。薬を塗って2,3日様子を見ても治らない場合、日中に病院を受診します。

耳の中にかさぶたができていて汁がでる症状で考えられる原因と治し方

耳の中にかさぶたができていて汁がでる場合ですが、汁が透明でにおいがしない場合は、触りすぎが原因でできた外耳道炎によるかさぶたである可能性が高いです。綿棒などで触らないように、放置しましょう。オロナインなどの市販薬を塗るのも、有効であることがあります。腕などにできるかさぶたと同じで、はがすと汁が出てくることがあります。このような場合も、放置して様子をみます。汁が濁っていたり、色がついている場合、特に緑色の汁である場合は、耳の中の傷に細菌が感染することが原因である外耳道炎の可能性があります。感染した場合、汁に臭いがある場合があります。このような状態になってしまったら、抗生物質による治療が必要です。耳の穴を耳鏡という器具を使って観察する必要がありますので、日中に耳鼻咽喉科を受診してください。

耳の中にかさぶたができていて痛い症状で考えられる原因と治し方

耳の中にかさぶたができて痛い場合は、かさぶたを何度もはがすことにより、耳の中の傷の炎症がひどくなっている場合があります。このように痛みが出てきた場合は、放置せず耳鼻科を受診します。また耳のなかにできたかさぶたのあたりの痛みがひどくなってきた場合、原因として外耳道の腫瘍を触っている可能性もあります。特に悪性腫瘍の場合は、早期に治療しないと耳の穴の近くにある鼓膜を破って、内耳に腫瘍が浸潤することもあります。このような状態になると、最悪耳が聞こえなくなることもあります。かさぶたを触らないように放置しているのに、症状がひどくなって痛みが出てきた、耳の穴から臭い汁が出てきた、汁に血が混じるなどの症状がある場合、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳の中にかさぶたができていてかゆい症状で考えられる原因と治し方

耳の中にかさぶたができていてかゆい場合、耳の穴の中が蒸れていて真菌というカビに感染している場合があります。特に長時間イヤホンを装着する習慣がある場合、耳の穴をイヤホンでふさいでいるので耳の穴が高温多湿状態となってしまいます。このような高温多湿状態は、カビがとても生えやすい状態ですので、イヤホンを装着する時間を短くする必要があります。またカビが生えると、耳の穴の皮膚に細かい傷がつくので、ほかの細菌にも感染しやすくなります。さらに、かゆいので綿棒などで触ってしまうと、傷がさらに深くなり症状が悪化しやすくなります。耳の中にかさぶたができてかゆい場合は、まずイヤホンの装着時間を短くして、耳の中が長時間高温多湿状態にならないようにします。イヤホンを清潔にして使用することも重要です。しばらくイヤホンをしない状態にしても症状が改善しない場合、日中に耳鼻咽喉科を受診します。

耳の中にかさぶたができていて臭い症状で考えられる原因と治し方

耳の中にかさぶたができて臭い場合、細菌に感染している可能性があります。耳の中も皮膚ですので、常に細菌がいます。傷などがない場合はこの最近細菌は悪さをしないのですが、耳かきなどで傷ができてかさぶたとなった場合、皮膚にいる細菌が異常に繁殖して、皮膚感染症となります。感染症になると、繁殖した最近から臭いが出るので、かさぶたが臭くなります。またでてくる汁が透明ではなく色がついてくるようになります。このような状態になると、自然治癒することは難しくなり、抗生物質など専門の薬による治療が必要となります。傷の状態を器具を使って診断する必要もあるので、早めに耳鼻咽喉科を受診します。

耳の中にかさぶたが繰り返しできる症状で考えられる原因と治し方

耳の中にかさぶたが繰り返しできる症状は、お風呂のあと耳かきをする習慣の人に見られることが多いです。耳かきを習慣的にすると、耳の中を綿棒などで強くこすってしまうことがあります。そうすると傷になり、かさぶたができます。そのような状態になっても、習慣として耳かきをしてしまうと、かさぶたを何回もはがしてしまうことになり、傷の治りが遅くなります。耳かきをする習慣がある場合、しばらく耳かきをせず様子をみます。放置することにより、自然治癒することがあります。

すぐに病院へ行くべき「耳の中にかさぶたができる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

かさぶたから嫌な臭いがする場合は、耳鼻咽喉科へ

かさぶたから嫌な臭いがする場合は、かさぶたが細菌感染している可能性があります。細菌感染すると自然治癒することが難しくなります。耳の中のかさぶたが細菌感染を起こした状態で放置してしまうと、細菌感染が鼓膜や鼓膜の中の内耳まで広がってしまい、耳の聞こえが悪くなってしまう可能性もあります。抗生物質など、適切な薬を使った専門の治療が必要となりますので、早めに耳鼻科を受診してください。
また、嫌な臭いの他に強くなる痛みを感じる場合、耳の中に腫瘍ができている可能性も考えられます。腫瘍は治療しないと大きくなってしまい、耳の穴をふさいだり、耳の周囲の組織や骨を破壊してしまうこともあります。腫瘍が小さい段階では、耳鏡といって耳の穴の中をのぞく器具を使って診察する必要があります。このような場合も、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

受診・予防の目安となる「耳の中にかさぶたができる」ときのセルフチェック法

  • 耳の中にかさぶたができる以外にかゆみがある場合
  • 耳の中にかさぶたができる症状が繰り返す場合
  • 耳の中にかさぶたができる以外に血が出たり、痛みがある場合

「耳の中にかさぶたができる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「耳の中にかさぶたができる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

外耳炎・外耳道炎

外耳とは、鼓膜から耳の穴の外までの範囲のことを言います。外耳には、常在菌という細菌や真菌(カビ)が常にいますが、通常は数のバランスを保って存在しています。しかし糖尿病など感染症が起こりやすい状態であったり、みみかきなどで外耳に傷がついていると、そのバランスが崩れて、細菌感染症や真菌感染症を起こします。感染がおこると抗生剤の点耳薬による治療が必要となるので、耳鼻咽喉科への通院が必要となります。

外耳道真菌炎

耳の中は高温多湿であるため、真菌(カビ)が繁殖しやすい環境です。特に最近は、イヤフォンを長時間装着しているために、耳がふさがれ高温多湿状態が長時間続く状態となっていることが多いです。またイヤフォンを清潔に保っていないために、耳の中が不潔になり、カビが増えて強いかゆみの原因となることもあります。黒い耳あかが出てくることもあり、治療が必要となります。真菌感染症は繰り返すこともあり、治るまでに時間がかかることもあります。適切な薬での治療が必要ですので、かゆみが強くなってきている、繰り返すなどの症状が出てきた場合、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

「耳の中にかさぶたができる」の正しい対処法は?

まず耳かきなど、耳の中を刺激することをやめます。またオロナインなど市販の薬を綿棒で優しく塗ると、効果的なこともあります。耳かきをやめても症状が改善しない場合は、1週間を目安に耳鼻咽喉科を受診してください。

「耳の中にかさぶたができる」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「耳の中にかさぶたができる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

耳の中のかさぶたは自然治癒しますか?

武田 美貴医師武田 美貴(医師)

耳かきなどで傷をつけてしまった場合は、傷が治れば自然治癒します。しかし感染症などが原因の場合は、適切な治療をしなければ治らないことが多いです。

耳の中のかさぶたははがしてもいいですか?

武田 美貴医師武田 美貴(医師)

かさぶたは、傷が治る過程でできることが多いので、気になりますができるだけはがさないようにしましょう。

耳の中にかさぶたがあるときは市販薬を使ってもいいですか?

武田 美貴医師武田 美貴(医師)

傷を治すため、またかさぶたを少し潤すために、オロナインなどの軟膏を塗ることは、効果的なこともあります。しかし1週間ほど市販薬を使っても症状がよくならない場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

まとめ 耳の中にかさぶたができるときは外耳道炎の可能性あり

耳の中にかさぶたができる原因は、綿棒などを強く刺激してできた傷であることが多いです。しかし耳の中は狭いため、直接見ることが難しい部位ですので、耳かきをやめても症状がよくならないときは、耳鼻咽喉科を受診して相談してください。

「耳の中にかさぶたができる」症状で考えられる病気

「耳の中にかさぶたができる」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科の病気

  • 外耳道炎
  • 外耳真菌炎
  • 外耳道腫瘍

耳の中の傷や感染症の他に、腫瘍ができているために、かさぶたから血が出ていることもあります。耳の中は狭いため、直接見ることが難しい部位でもあります。症状が長引く、痛みがひどくなる場合は、早めに耳鼻科を受診することをお勧めします。

「耳の中にかさぶたができる」に似ている症状・関連する症状

「耳の中にかさぶたができる」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「耳の中にかさぶたができる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「外耳道炎」「外耳真菌炎」「外耳道腫瘍」「中耳炎」などの疾患の可能性が考えられます。嫌な臭いや痛みなどの症状が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。