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「鼻茸が取れる」のは「蓄膿症」や「副鼻腔炎」が原因?医師が徹底解説

「鼻茸が取れる」のは「蓄膿症」や「副鼻腔炎」が原因?医師が徹底解説

鼻茸が取れたらどうすべき?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

磯野 志真

監修医師
磯野 志真(医師)

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東京慈恵会医科大学医学部卒業。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師。東京医科歯科大学医学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)、横浜市立みなと赤十字病院、賛育会病院などでの勤務経験あり。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会所属。小児の難聴・中耳炎から、成人の頭頸部がんまで幅広く診療している。

「鼻茸が取れた」症状で考えられる病気と対処法

もともと鼻詰まりがある方で、強く鼻をかんだ際にキノコのような塊がでてきた、というとき「鼻茸」が出てきてしまった可能性があります。鼻茸とは何か、本記事で学んでいきましょう。

鼻茸が取れた症状で考えられる原因と対処法

鼻や副鼻腔の粘膜が慢性的な炎症で腫れ、鼻腔内にキノコのように突出した状態になり、これを「鼻茸」(または「鼻ポリープ」)と呼びます。
鼻茸が鼻の中で増え大きくなると、鼻づまり、においが分かりにくいなどの症状がでるようになります。また鼻がつまると口呼吸になることから、のどや呼吸器の感染を起こしやすくなります。鼻茸自体が鼻から自然にとれる頻度はそれほど多くないですが、強く鼻をかんだ際にキノコのような塊が出てくる場合もあります。
鼻茸は副鼻腔炎と合併することが多いといわれており、特に慢性副鼻腔炎と関連があるといわれています。喘息やアレルギーを持つ人では鼻茸を発症しやすいといわれていますが、原因は不明です。治療は薬物治療がメインですが、改善が見られない際は内視鏡を用いた手術で摘出する場合もありますので、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「鼻茸が取れた」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

鼻茸が取れた際、鼻づまり・においのわかりにくさ・鼻汁が以前から持続している場合は、耳鼻咽喉科へ

鼻茸がとれたのみでしたらすぐに病院に行く必要はありませんが、鼻茸のある方は慢性副鼻腔炎が背景にあり、鼻づまり・においのわかりにくさ・鼻汁が以前からある場合がほとんどです。放置しても改善しないので、なるべく早めの耳鼻咽喉科への受診をお願いします。

受診・予防の目安となる「鼻茸が取れた」ときのセルフチェック法

  • ・鼻茸が取れた以外に鼻づまり・においのわかりにくさ・鼻汁が持続している場合

「鼻茸が取れた」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「鼻茸が取れた」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)

鼻の周りに「副鼻腔」と呼ばれる空間があり、この空間内で炎症が起きている状態を「副鼻腔炎」といいます。「慢性副鼻腔炎」は、副鼻腔に細菌が感染することで起こる「急性副鼻腔炎」が慢性化したもので、粘性の鼻汁、鼻づまり、頭重感、匂いがしないなどの症状が持続する疾患です。粘膜の炎症やむくみを慢性的に繰り返すことで上記のような「鼻茸」ができてしまいます。治療は耳鼻科にて抗菌薬と長期間使用しますが、効かない場合は内視鏡下での手術が行われます。

最近では、治療に抵抗性を示す難治性の「好酸球性副鼻腔炎」が増えてきています。一般的な慢性副鼻腔炎では炎症部位に“好中球”という白血球が集まっていますが、好酸球性副鼻腔炎では“好酸球”という白血球が集まっていることからこのように呼ばれます。喘息を合併し、嗅覚障害や鼻茸を伴うことが特徴です。好酸球性副鼻腔炎は難治性で、従来の薬物治療が効かないので、ステロイドを使用します。

いずれも診断と治療は耳鼻咽喉科で行う必要があるので、早めに病院を受診しましょう。

「鼻茸が取れた」ときの正しい対処法は?

鼻茸は鼻の周りにある空間である副鼻腔に炎症が起こった状態(副鼻腔炎)が背景にあって、鼻づまりや匂いのわかりにくさ、鼻汁が続いていることが多いです。このような鼻茸による症状に対して、市販薬のステロイド薬含有の点鼻薬(鼻内に噴霧する薬)は一時的な症状緩和に有効かもしれません。しかし根本治療ではなく、鼻茸の症状は放置しても改善しないので、早めに耳鼻咽喉科へ受診し、適切な治療を受けることをお勧めします。

「鼻茸が取れた」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「鼻茸が取れた」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

鼻の中にできた腫れもの(鼻茸)は自然に取れますか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

強くかむことで自然に鼻茸が取れてしまうこともありますが、頻度は高くないです。

鼻の中の鼻茸(鼻ポリープ)に漢方薬は効果的ですか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

鼻茸は慢性副鼻腔炎が原因となる疾患です。慢性副鼻腔炎に対して「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」という漢方を使用する場合もありますが、抗菌薬が第一選択で長期使用されることが非常に多いです。また慢性副鼻腔炎のひとつの好酸球性副鼻腔炎はステロイドを使用しないと改善しないこともあるので、診断とその処方は耳鼻咽喉科医師にゆだねましょう。

鼻茸が取れたのですが病院に行った方がいいですか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

鼻茸がとれたのみでしたらすぐに病院に行く必要はありませんが、鼻茸のある方は慢性副鼻腔炎が背景にあり、鼻づまりやにおいのわかりにくさが症状として以前からあることがほとんどで、放置しても改善しないので、耳鼻咽喉科への受診をお願いします。

鼻茸は放置するとどうなりますか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

鼻茸は慢性副鼻腔炎が原因でおこるので、慢性副鼻腔炎を放置している限り、鼻茸も改善せず、鼻茸が大きくなったり増加してしまったりすることが多いです。必ず病院を受診しましょう。

まとめ

鼻茸は思いっきり鼻をかむとキノコのような塊で出てくることがありますが、頻度は高くないです。慢性副鼻腔炎が原因でおこり治療は長期にわたり、改善しない場合は手術が行われることもあります。放置せず、必ず耳鼻咽喉科でしっかり治療をしましょう。

「鼻茸が取れた」症状で考えられる病気

「鼻茸が取れた」から医師が考えられる病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科の病気

鼻茸がとれた場合は「慢性副鼻腔炎」や「好酸球性副鼻腔炎」が考えられます。いずれも治療は長期にわたるため、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

「鼻茸が取れた」に似ている症状・関連する症状

「鼻茸が取れた」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

鼻茸がとれた場合、上記のような症状を以前から伴っていることがほとんどです。関連する疾患は、「慢性副鼻腔炎」「好酸球性副鼻腔炎」です。いずれも治療は長期にわたるため、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

この記事の監修医師