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「鼻の中にかさぶたができる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「鼻の中にかさぶたができる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

鼻の中にかさぶたができると気になってしまいますよね。ここでは病気の可能性や日常生活のなかにある原因、対処法などをMedical DOC監修医が解説します。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「鼻の中にかさぶたができる」症状で考えられる病気と対処法

すぐ止まるけれど鼻血がよく出る、鼻血がよく出るわけでもないのに鼻が詰まって鼻をかんでみるとかさぶたが混ざっている、なんてことありますよね。生活に支障はないからと様子を見ているでも治らないといったこともあると思います。原因を探して、早めの対処を行って予防することを心がけましょう。

鼻の中にかさぶたができて痛い、鼻血が出るときの原因と治し方

鼻の奥にかさぶたができて痛いと感じる、または、痛いと感じなくとも鼻血が出ることがあります。このような場合、打撲や鼻のかみすぎ/いじりすぎなどの外傷によるものが疑われます。しかし、そのようなきっかけが思い当たらない場合には、乾燥や炎症などによるもの、上顎洞がんなどの悪性腫瘍によるものが疑われます。また、出血を助長するものとして、高血圧や動脈硬化、多発血管炎性肉芽腫症、血を止まりにくくする肝障害や血小板減少症などの内科疾患、血を固めることを阻害する薬剤の作用による影響なども可能性があります。
まずは、鼻のかみすぎのような鼻出血や痛みの原因がはっきりしている場合には、その行為は控え、痛みに対しては市販の痛み止めなどで痛みを軽減しましょう。鼻水などがひどい場合には市販の去痰薬や鼻炎の薬も有効です。
症状の原因となる病気には、アレルギー性鼻炎や急性上気道炎、慢性副鼻腔炎などがあります。これらの病気は、鼻に痛みが出ることが少ないのですが、鼻を強くかむ、鼻をいじることで鼻出血や痛みが生じます。また、その他に鼻中隔骨折などの外傷、急性鼻炎や鼻せつ(鼻毛が生えている場所に細菌が感染して化膿した状態)などの感染症、上顎洞がんなどの悪性腫瘍、萎縮性胃炎などを背景としたドライノーズなどが原因となることがあります。多くの場合では症状が2週間以上続いたら受診を検討するとよいでしょう。しかし、打撲などによる外傷や痛みが強い場合にはすぐに耳鼻咽喉科に受診してください。

鼻の中にかさぶたができてかゆいときの原因と治し方

鼻の中にかさぶたができてかゆい、さらに鼻水が出るということもあります。
このような場合、アレルギー性鼻炎や急性鼻炎などが疑われます。また、慢性副鼻腔炎などでの違和感が鼻のかゆみにつながっている可能性もあります。
鼻水が多い場合には、市販の去痰薬や鼻炎の薬などを使って症状を抑えつつ、強く鼻をかむなどの鼻に負担がかかる行為を控えるようにしましょう。アレルギー体質で定期的に症状が出現する場合には抗アレルギー薬が有効な場合もあります。急に症状が出現したものであれば、1-2週間程度で症状が消失することが多いのですが、2週間をこえて症状が続く場合には耳鼻咽喉科に受診してください。

鼻の中にかさぶたがあって臭いときの原因と治し方

鼻の中にかさぶたがあって、鼻から異臭がする、どろっとした鼻水が出るような症状が当てはまります。このような場合、萎縮性鼻炎や慢性副鼻腔炎などが考えられます。これらの病気は自然に治ることは少なく、進行すると匂いがわからなくなる恐れもあるため、異臭がないところでも臭いなと感じる場合には、早めに耳鼻咽喉科に受診してください。

鼻の中のかさぶたが治らない、繰り返すときの原因と治し方

鼻の中のかさぶたが剥けたり、またできたりという繰り返すことがあります。このような場合、ドライノーズが疑われます。ドライノーズには萎縮性鼻炎などの一部の疾患や空気の乾燥や温度などの環境要因が関与しているといわれています。ワセリンの塗布などで乾燥を防ぐことで症状を軽減させることができます。自然と治る場合もありますが、症状が長期に続く場合には耳鼻咽喉科に受診してください。

すぐに病院へ行くべき「鼻の中にかさぶたができる」症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

頻回に鼻出血を繰り返す症状の場合は、耳鼻咽喉科へ

急に鼻血が出ても、通常は抑えてしばらくすると止まります。しかし、ちょっとした刺激でも鼻出血がでて、血がなかなか止まりにくい時には上顎洞癌などの悪性腫瘍や血小板減少症、白血病などの可能性があるため、早期に耳鼻咽喉科に受診してください。受診時にはどれくらいの頻度で鼻出血がおきて、止まるのにどれくらいかかるのかを話せるようにメモなどをしておくとよいでしょう。

「鼻の中にかさぶたができる」な症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「鼻の中にかさぶたができる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

萎縮性鼻炎(いしゅくせいびえん)

萎縮性鼻炎とは、鼻の粘膜が薄くなり、鼻腔が異常に広がって鼻の中が乾燥する疾患です。粘液の分泌や異物粒子をのどの奥へと運んで取り除く機能が低下し、鼻腔内の潤いがなくなったり、雑菌が繁殖したりします。それにより異臭を感じたり、鼻出血を起こしたりします。鼻腔内が乾燥しやすく、異臭を感じるようになったら耳鼻咽喉科を受診してください。

臭鼻症(しゅうびしょう)

臭鼻症とは、萎縮性鼻炎などにより鼻腔内のかさぶたや副鼻腔などに雑菌が繁殖して異臭を放つようになる疾患です。抗生剤を含んだ軟膏の塗布や鼻腔・副鼻腔の洗浄を行うことで異臭を軽減することができます。異臭のないところで異臭を感じた場合には耳鼻咽喉科を受診してください。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、ほこりやスギ花粉などの抗原となるものに免疫が過剰に反応することで、鼻粘膜が腫れて鼻水が出る疾患です。花粉症もほぼ同一の疾患であり、花粉症用の抗アレルギー薬で症状の改善が期待できます。市販の抗アレルギー薬を使用しても症状が強く残存する場合には耳鼻咽喉科を受診してください。

「鼻の中にかさぶたができる」のはなぜ?身の回りにある原因と予防方法

ここでは身の回りにある「鼻の中にかさぶたができる」症状の原因と対処法を紹介します。日常生活の中にある要因を少しでも取り除けるよう解説します。

乾燥が原因で鼻の中にかさぶたができる場合

鼻の中が乾燥をした場合には、粘液が乾いて鼻くそとなり、また鼻粘膜が乾燥することで切れやすくなります。そのため鼻出血しやすくなり、かさぶたができます。対処法としてはワセリンなどなどで乾燥を防ぐことが有効です。鼻出血を繰り返す場合や感染を合併して異臭を感じる場合には耳鼻咽喉科を受診してください。

アレルギーなどが原因で鼻の中にかさぶたができる場合

アレルギーでは鼻汁が増えて鼻腔内は湿潤していますが、鼻閉や鼻汁による鼻の違和感から強く頻回に鼻をかむことで鼻出血をきたしてかさぶたができます。花粉症で使用する抗アレルギー薬で一定の症状の改善が期待できますが、市販の抗アレルギー薬を使用しても症状が強く残っている場合には耳鼻咽喉科を受診してください。

「鼻の中にかさぶたができる」ときに使っても良い市販薬は?

使用する市販薬に制限はありませんが、どのような理由でかさぶたができるかにより、使用すべき市販薬が変わるため注意が必要です。鼻の乾燥によるものであればワセリンなどの軟膏が好ましいです。アレルギー体質で定期的に鼻詰まりや鼻水が出る場合にはアレルギー性鼻炎が疑われるため、アレグラやアレジオンなどの抗アレルギー薬、リンデロンなどのステロイドが有効です。急性鼻炎や副鼻腔炎などの場合には去痰薬を含むような鼻炎の薬で症状はやや軽減しますが、洗浄や抗生剤の使用が好ましいため、耳鼻咽喉科への受診を検討してください。

「鼻の中にかさぶたができる」症状で考えられる病気

「鼻の中にかさぶたができる」症状から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

鼻粘膜の萎縮や乾燥が問題となる疾患・悪性腫瘍

  • 萎縮性鼻炎
  • 上顎洞癌

感染が原因となる疾患

自己免疫が原因となる疾患

内科疾患が原因となる場合

まとめ

鼻の中にかさぶたができる症状では緊急性が高い疾患はありません。しかし、一部の疾患では嗅覚に異常をきたす場合、病院での外科治療や内科治療が必要となります。また、鼻だけでなく全身性の疾患が関与している場合もあります。症状が長く続く場合には耳鼻咽喉科で一度検査をうけることが好ましいでしょう。