「腕の筋肉が痛い」は何が原因かご存じですか?対処法や考えられる病気を医師が解説!

腕の筋肉が痛い時、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
「腕の筋肉が痛い」症状で考えられる病気と対処法
腕の筋肉が痛い時、さまざまな病気が考えられます。首や肩に原因がある場合や肘周囲の病気が原因となる場合など、さまざまです。今回の記事では、腕の筋肉が痛い原因について解説いたします。
腕の筋肉が痛くて治らない症状で考えられる原因と治し方
スポーツや仕事で腕の筋肉を使うことで腕の筋肉を損傷し、炎症が起こります。これが筋肉痛の発症の原因であり、筋肉の痛みの原因として多く考えられます。しかし、筋肉痛であれば数日で改善することが多いです。これ以上持続し、治らない場合、他の原因の可能性も疑われます。例えば、肩の前方が痛むときには上腕二頭筋長頭腱炎の可能性もあります。また、腕のしびれやだるさが現れる胸郭出口症候群、手首を内側に曲げると痛みが出る内側外顆炎(ゴルフ肘)や肘の外側に痛みが起こる外側上顆炎(テニス肘)、肘から小指にかけての痛みやしびれが起こる肘部管症候群などの可能性も考えられます。
腕の筋肉が痛くて力が入らない症状で考えられる原因と治し方
腕の筋肉が痛くて力が入らない症状の場合、多発性筋炎や皮膚筋炎[陽伊1] の可能性が考えられます。これらの病気は、自己免疫疾患の一つです。筋肉や皮膚に対する抗体が体内にできることで、筋肉に炎症が起きて筋肉が破壊され、筋肉を動かしたときに痛みが出たり、力が入らないなどの症状がみられます。皮膚筋炎は筋肉の症状とともに皮膚に紅色丘疹、紅斑がみられるものです。この病気は中年以降の女性で多い疾患です。治療は副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤を中心に使用します。気になる症状がみられた場合には、皮膚科や膠原病内科を受診しましょう。何科にかかればよいか、よくわからない場合には、整形外科で相談をしても良いと思います。
腕の筋肉が痛くて力が入らない場合、多発性筋炎や皮膚筋炎以外にも腕の筋肉の損傷など他の病気の可能性も考えられます。診断は、実際診察をしたうえでなければわかりません。整形外科でまず相談をしましょう。
伸ばすと腕の筋肉が痛い症状で考えられる原因と治し方
肘を伸ばすと痛む症状がある場合、いくつかの病気が考えられます。例えば、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)では、手や手首を伸ばす筋肉に繰り返し収縮が加わり損傷され、肘の外側の腱に細かな損傷が生じ、それが繰り返されることで組織の変性が起こります。肘を伸ばした状態で物を持ち上げる、タオルを絞るなどの動作で痛みがおこります。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)では、テニス肘と反対のイメージです。肘関節の内側から前腕にかけての痛みがあり、肘を伸ばした状態で物を持ち上げる、タオルを絞るなどの動作で痛みを生じます。
変形性肘関節症では、使い過ぎが続くと肘の関節の軟骨がすり減り、肘の関節を曲げたり伸ばしたりすると痛みを感じます。これらの疾患の様にさまざまな病気が考えられ、どの関節を伸ばしたときにどの部分が痛むかを診察する必要があります。痛みが持続する場合には、整形外科を受診しましょう。
何もしていないのに腕の筋肉が痛い症状で考えられる原因と治し方
何もしていないのに腕の筋肉が痛い場合、いくつかの病気が考えられます。例えば、先にお話ししたテニス肘やゴルフ肘でも症状が悪化すると安静時にも痛みが出る様になります。また、頸肩腕症候群では筋肉の緊張や血流の悪化により神経や血管が圧迫され、首周囲、肩、腕、手にも痛みが出る病気です。悪化すると安静時にも痛みや脱力を感じます。また、多発性筋炎や皮膚筋炎でも痛みが起こります。このように安静時に痛みが出てくる疾患がいくつかありますが、病状がより悪化しているときに起こりやすいため注意が必要です。安静時でも症状が出る場合には早めに整形外科で相談しましょう。
腕の内側の筋肉が痛い症状で考えられる原因と治し方
いわゆるゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)では肘の内側に痛みが起こります。内側野球肘(内側側副靭帯損傷)では、肘の内側の靭帯の損傷が起こり痛みが発生します。ボールを投げすぎて肘を傷めた場合に起こりやすい病気のため、心当たりがある場合には注意が必要です。
いずれも腕を良く使うことにより起こる病気です。痛みが持続する場合には注意が必要です。
すぐに病院へ行くべき「腕の筋肉が痛い」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
腕の筋肉の痛みが強い場合は、整形外科へ
腕とは、肩より下から手首までの部分です。首や肩、肘の周囲の関節や腱、筋肉などの不具合により痛みが起こっているため、さまざまな病気が考えられます。多くは、日常的に使うことで炎症が起こっていることが多いですが、痛みが強かったり、腫れたりする場合には早急に整形外科を受診しましょう。
受診・予防の目安となる「腕の筋肉が痛い」ときのセルフチェック法
・力が入らない症状がある場合
・腫れている症状がある場合
・痛みが強い症状がある場合
「腕の筋肉が痛い」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「腕の筋肉が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
頸肩腕障害
頸・肩・腕から指にかけて痛みやしびれが起こる病気です。姿勢が悪かったリ、職業上長時間同じ姿勢や作業を続けなければいけない方に多く生じます。レントゲンやMRIでは大きな異常がみられないことが多いです。しかし、検査で異常がないにも関わらず首や肩の痛みや肩こり、腕のしびれなどの自覚症状が強いことが特徴です。十分な休養や運動療法、温熱療法、マッサージなどを行うことで症状が軽減します。症状が強い場合には、整形外科を受診しましょう。
上腕二頭筋長頭腱炎
肩から肘にかけて走る筋肉である上腕二頭筋の長頭腱という部分が上腕骨の結節間溝と横上腕靭帯からなるトンネル内で、使い過ぎにより炎症をおこして痛みが起こります。これを上腕二頭筋長頭腱炎といいます。肩の前側から二の腕の痛みや、肘を伸ばした状態で物を持ち上げた時の痛み、後ろに手を回すと痛む、投球動作やサーブを打つ時に痛い、安静時にも肩の前側が痛むなどの症状がみられます。安静に保つことが初期の治療となりますが、消炎鎮痛薬の内服や外用、理学療法を選択することもあります。痛みが持続する時には整形外科で相談しましょう。
肘部管症候群
肘部管症候群は、肘の内側で尺骨神経が慢性的に圧迫されたり、牽引されることで発症します。ガングリオンなどの腫瘤による圧迫や加齢による肘の変形などが原因である事が多いです。症状は、初期では小指と薬指の一部のしびれです。麻痺が進行すると、手の筋肉がやせ、小指と薬指の変形が起きます。肘の内側を軽くたたくと小指と薬指にしびれが走ることで診断されます。このような症状が現れたら、整形外科を受診して相談しましょう。
肘内障
子どもが手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたまま動かさなくなった時に肘内障が最も考えられます。肘の靭帯から肘の外側の骨が外れかかることによって起こります。5歳以下の子供に多いです。治療としては、徒手整復を行います。子供が痛がって手を動かそうとしない時には肘内障を疑い、整形外科を早めに受診しましょう。
リウマチ性多発筋痛症
リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、頸部、肩、腰部。大腿などの四肢近位部の痛みやこわばりを生じる原因不明の炎症性疾患です。50歳以上の女性に多くみられます。後頚部~肩、上腕にかけてと腰背部~股関節、大腿部に筋肉痛やこわばりを生じ痛みで動かしづらくなります。採血検査で、CRP上昇などの炎症反応を認めますが、リウマトイド因子、抗CCP抗体、抗核抗体といった自己抗体は通常陰性です。このような症状がみられた場合、整形外科や膠原病内科を受診して相談しましょう。
「腕の筋肉が痛い」の正しい対処法は?
腕の筋肉が痛い場合、まず湿布を貼ることで、経皮的に炎症を抑える効果が期待できます。そのほかの対処法は、原因により異なります。患部の痛みがひどかったり、熱くなって腫れたりしている場合には急性の炎症を起こしている可能性があり、冷やした方が良いでしょう。また、慢性的な痛みであれば入浴時などにぬるめのお湯で温めて、マッサージすることも良いと思います。しかし、病気によってはかえって痛みが増すこともあるため、適切な対処法やストレッチ法を整形外科で相談しましょう。
「腕の筋肉が痛い」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「腕の筋肉が痛い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
腕の筋肉痛の治し方はどうすればいいですか?
伊藤 陽子(医師)
筋肉痛の場合には、まず2~3日筋肉を休ませる必要があります。回復してから再度トレーニングを行いましょう。筋肉痛の部分が腫れて熱を持っている場合には冷やした方が良いでしょう。しかし、腫れが無ければぬるめのお湯にゆっくりつかりながらマッサージしたり、ストレッチをして筋肉の血行を改善させると良いでしょう。
腕の筋肉が痛む原因は何ですか?
伊藤 陽子(医師)
腕の筋肉が痛む原因はさまざまです。運動による筋肉痛や、筋肉や腱などの炎症や損傷の場合もあれば、筋炎などの疾患のこともあります。長く続く場合や、痛みが強い場合には早めに整形外科を受診することをお勧めします。
腕の筋肉痛の時に揉んだりすると改善しますか?
伊藤 陽子(医師)
筋肉痛が起こった場合には、腫れたり熱を持ったりしていなければ、マッサージをしたりストレッチをすることで血流が良くなり、早めの疲労回復につながります。
まとめ 腕の筋肉痛が続く場合には整形外科で相談を
腕の筋肉痛がある場合、運動による筋肉痛であることもあれば、関節や筋、腱などさまざまな部分の炎症や損傷により痛みが起こっている可能性が考えらえます。また、肩こりの症状に伴い、神経や血管が圧迫され肩以外の腕の部分で痛みやしびれが起こることもあります。このため、腕の痛みが持続する場合や、痛みが強い時、腫れがある時、力が入らないなどの症状がある時には早めに専門医を受診して相談すると良いでしょう。整形外科が専門となります。
「腕の筋肉が痛い」症状で考えられる病気
「腕の筋肉が痛い」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
整形外科系の病気
- 筋肉痛
- 頸肩腕障害
- 上腕二頭筋長頭腱炎
- リウマチ性多発筋痛症
- テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
- ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
- 野球肘
膠原病系の病気
- 多発性筋炎
- 皮膚筋炎
一言で腕の筋肉の痛みといっても場所やどんな時に痛むかによりさまざまな病気が考えられます。痛みが強い時、持続する時、腫れが強い時には早めに整形外科を受診しましょう。
「腕の筋肉が痛い」に似ている症状・関連する症状
「腕の筋肉が痛い」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 腕がしびれる
- 腕に力が入らない
- 腕の筋肉が腫れている
- 皮膚に赤い湿疹がある
腕の筋肉が痛いことに伴い、上のような症状がみられることがあります。また、腕のどの部分が痛むかによっても考えられる病気が異なります。特に、力が入らない症状や腫れが強い場合には早めに整形外科を受診しましょう。



