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野球肘の症状・原因・治療方法についてご案内

 更新日:2023/03/27

野球肘(読み方:やきゅうひじ)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
勝野 浩 医師(ヒロ整形クリニック 院長)

野球肘とは

 「野球肘」と言っても、いくつかの種類があり治療方法が全く違います。休むのではなくストレッチなどをした方が早くなおるもの。関節鏡などの侵襲の少ない新しい治療法で治せ早期に試合復帰できるもの、など様々です。「野球肘ですね。休みましょう」という選択肢はありません。待っていれば治る、と言うものではないのです。
まずは早急にどのタイプの野球肘かを診断して、適切な治療方法を早く選択し開始することが必要です。

 引用:黒部市民病院

勝野浩 医師 ヒロ整形クリニック 院長監修ドクターのコメント
野球肘にはいくつかの種類があり、基本的に「外側型野球肘」と「内側型野球肘」に分けられます。投球動作や肘をよく使う子供に起きやすい肘の障害です。一般的には野球をしている子供がなりやすいので、野球肘と呼んでいます。

野球肘の症状

成長期にボールを投げすぎることによって生じる肘の障害を野球肘といいます。
投球時や投球後に肘が痛くなります。肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。

 引用:日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/baseball_elbow.html

勝野浩 医師 ヒロ整形クリニック 院長ドクターの解説
野球肘は野球以外でも発生します。肘の痛みから始まり、まっすぐ伸ばせない、しっかり曲がらないといった症状が出てきます。症状が重くなれば、物を持つときにも痛んだりして日常生活に支障をきたすこともあります。

野球肘の原因

繰り返しボールを投げることによって肘への負荷が過剰となることが原因です。


野球肘の検査法

野球をしていて、肘に痛みがあり、動きも悪いなどの症状があれば、野球肘が疑われます。
X線(レントゲン)検査やMRI撮影で診断します。

 引用:日本整形外科学会


勝野浩 医師 ヒロ整形クリニック 院長監修ドクターのコメント

野球肘の原因はオーバーユース、いわゆる使い過ぎです。野球の場合では、球の投げ過ぎが原因となります。球を過度に投げすぎない事が大切です。あと子供の場合、全身投球ではなくどうしても手投げになりやすいので、肘に負担がかかりやすいです。そのため、大人の方がフォームチェックしてあげて、なるべく肘に負担がかからないようにすることも必要です。

検査方法としては、まず診察で関節可動域の測定等を行います。そのあとレントゲン検査を行い、さらに必要であればMRI検査をすることもあります。

野球肘の治療方法

治療は初期、進行期では投球中止を主体とした保存治療を行います。実際には投球やバッティングはもちろん、かばんを持つなどの重量物保持も禁止し、食事と書字動作のみを許可します。これにより、初期の90%、進行期の50%が治ります。

 引用:徳島県医師会

勝野浩 医師 ヒロ整形クリニック 院長監修ドクターのコメント

まず安静が第一です。球を投げないという事が最優先です。野球をやっている子供には、「症状が回復するまではバッティングの練習はしてもいいけど、ピッチングの練習は止めるように」と指導しています。あとは、アイシングと言って氷で冷やしたり、関節可動域に制限があればリハビリにより動かす訓練を行うこともあります。

原因はあくまでも肘の使い過ぎにあり、また子供という事もあるので、症状が強い場合でなければ、投薬はなるべく避けるようにしています。使ったとしても、塗り薬や貼り薬という形になる場合が多いと思います。

一方、症状が進行している場合には、骨が遊離している場合に遊離した軟骨を取る手術等を行うこともあります。

野球肘は変化のある症状なので、しっかりと診ないといけません。ごく初期の症状であれば、安静だけで治ることもありますが、すでに症状が進行している場合は、安静だけではなかなか治りにくいので、速やかに整形外科の受診をされることをお勧めいたします。


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