「指の先が痛い」のはもしかして関節リウマチ？他の考えられる病気も医師が解説！

指の先が痛いで、身体はどんなサインを発している？Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「指の先が痛い」症状で考えられる病気と対処法

指の先が痛くなると心配になりますね。指が痛くなると、毎日の生活に支障をきたすこともあり、一刻も早く適切に診断して、治療することが重要です。今回は、指先が痛くなる原因疾患やその対処法などを紹介します。

ジンジンと指の先が痛い症状で考えられる原因と対処法

ジンジンと指の先が痛い場合には、「強皮症」を疑います。強皮症のなかで、全身性強皮症、限局性強皮症では、現れる障害の分布や程度は一人ひとり異なります。限局性強皮症で皮膚硬化の進行がみられない場合には、治療を行わず経過観察となることもあります。皮膚硬化が広がる場合は、その度合いに応じてステロイドや免疫抑制薬の外用薬（塗り薬）による治療、紫外線療法などの局所療法が検討されます。炎症が強い場合や日常生活での障害が生じる恐れがある場合には、内服（飲み薬）のステロイド・免疫抑制薬による全身療法が検討されることもあります。心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診してください。

ズキズキと指の先が痛い症状で考えられる原因と対処法

ズキズキと指の先が痛い場合には、「手根管症候群」を疑います。手根管症候群は、正中神経が圧迫されることで手のひらの感覚や運動が障害されます。手のひらの付け根には、手首の骨と靱帯に囲まれた手根管というトンネルがあります。この中を複数の腱や正中神経などが通っていて、この正中神経は親指から薬指の親指側にかけての感覚や、親指の動きなどをつかさどる神経です。正中神経が圧迫される原因には、手首の曲げ伸ばしを繰り返し、手首に負担のかかるような動作をすることで、手根管の中を通る腱を覆う膜などが炎症を起こし腫れることがあります。手根管症候群の治療は、保存的な治療と手術に分けることができます。心配であれば、整形外科など専門医を受診しましょう。

指の先が腫れて痛い症状で考えられる原因と対処法

指の先が腫れて痛い場合には、「関節リウマチ」を疑います。関節リウマチは大きく関節に起こる症状と、全身に起こる症状に分けられます。早期に現れやすい症状には、朝の関節のこわばり、関節の痛みや腫れなどの症状のほかに、倦怠感や微熱、食欲不振などが あります。関節リウマチは、初期のうちは両方の足や指の関節が対称的に腫れるのが特徴です。特に、朝に手の関節のこわばりを自覚しやすく、朝起きてから30分以内に症状が現れ、30分以上症状が続きます。そのほかにも人によっては、股関節や膝関節など大きな関節にも病変が進みます。症状が進行すると、膝関節や股関節に水が溜まって動きにくくなるため、日常生活に支障をきたすことがあるでしょう。全身の関節に進行していくタイプの患者さんの場合には、指や手首の関節が破壊されて、指が短くなる場合や、関節が脱臼して足の指が変形することがあります。心配であれば、膠原病内科など専門医療機関で相談しましょう。

足の指の先が痛い症状で考えられる原因と対処法

足の指の先が痛い場合には、「指趾炎」を疑います。指趾炎では、足の第3・4趾を中心に、手足の指がソーセージ様に腫れます。病気の活動性を抑えて進行を防ぎ、日常生活の質を上げることを目標に治療を進めます。末梢関節炎が主体の場合、抗リウマチ薬で治療開始し、脊椎関節炎が主体の場合はNSAIDsを使用します。病気の活動性が強い場合や、骨変化を既に認めるような場合は、生物学的製剤の使用を検討します。心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

手の指の先が痛い症状で考えられる原因と対処法

手の指の先が痛い場合には、「ドケルバン病」を疑います。ドケルバン病の主な原因は、手首の親指側の腱鞘における炎症であり、具体的には、パソコン作業やスマホの長時間の使用です。 反復的に手首や親指を使用する活動や動作が繰り返されることによって、腱に負担がかかります。その他にも、手首に過剰な負担がかかることもドケルバン病の原因であり、重い物を持ち上げる作業や強く握る動作が含まれます。これらの要因により、手首の親指側の腱鞘が炎症を起こし、腱鞘内の腱が圧迫される状態が生じます。この圧迫によって痛みや腫れが生じ、ドケルバン病の症状が現れるのです。 更にドケルバン病は、妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く見られます。 心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

すぐに病院へ行くべき「指の先が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

発熱症状を有する場合は、膠原病内科へ

指が痛くなる症状以外に発熱症状を有する場合は、悪性関節リウマチを疑います。 既存の関節リウマチに、 血管炎をはじめとする関節以外の症状を認め、難治性もしくは重症な病態を伴う場合に、「悪性関節リウマチ」と診断されます。 悪性関節リウマチに対する薬物治療には副腎皮質ステロイド、メトトレキサートをはじめとする従来型抗リウマチ薬、生物学的抗リウマチ薬、シクロホスファミドやアザチオプリンなどの免疫抑制薬などがあります。心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「指の先が痛い」ときのセルフチェック法

・指の先が痛い以外に指のしびれ症状がある場合 ・指の先が痛い以外に指の変形症状がある場合 ・指の先が痛い以外に発熱症状がある場合

「指の先が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「指の先が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

関節リウマチ

関節リウマチとは、免疫の異常で炎症が起こる自己免疫疾患です。関節に炎症が起こるため、指の関節の痛みや腫れなどの症状が起こります。ときに関節に激しい痛みを伴うのが特徴で、関節を動かさなくても痛みが起こります。1990年頃までは関節リウマチに対して有効な薬物治療が存在せず、RAは進行する関節破壊に伴う骨格系の機能障害が日常生活における動作能力を極めて低下させる病気と捉えられていました。軟骨や骨が破壊されるため、進行すると関節が変形したり機能障害を引き起こしたりするため、適切な治療が必要です。指の痛みのために日常生活に支障をきたすこともあります。 「手がこわばって動かない」「指の関節が腫れて痛い」などの自覚症状があるものの、周りからの理解を得られにくいこともある病気です。心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

手根管症候群

手根管症候群とは、指先の感覚や手の運動において重要な役割をする正中神経が障害される結果、しびれや痛みなどの症状をきたす病気です。 手関節には、手根管と呼ばれるトンネル状の形態を示す部分があり、このトンネル内には正中神経や筋肉の腱などが通っていて、なにかしらの原因で正中神経が圧迫されると、それによって症状が誘発されます。手根管症候群では、手首の安静が治療方法の一環であるため生活スタイルの変更が重要になりますが、ときには手術による治療も選択される病気です。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

強皮症

強皮症とは、皮膚に硬化・線維化する（硬くなる）病変が生じる病気の総称であり、強皮症には大きく分けて、皮膚に加えて内臓諸臓器が硬化・線維化する全身性強皮症（全身性硬化症）と、皮膚のみに症状が現れる限局性強皮症の2つがあります。 両者はまったく異なる病気であるため、区別して捉えることが重要です。 全身性強皮症で、皮膚硬化や間質性肺疾患など内臓の障害の進行が予測される場合は免疫抑制薬などによる治療を行います。 心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

指趾炎

指趾炎とは、乾癬性関節炎患者さんの約2～3割の方が発症する症状であり、手足の指全体が腫れ、ソーセージのような見た目になります。 乾癬性関節炎とは、乾癬という皮膚疾患に合併する、関節や腱付着部、指に炎症をきたす病気であり、発症原因は不明ですが、30～50歳代に多く、男女比はほぼ同じです。 炎症所見が長く続くと、関節の破壊が起こり、日常生活に支障をきたすこともあります。 心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

ドケルバン病

ドケルバン病は手首の親指側の腱鞘炎であり、反復的な運動や手首の負担が主な原因です。症状には、手首の親指側での痛み・腫れ・握力の低下・親指の動きの制限があります。ドケルバン病は手首の親指側の腱鞘炎（けんしょうえん）の一種です。 手首の親指の動きや握力に制限が現れる疾患であり、腱鞘内の腱が圧迫されることで症状が生じ、手首の親指側での痛み・腫れ・炎症が特徴で、握力の低下や親指の動きの制限も現れることがあります。心配であれば、整形外科など専門医療機関で相談しましょう。

「指の先が痛い」の正しい対処法は？

関節リウマチに伴って、指の先が痛い場合の治療法は、薬物療法、リハビリテーション、手術療法の3つの治療法があります。 以前のリウマチ治療は、薬で痛みや炎症を抑えるか、悪化した関節を手術で取り除くしか手立てがありませんでしたが、新しい治療薬が登場したことで、病気の進行を食い止めて患者さんの生活の質（QOL）を高める治療ができるようになりつつあります。 手根管症候群に伴って、指の先が痛い場合の治療法は、手首に対する運動負荷が原因であることが多いため、治療方法は装具による手首の固定が基本となります。 自転車のハンドルを握るような手首を返す（手の甲の側に反る）姿勢を長時間続けると神経が圧迫されるため、手根管症候群を悪化させるような動作を避けることも大切です。 症状が軽度のうちは、このような姿勢を避けるだけでも炎症が治まる可能性がありますが、1〜2か月のうちに改善がみられない場合は次のステップに進む必要があります。 指の先が痛くて、症状が長引く際には、医療機関を受診して相談しましょう。

まとめ　指の先が痛い場合は整形外科や膠原病内科で相談

指の先がチクチク痛い場合には、手根管症候群やドケルバン病など、骨や腱、関節の異常が考えられるため、整形外科を受診しましょう。また、指先や足にズキズキとした痛みを感じる場合は、指趾炎や関節リウマチなど関節周囲に炎症を起こしている可能性がありますので、膠原病内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。 今回の情報が参考になれば幸いです。

「指の先が痛い」症状で考えられる病気

「指の先が痛い」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「指の先が痛い」に似ている症状・関連する症状

「指の先が痛い」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 このような症状が複数ある場合には、早めに医療機関への受診をお勧めします。