「指がむくんで曲げにくい」の原因・何科を受診するべきかご存知ですか？

指がむくんで曲げにくいとき、身体はどんなサインを発している？Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師：
今村 英利（いずみホームケアクリニック）

「指がむくんで曲げにくい」症状で考えられる病気と対処法

指がむくんで曲げにくくなった、という経験はありませんか？力の入りづらさや痛みなどがあると不安になりますよね。一時的なむくみという可能性もありますが、病院を受診して治療を進めた方が良いこともあります。今回はどのような場合に病院受診すべきか解説していきます。

指がむくんで曲げにくいの症状で考えられる原因と対処法

特別なきっかけがないにも関わらず指がむくんで曲げにくくなった場合には、飲酒過多、高塩分食、運動不足などが原因と考えられます。すぐにできる処置は、ストレッチや温めることです。
適度に運動し適度に温めると多くの場合は改善します。それでも症状が変わらない場合には整形外科を受診し、指の関節の状況を確認してもらいましょう。

朝に指がむくんで曲げにくいの症状で考えられる原因と対処法

朝起きた時に指がむくんで曲げにくい症状がある場合、関節リウマチを疑います。
関節リウマチは免疫の異常により関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れが生じる病気です。主な症状は、関節の痛み・腫れですが、朝のこわばり・指のむくみもみられます。
症状が強い場合は関節の保護・安静が必要ですが、落ち着いていたら適度に動かすことが大切です。日中に整形外科もしくは膠原病内科を受診しましょう。

夕方や夜に指がむくんで曲げにくいの症状で考えられる原因と対処法

夕方や夜の時間帯に指がむくんで曲げにくい症状がある場合、長時間のデスクワークや水分過剰摂取が原因として考えられます。痛みや腫れ、熱感などなければ病気を示唆する所見ではありません。すぐにできる処置は指のマッサージや指を温めることです。痛みを伴っている場合には整形外科を受診しましょう。

妊娠中や産後に指がむくんで曲げにくいの症状で考えられる原因と対処法

妊娠中や産後の時期に指がむくんで曲げにくい症状がある場合、妊娠浮腫を疑います。妊娠中は血液量が増えることで、産後は血液量が急激に減ることで体内の水分バランスが崩れます。妊娠浮腫は妊娠高血圧症候群の前駆症状と言われています。
すぐにできる処置は長時間作業の短縮、適度な休息です。
妊娠浮腫自体が妊婦や胎児に影響を及ぼすことはありません。しかし、妊娠高血圧症候群の早期発見の指標にはなります。日中に産婦人科を受診するようにしましょう。

すぐに病院へ行くべき「指がむくんで曲げにくい」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

打撲したのちに痛みを伴う指のむくみ症状の場合は、整形外科へ

怪我により指がむくんで曲げにくい症状を指します。このような場合、指骨骨折を疑います。
指骨骨折は指の骨に生じる骨折です。転倒などにより強い外力が加わることで生じます。受傷すると疼痛・腫脹・熱感を伴います。
早期に手術が必要なこともあります。本疾患を疑ったらなるべく早く整形外科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「指がむくんで曲げにくい」ときのセルフチェック法

• ・指がむくんで曲げにくい以外に痛い症状がある場合
• ・指がむくんで曲げにくい以外に呼吸困難症状がある場合
• ・指がむくんで曲げにくい以外にだるい症状がある場合

「指がむくんで曲げにくい」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「指がむくんで曲げにくい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

関節リウマチ

関節リウマチは、関節内に存在する滑膜（かつまく）という組織が異常に増殖することで関節内に炎症を生じる病気です。この炎症が進行することで関節が破壊され機能障害を引き起こします。最初は左右の手が対照的に腫れ、朝にこわばるようになります。
早期治療が大切です。主に薬物療法で、抗リウマチ剤と消炎鎮痛薬が基本的な治療です。有効な予防法はありませんが、症状を進行させないために適切な休養と栄養が重要であるという報告はあります。
主な診療科は、整形外科あるいは膠原病内科です。緊急性はないので、日中の受診をしましょう。

ばね指

指の屈筋腱や腱鞘が炎症を起こすと腱鞘炎になります。この腱鞘炎が進行すると指の動きに引っかかりが生じ、ばね現象が生じて、ばね指と呼ばれます。
ばね指では指の痛み、腫れ、むくみを生じます。症状は朝方に強く、日中は症状が軽減することも多いです。手の使いすぎや妊娠出産期の女性にも頻発します。
治療は保存的治療と手術治療に分かれます。保存治療は局所の安静、投薬などがあります。
保存的治療で改善がない場合、腱鞘を切開する手術治療を行います。
主な診療科は整形外科です。緊急性はないので、日中の受診をしましょう。

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスは全身のさまざまな臓器に炎症や障害をおこす自己免疫疾患です。特に関節、皮膚、腎臓、神経を中心に症状が出現します。発熱、全身倦怠感、関節痛、皮疹、四肢の浮腫などの症状がみられます。
治療は消炎鎮痛剤や少量ステロイド、ヒドロキシクロロキンが用いられます。重症例では大量ステロイド療法や免疫抑制剤を用いることもあります。
強い紫外線にあたると病状の悪化の原因となりますので、紫外線対策をして生活してください。
主な診療科は膠原病内科です。緊急性はないので、日中の受診を行いましょう。

「指がむくんで曲げにくい」の正しい対処法は？

指がむくんで曲げにくい場合、まずは局所の安静を図りましょう。怪我をした後の症状でなければ、温めたりストレッチしたりしてゆっくり曲げるようにしてみましょう。
怪我をした後であれば骨折の可能性があります。その場合、冷却や安静が大切です。無理に曲げようとしないでください。
市販薬の使用は問題ありませんが、生活習慣が原因である可能性が高いです。生活習慣の是正が最優先であり、それでも改善がない場合は使用してみてください。
市販薬の例は、五苓散や当帰芍薬散が挙げられます。

まとめ 指がむくんで曲げにくいときはまず生活習慣を振りかえろう

指がむくんで曲げにくいことは経験しやすい症状だと思います。怪我をした際にはそれが原因になりやすいのですが、怪我していない場合には早めの治療が必要な病気が隠れていることも考えられます。症状が改善しない場合にはお気軽にお近くの病院を受診してください。

「指がむくんで曲げにくい」症状で考えられる病気

「指がむくんで曲げにくい」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

水分の貯留＝むくみが生じる内科的な病気が原因である場合や、骨や腱など整形外科的な問題がある場合などが考えられます。

「指がむくんで曲げにくい」に似ている症状・関連する症状

「指がむくんで曲げにくい」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「指がむくんで曲げにくい」症状の他にこれらの症状がある場合でも「関節リウマチ」「全身性エリテマトーデス」「ばね指」「指骨骨折」「月経前症候群」「更年期障害」「心不全」「肝不全」「腎不全」「リンパ管浮腫」などの疾患の可能性が考えられます。指の痛みや呼吸困難感、倦怠感がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。