「腕の付け根の内側が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
腕の付け根の内側が痛いのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
柏木 悠吾(医師)
「腕の付け根の内側が痛い」症状で考えられる病気と対処法
「腕の付け根の内側が痛い」という症状は経験したことのある方も多いのではないでしょうか。原因はさまざまありますが、筋肉や骨が関係していることが多いです。今回は、どのような場合に病院受診すべきか解説していきます。
腕の付け根の内側が痛い症状で考えられる原因と対処法
腕の付け根の内側が痛く関節の動きが悪くなる場合、肩関節周囲炎が疑われます。
肩関節周囲炎は、中年以降、特に50歳代に多くみられ、病態は多彩です。
関節を構成する骨や筋肉が老朽化することで炎症が起きることが原因と言われています。
すぐにできる処置は安静にすることです。
主な診療科は整形外科です。緊急性は低いですので、日中の受診をしましょう。
腕の付け根の内側・脇が痛い症状で考えられる原因と対処法
吊り革に捕まるときの姿勢で腕の付け根の内側・脇が痛い場合、胸郭出口症候群が疑われます。
胸郭出口症候群は、吊り革につかまる時や腕を上げる動作で腕のしびれや痛みを自覚する病気です。腕や肩甲帯の運動や近くを司る腕神経叢が圧迫されることで起こります。
すぐにできる処置は痛みを感じる動作を避けることです。
主な診療科は整形外科です。緊急性はないので、日中の受診を行いましょう。
左腕・右腕など片腕の付け根の内側が痛い症状で考えられる原因と対処法
片腕の付け根の内側が痛い場合、腱板断裂が疑われます。
腱板断裂は、40歳以上の男性に好発する病気です。腱板と呼ばれる筋肉の腱が老化することで起こります。
すぐにできる処置は、安静にすることです。
主な診療科は整形外科です。外傷で骨折等なければ緊急性はないので、日中の受診をしましょう。
すぐに病院へ行くべき「腕の付け根の内側が痛い」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
外傷を伴う腕の付け根の内側の痛い場合は、整形外科へ
転倒したりぶつけることで、腕の付け根の内側が痛い場合には、上腕骨骨折が疑われます。
上腕骨、特に上腕骨近位端骨折は上腕骨が折れることで腕の付け根の内側が痛くなる疾患です。
激痛に伴い、腕を挙げられなくなります。
主な診療科は整形外科です。稀に血管や神経を骨折部が損傷することがあるため、すぐに病院を受診しましょう。
受診・予防の目安となる「腕の付け根の内側が痛い」ときのセルフチェック法
- ・腕の付け根の内側が痛い以外に腕を挙げる動作が難しい症状がある場合
- ・腕の付け根の内側が痛い以外にしびれの症状がある場合
- ・腕の付け根の内側が痛い以外に腫れている症状がある場合
「腕の付け根の内側が痛い」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「腕の付け根の内側が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
肩関節周囲炎は、別名五十肩とも呼ばれている病気です。50歳ごろから生じることが多い疾患のため、このように呼ばれます。骨折や腱板断裂などの原因が明らかな肩関節疾患を除いた肩痛の総称です。
症状は、50歳ごろから肩の痛みや可動域制限が生じることが特徴的です。
治療は肩関節の拘縮を予防しつつ痛みを避けることです。
日常生活に支障をきたしたら病院を受診しましょう。
主な診療科は整形外科です。緊急性はないので、日中の受診を行いましょう。
肩腱板損傷
肩腱板損傷は、肩を支える筋肉が骨から外れてしまう病気です。加齢や使いすぎ、怪我が原因で起こります。
症状は、腕の付け根の内側が痛く腕があげられないことが特徴的です。
診察所見をもとに、レントゲンやMRIで診断します。
対処法は肩関節を安静にすることです。治療はリハビリなどの保存的治療と、手術治療に分けられます。
肩関節が挙上できず夜間に痛みを感じる場合は病院を受診しましょう。夜間痛は特徴的な症状で、睡眠不足で来院される方もいらっしゃいます。
主な診療科は整形外科です。怪我がきっかけで骨折がなければ緊急性はありませんので、日中に受診しましょう。
「腕の付け根の内側が痛い」ときの正しい対処法は?
腕の付け根の内側が痛い時は、まず安静にすることが肝要です。安静にすることで疼痛が改善することがあります。安静にする際は、三角巾などで固定することも効果的です。
症状を緩和させる市販薬は、ロキソニンSやイブ、バファリンなどが挙げられます。
湿布や冷却スプレーも使用可能です。ただし、慢性の変化の場合冷やすより温めたほうが効果があることもあります。
早く治したい場合は整形外科を受診しましょう。応急処置をしても改善がない場合は、骨折などの緊急疾患であることもあります。
「腕の付け根の内側が痛い」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「腕の付け根の内側が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
腕の付け根の内側が痛いときは何科に受診すればいいですか?
柏木 悠吾 医師
主に整形外科です。
腕の付け根の内側が痛いのは筋力不足が原因ですか?
柏木 悠吾 医師
筋力不足が招いた結果である可能性もあります。診察や検査をしてみないと一概には言えません。
脇・腕の付け根の内側が痛むのはリンパが腫れているのでしょうか?
柏木 悠吾 医師
リンパ節が腫脹している可能性もあります。
腕の付け根が内側も外側も痛いときはストレッチが効果的ですか?
柏木 悠吾 医師
慢性的な変化である場合、ストレッチや可動域拡大体操が推奨されています。
まとめ
「腕の付け根の内側が痛い」症状は比較的経験しやすい症状です。筋肉や骨が原因である可能性があります。気になる場合には遠慮せず受診してご相談ください。
「腕の付け根の内側が痛い」症状で考えられる病気
「腕の付け根の内側が痛い」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
まずは整形外科で相談するのが良いと思います。
「腕の付け根の内側が痛い」に似ている症状・関連する症状
「腕の付け根の内側が痛い」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「腕の付け根の内側が痛い」症状の他にこれらの症状がある場合でも「上腕骨骨折」「肩腱板断裂」「肩関節周囲炎」「凍結肩」「石灰沈着性腱炎」「上腕二頭筋損傷」「頚椎椎間板ヘルニア」「胸郭出口症候群」などの疾患の可能性が考えられます。腕を挙げる動作が難しい場合や、しびれの症状がある場合、腫れている場合には、早めに医療機関を受診しましょう。