「関節が痛くてだるい」原因とは?熱はない・微熱がある場合も解説!


監修医師:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)
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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。
目次 -INDEX-
「関節が痛くてだるい」症状で考えられる病気と対処法
関節が痛いと何かをするのも億劫になりますね。関節が痛い時の原因はさまざまありますが、どんな場合に病院を受診したほうがよいのかについて解説していきます。関節が痛くてだるい症状で考えられる原因と治し方
関節が痛くてだるさがあるときには、関節の腫れがある場合と、ない場合で原因が大きくわかれます。関節の腫れがある場合・関節リウマチ・膠原病
関節の腫れがある(怪我もしていないのに突き指みたいに腫れている)場合は、関節リウマチや膠原病による関節炎などが疑われます。特に、2週間以上症状が続く場合は、関節リウマチを含めた診断をしたほうがよいでしょう。すぐできる処置は、できるだけ関節への負担を減らすことや市販薬の痛み止めを使うことです。関節リウマチであった場合は、腫れている関節から関節破壊が起こる可能性が高く、早期発見早期治療が必要です。2週間以上の関節の腫れがある場合は、整形外科やリウマチ科を受診しましょう。関節の腫れがない場合・変形性関節症、腱鞘炎など
関節の腫れがない場合は、骨と骨が機械的にぶつかり、関節の軟骨がすりへってくる、骨の変形がおこる変形性関節症、関節の靭帯損傷、腱鞘炎、膝であれば半月板損傷が疑われます。 こちらも、すぐできる処置は、できるだけ関節への負担を減らすことや市販薬の痛み止めを使うことです。緊急性はありませんが、早めに整形外科を受診しましょう。熱・微熱があり、関節が痛くてだるい、寒気がする症状で考えられる原因と治し方
関節が痛い症状に加えて、発熱がありだるさや寒気も感じる症状のことを指します。考えられる病気の例
- ・関節リウマチを含めた膠原病
- ・リウマチ性多発筋痛症
- ・感染症による関節症状(化膿性関節炎、ウイルス感染:りんご病やインフルエンザなど)
- ・痛風・偽痛風などが疑われます。
生理前・生理中になると関節が痛くてだるい症状で考えられる原因と治し方
生理前・生理中になるといくつかの関節が痛くなることもあります。このような場合、月経前症候群の関与を疑います。症状がある時は、市販の痛み止めの使用もよいと思います。月経症状やその他の月経前症候群の症状が強い場合には、婦人科で症状について相談したほうがよいと考えます。すぐに病院へ行くべき「関節が痛くてだるい」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。関節が腫れ・痛みが2週間以上続く場合は、整形外科やリウマチ科へ
2週間以上にわたって関節の腫れがみられて痛い場合には、関節リウマチを含めた膠原病の可能性があります。リウマチ科を標榜している整形外科やリウマチ内科の受診をすすめます。 また、関節が腫れていて、発熱がある場合は、感染症による関節炎(化膿性関節炎)の可能性があるので、整形外科を受診してください。「関節が痛くてだるい」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「関節が痛くてだるい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。感染症
感染症には、ウイルス感染(りんご病、インフルエンザ)、細菌感染などがあります。 ウイルス性のものでは基本的にはウイルス感染の症状が治ればよくなってきますので、関節の痛みは痛み止めを使ってもよいと思います。しかし、関節が腫れている場合は、ウイルス感染なのか、膠原病などからきているのかは判断できないので、関節の腫れが2週間以上続いている場合は、整形外科やリウマチ内科での受診をすすめます。 細菌感染は一つの関節の腫れ(単関節炎)であることが多く、数日で関節が腫れてきて発熱がある際にまずは細菌感染でないかを診断する必要があります。その場合は、整形外科を受診して関節液を採取して培養検査で感染がないかを診断します。膠原病(こうげんびょう)
関節リウマチでは、2週間以上続くような持続的な関節の腫れがある場合に疑われます。また膠原病でもこの持続的な関節の腫れがおこることがあります。 関節の痛みに対しては、市販の痛み止めで対応することは可能です。 2週間以上間接が腫れている場合は、整形外科かリウマチ内科を受診しましょう。慢性疲労症候群
慢性疲労症候群は、ある日突然、健康であったひとが原因不明の倦怠感や関節痛が出現する病気です。疼痛部位に炎症などは認めないことが特徴です。基本的にはさまざまな検査を行っても原因がわからない場合に診断されることが多いです。痛みがひどい場合、日常生活が制限されるので、疼痛管理目的に整形外科をまず受診するのがよいでしょう。線維筋痛症(せんいきんつうしょう)
線維筋痛症とは、全身の激しい疼痛を呈する疾患です。さまざまな検査でも痛みの原因がわからず、診断基準を満たす場合に線維筋痛症と診断されます。基本的には、解熱鎮痛薬や神経痛の薬剤を用いて疼痛管理を行います。線維筋痛症も強い疼痛のため日常生活が制限されることがあります。疼痛が強い場合には、内科や整形外科を受診したほうがよいでしょう。関節痛
関節の腫れを伴わない関節の痛みの総称です。基本的には、関節や靭帯などの損傷に伴うものが多いです。徐々に痛みが悪くなる、改善しない場合は、基本的には整形外科を受診したほうが良いでしょう。「関節が痛くてだるい」ときの正しい対処法は?
関節が痛くてだるい場合は、原因によらず、受診がすみやかにできない場合は、市販薬の解熱鎮痛剤を使用してもよいでしょう。具体的な市販薬は、タイレノール®やロキソニンS®が代表的です。関節の痛みのみで関節の腫れがなく痛みもある程度のものならば、市販薬で経過をみてもよいと思います。 しかし、動かせないほど痛い場合や、2週間ほど関節の腫れが長引く、発熱などを伴う場合は、市販薬で経過を見るよりも医療機関を受診して診断をうけるのが望ましいことです。「関節が痛くてだるい」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「関節が痛くてだるい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
節々(関節)が痛くて体がだるいけれど熱はないとき、病院に行くべきでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
関節の腫れが長引いているときは、関節リウマチや膠原病の可能性があり病院に行くべきです。関節の痛みだけで他に症状がなくてもあまりにも疼痛が強い場合は、受診をしたほうがよいでしょう。
ストレスが原因で関節が痛くてだるくなることはありますか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
ストレスで直接間接が痛くなることは少ないと思いますが、うつ病と関節痛は関連があり、抑うつ傾向にある場合は痛みの感受性が高くなり痛みを感じやすくなるといわれています。
関節痛と疲れ・倦怠感が続く場合、何科を受診したら良いでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
まずは、内科や整形外科を受診して、関節炎があるのか、背景に持続的な炎症が存在するのかは診断を受けたほうがよいでしょう。
関節が痛くてだるいとき、風邪とインフルエンザの見分け方を教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
基本的に、風邪症状とインフルエンザ症状は重なる部分が多いので、これだからインフルエンザと断定することは難しいでしょう。あまり熱がでないインフルエンザもありえます。気になる症状がある場合は、迷わず病院を受診してください。