FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. 骨・筋肉・関節・腱
  4. 「膝の裏が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「膝の裏が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「膝の裏が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

膝の裏が痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

柏木 悠吾 医師

監修医師
柏木 悠吾 医師

プロフィールをもっと見る
宮崎大学医学部卒業。宮崎県立宮崎病院、宮崎大学附属病院で研修。地元地域に貢献すべく、2022年より橘病院(宮崎県)に勤務。日本医師会認定スポーツドクター。日本整形外科学会、日本骨折治療学会、日本人工関節学会会員。他に日本医師会認定産業医などの資格を有する。

目次 -INDEX-

「膝の裏が痛い」症状で考えられる病気と対処法

膝を曲げ伸ばしした時や運動時に膝の裏が痛むことはありますか?膝裏の痛みは主に整形外科領域の病気が考えられます。詳しく解説していきましょう。

膝の裏が痛い症状で考えられる原因と治し方

膝を強くぶつけたり事故にあったりした後で膝や膝裏が痛い場合には、膝靭帯損傷が疑われます。靭帯損傷を起こした後はサポーターによる保存的治療か手術が必要になります。膝に強い外傷を受けて痛みがある場合にはできるだけ早く整形外科を受診しましょう。

膝の裏がピキッと痛い症状で考えられる原因と治し方

毎回起き上がるときや膝に力が入ったときにピキっと痛みがでる場合には、変形性膝関節症が疑われます。年齢とともに膝軟骨の劣化や肥満による膝への負荷により、軟骨がすり減って炎症が起こることが原因です。予防として、太ももの前の筋肉を鍛えて膝への負担を減らすこと、減量することなどが有効です。正座を避ける、膝を温めるというのも良いでしょう。痛みが強い場合には痛み止めや手術などが適応になることがありますので、整形外科を受診しましょう。

しゃがんだり膝の裏を曲げると痛い症状で考えられる原因と治し方

膝の曲げ伸ばしで痛みがでるときには、変形性膝関節症や関節リウマチの可能性があります。関節リウマチは自己免疫性疾患の一種で、関節の変形を起こし痛みを起こします。変形がひどくなると、膝の曲げ伸ばしも難しくなります。特徴としては膝以外にも手足の指や手首にも関節炎の症状がでて、関節の痛み、腫れ、朝のこわばりが特徴的な症状です。辛い症状や膝関節以外にも症状がある場合には整形外科に相談しましょう。

膝の裏を伸ばすと痛い症状で考えられる原因と治し方

伸ばすと痛い場合、ベーカー嚢腫や外傷後であれば膝捻挫、膝靭帯損傷が疑われます。ベーカー嚢腫は膝に液体が溜まり、痛みや曲げにくさなどの症状を起こします。痛みが強い場合には治療の対象になりますので、整形外科にご相談ください。

膝の裏が痛く正座できない症状で考えられる原因と治し方

痛みで正座ができない場合には変形性膝関節症や関節リウマチが疑われます。軟骨のすり減りや炎症が原因と考えられます。無理に正座で膝に負担をかけず、サポーターなどを使いましょう。痛みが強い場合には整形外科で治療をしましょう。

膝の裏が痛くむくんでいる症状で考えられる原因と治し方

膝裏〜足にかけて痛みとむくみ、特に左右差がある場合は下肢静脈血栓症の疑いがあります。車内や飛行機内に長時間同じ姿勢でいると、足の静脈に血の塊(血栓)ができて症状がでることがあります。血栓ができた状態で急に動き出すと、肺の血管に血栓が詰まる肺塞栓症という命の危険性がある病気につながる可能性があり、緊急性の高い病気です。痛みとむくみ、皮膚の色の変化(赤い、色が悪いなど)がある場合にはすぐに救急病院を受診しましょう。

歩きすぎで膝の裏が痛い症状で考えられる原因と治し方

歩行時に膝裏やふくらはぎに痛みがでて歩けないことを間欠性跛行(はこう)といいます。神経の病気によるものと、血管の病気によるものがあります。どちらも症状が強い場合には治療が必要になりますので、病院を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「膝の裏が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

むくみや皮膚の色の変化がある場合は、救急科へ

膝の痛みでも最も怖い病気が、下肢静脈血栓症です。痛みだけではなく、皮膚の色が悪かったりむくんでいたり、左右差があったりします。その場合にはすぐに救急病院を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「膝の裏が痛い」のセルフチェック法

  • ・膝の裏が痛い以外にむくみがある場合
  • ・膝の裏が痛い以外に皮膚の色の変化がある場合
  • ・膝の裏が痛い以外に左右差がある場合

「膝の裏が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「膝の裏が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

靭帯損傷

膝には前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯があり、膝にどの方向から大きな力が加わったかによって損傷する靭帯が違います。特に膝後ろは後十字靭帯損傷による痛みの可能性が高くなります。
外傷後に膝の痛みが強い場合には整形外科で相談しましょう。

関節リウマチ

関節リウマチは自己免疫性疾患の一種で、関節の炎症を起こす病気です。膝以外にも指先や手首の痛みが特徴的で、特に朝方の動き出しにこわばって動かしにくい・痛みが強いという症状が見られます。治療せずに放置すると、関節の変形などを起こし歩けなくなってしまうこともあります。疑わしい症状がある場合には、整形外科やリウマチ内科に相談しましょう。

ベーカー嚢腫

ベーカー嚢腫は膝関節をおおっている滑膜が、通常であれば存在しない膝の後ろ側に膨らんでできる袋状の構造物で、中に液体(滑液)がたまります。痛みや違和感が軽度であれば経過観察を行いますが、辛い症状がある場合には滑液を注射針で穿刺して抜く治療を行うこともあります。大人では再発することが多いため、穿刺後も経過を見る必要があります。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群

深部静脈血栓症は足や腕などの血管に血の塊(血栓)ができる病気です。飛行機のエコノミークラスに長時間乗っているとできることが多かったことから、エコノミークラス症候群とも呼ばれます。血栓ができることで静脈がうっ滞し、痛みや皮膚色の変化を起こします。通常は左右どちらかに起こるため、足の色や太さに変化が見られます。静脈血栓症が疑われる場合にはすぐに治療が必要になりますので、救急病院を受診しましょう。

「膝の裏が痛い」ときの正しい対処法は?

膝の痛みが一過性のものであれば、安静にしましょう。膝に負荷がかかる正座や冷えは避けるようにしましょう。膝が冷えないように温めましょう。肥満は変形性膝関節症のリスクになりますので、適正体重を心がけましょう。痛みがなければストレッチなどは有効です。特に膝に負担がかからないように太ももの筋力をつけると良いでしょう。
軽い痛みであれば市販の痛み止めで対処しても問題ありません。
痛みが強い、常に痛みを感じる、歩きにくいなどの症状がある場合には整形外科に相談しましょう。
膝を強く打った後に痛みが出た場合には靭帯損傷が疑われるため、早めに整形外科を受診しましょう。テーピングや装具で保存的に治すこともありますが、素人でのテーピングは逆効果です。整形外科でご相談ください。
膝後ろの腫れやむくみ、左右差がある場合にはすぐに病院を受診しましょう。

「膝の裏が痛い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「膝の裏が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

膝を曲げると膝裏が痛いときは何科の病院に行くべきですか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

膝の曲げ伸ばしなどの運動時に膝うらが痛むときは整形外科受診が良いでしょう。

膝裏が痛いのですが動かしたりストレッチをしても大丈夫ですか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

痛いときに無理に動かすのはお勧めしません。痛みが落ち着いてから少しずつ動かし始めましょう。

膝の裏が痛いときサポーターやテーピングを使うべきですか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

軽い症状であれば市販のサポーターなどでも良いかもしれません。テーピングは正しく膝を保護するのに少しコツが必要です。

妊娠初期で膝の裏が痛いのですが原因は何でしょうか。

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

妊娠中は女性ホルモンなどの影響で関節痛や腰痛などが起こりやすい状態です。痛みが軽いものであれば、体をゆっくり休め負荷をかけないようにしましょう。強い症状がある場合にはかかりつけの産婦人科で相談しましょう。妊娠中は血栓ができやすい状態で、下肢静脈血栓症ができてしまうこともあります。

男性で膝の裏に激痛が走るのは、痛風の症状でしょうか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

痛風は通常は足の指などの小さな関節に起こります。一方、偽痛風はピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)というものが関節内に沈着することで起こる病気は膝関節が後発部位です。

まとめ

膝の裏が痛い時に考えられる病気と対処法について解説しました。
年齢による膝の変化は多少なりともあるものですが、できるだけ長く健康的で痛みのない膝を維持したいですよね。ぜひ記事を読んでいただき、思い当たる症状がある場合には、病院で相談してみましょう。

「膝の裏が痛い」で考えられる病気と特徴

「膝の裏が痛い」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

内科の病気

その他の病気

  • 間欠性跛行

膝周辺の症状では、整形外科領域の病気が多く考えられます。

「膝の裏が痛い」と関連のある症状

「膝の裏が痛い」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「膝の裏が痛い」症状の他に、これらの症状がある場合も「変形性膝関節症」「関節リウマチ」「深部静脈血栓症」「偽痛風」などの疾患の可能性が考えられます。症状がなかなか改善しない場合には、早めの医療機関への受診をおすすめします。

この記事の監修医師

膝の裏が痛いに関連する記事