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「何か食べてないと落ち着かない」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「何か食べてないと落ち着かない」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

何か食べてないと落ち着かないのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

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「何か食べてないと落ち着かない」症状で考えられる病気と対処法

日常生活でイライラやストレス、疲れがたまったときは、つい“食べること”に走りがちになります。
中には、嫌でも食べてしまう症状があって、食べすぎて「病気かも?」と不安に感じている人もいらっしゃるでしょう。
今回は、何か食べてないと落ち着かない症状で考えられる病気と、その対処法について解説していきます。

何か食べてないと落ち着かない症状で考えられる原因と対処法

何か食べてないと落ち着かない症状で考えられる原因疾患として、「過食症」が挙げられます。
過食は、ストレスから「回避」するための対処行動の一つとして考えられています)。
食事の摂取の仕方に問題がある際に分類される摂食障害のひとつが「過食性」であり、普段から食事の取り方に大きく問題があり、自分でも食べ過ぎであることを自覚できていても、それを静止することが困難な状態です。
日々の過労やストレスなどで引き起こされることが多く、うつ病と合併して不眠や頭痛、めまい、感情の起伏など様々な症状が出ることもあります。
お腹がいっぱいでも不快になっても食べることをやめず、食べたあとの罪悪感や後悔など精神的なストレスがかかるといった特徴をもっているので、該当事項が少しでもあって思い当たる節があるなら、早めに精神科や心療内科など専門家に相談しましょう。

生理前に何か食べてないと落ち着かない症状で考えられる原因と対処法

生理前に何か食べてないと落ち着かない症状で考えられる原因疾患として、「月経前症候群」が挙げられます。
月経前症候群とは、一般的には月経前の3~10日前後の日程で続く精神的あるいは身体的症状の総称を指しており、月経開始とともに症状が軽快または消失するものを意味します。
例えば、精神神経症状としては情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、睡眠障害などが挙げられますし、生理前に何か食べてないと落ち着かない症状が出現することもあります。
また、自律神経症状として、のぼせや食欲不振、めまい、倦怠感などを自覚するケースもありますし、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、乳房の張りなどの訴えがよくあります。
自分で症状を制御できない際には、早急に精神科や心療内科など専門医療機関を受診してください。

妊娠中に何か食べてないと落ち着かない症状で考えられる原因と対処法

妊娠中に何か食べてないと落ち着かない症状で考えられる原因疾患として、「エモーショナルイーティング」が挙げられます。
「エモーショナルイーティング」は自分の心身を満たすための食事ではなく、心を一時的に慰める食事であり、“食べる”行為は、手軽にストレスを解消できるため、エモーショナルイーティングを繰り返してしまいがちです。
食べることで、ぐるぐる思考のネットワークが抑制されてストレスへ思考が集中している状態から、食べることに思考を移動することができますが、妊娠を含む日々のストレスに対する根本的な治療にはつながりません。
「エモーショナルイーティング」や「ストレス食い」は習慣化すると、自分ではコントロールができなくなって症状が悪化する場合もあるため、心配であれば精神科や心療内科など専門医療機関を受診することをお勧めします。

すぐに病院へ行くべき「何か食べてないと落ち着かない」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

食べるのを止められず抑うつ症状がある場合は、精神科や心療内科へ

お腹が苦しくなっても食べるのを止められない、常に食べ物を口にしていないと落ち着かない、これまでの自分に比べて明らかに食べ過ぎることが増えて食べ物のことばかり考えてしまうなどの状態がみられるようになれば、それは心や脳が疲れているサインです。
うつ病などの病気の始まりも、食欲低下ではなく、過食が症状として現れることがあります。
したがって、日常的に食べ過ぎる以外に、眠りづらい、気分の浮き沈みが激しい、頭痛やめまいに悩まされている場合には、心療内科や精神科を受診してみましょう。

受診・予防の目安となる「何か食べてないと落ち着かない」ときのセルフチェック法

  • ・何か食べてないと落ち着かない以外に抑うつ症状がある場合
  • ・何か食べてないと落ち着かない以外に不眠症状がある場合
  • ・何か食べてないと落ち着かない以外に頭痛やめまい症状がある場合

「何か食べてないと落ち着かない」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「何か食べてないと落ち着かない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

過食症

過食は、ストレスから「回避」するための対処行動として考えられています。
過食をしているときは、食べることに集中しており一時的にそのストレスから離れられますが、過食を止めるとストレスから「回避」することができなくなり、落ち着かなくなります。
過食の衝動は普通の食欲とは異なり、我慢しようと思ってもそれがきかず、内容や量や時間帯を選べず、異常なスピードで押し込むように食べてしまう、あるいは目の前に食べ物があると制限がきかなくなります。
これらが常に続くとは限らず、通常は普通の食事ができている人が、週に何回か過食の症状が出てしまうということもありますし、普通に食事をした後、衝動的に過食をしてしまうことも考えられます。
重症になると普段の食事も過食となり、人前では無理やり我慢した後、トイレなどにかけこんで過食をすることが日常茶飯事になっていることもあります。
心配であれば、精神科や心療内科など専門医療機関を受診しましょう。

エモーショナルイーティング

エモーショナルイーティングとは、「お腹が空いた」とカラダが食べ物を欲する人間本来の食欲とは別に、感情の赴くままに心身を満たすために食べる状態を指しています。
別名で、 「ストレスイーティング (ストレス食い)」や「やけ食い」などと呼ばれることもあります。「ストレス食い」をしてもストレスが解消されず、大量に食べることで悲しさ、怒り、孤独などの感情やストレスの解消になっている「エモーショナルイーティング(Emotional Eating)」が継続する際には、一定の注意を払うことが重要です。
心配であれば、精神科や心療内科など専門医療機関を受診する必要があります。

「何か食べてないと落ち着かない」ときの正しい対処法は?

何か食べてないと落ち着かない症状の落ち着かせ方として、つい食べたいという衝動にかられた際には、散歩に行って運動など他のストレス解消法を発見する、あるいはすぐに手に入る場所に食べ物をおかないなどの工夫が必要です。
また、どうしても食べたくなれば、すぐに歯を磨く、深呼吸をするなど対処策を実践するとともに、日記など記録をつけて、過食が起こりやすくなるタイミングを自分で把握して振り返ることが出来るようにしましょう。
何か食べてないと落ち着かない症状が出現した際に、おすすめする食事や飲み物としては、ガムを噛む、炭酸水を飲むなどが挙げられます。
また、精神的なストレスや疲労などの積み重ねによって、過食が発症する場合も多くありますので、セルフケア方法としてストレスを発散できる手段を見つけることが重要です。
例えば、悩み事を信頼できる家族や医療機関に相談する、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、趣味に没頭する時間を作る、1日7~8時間程度は睡眠時間を確保する、あたたかい飲み物を飲む、アロマを焚くなど自分なりに気分転換できる方法を探してみましょう。
つい、食べ過ぎてしまうことは日常でもよくあることですが、自分の感情がむしゃくしゃする、不安になったときに逃避するために食べ過ぎることは健康的とは言えません。
早く治したい時や自ら応急処置をしても症状が収まらない場合、あるいは過食をやめたいのにやめられない、過食した後に自責の念にかられて毎回吐いてしまうなどの症状が1ヶ月以上続く際には、出来るだけ早く精神科や心療内科へ行って相談しましょう。

「何か食べてないと落ち着かない」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「何か食べてないと落ち着かない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

何か食べてないと落ち着かないのはストレスが原因でしょうか。

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

日々のストレスや過労が原因となって、何か食べてないと落ち着かない症状が出現することもあります。普段からオーバーワークを避けて、ストレス解消法を自分なりに見つけるように努力しましょう。

何か食べてないと落ち着かないのは病気ですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

何か食べてないと落ち着かない症状が認められる際には、過食症や月経前症候群、エモーショナルイーティングなどの病気が隠れているかも知れません。心配であれば、精神科や心療内科など専門医療機関を受診してください。

常に何かを食べたい衝動に駆られるのはむちゃ食い障害でしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

常に何かを食べたい衝動に駆られる場合は、むちゃ食い障害を含むエモーショナルイーティングである可能性があります。ストレス解消に努めて、どうしてもセルフコントロールできない場合は、早急に専門医療機関に相談しましょう。

食べづわりでずっと食べているのは不健康でしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

妊娠中に食べづわりで四六時中食べ続けている場合がありますが、脱水予防や栄養状態を改善する範囲内で食べることは許容されますが、自分でコントロールできない程度に食欲を押さえることが出来ず食べ過ぎてしまうことは不健康であると言えます。

何か食べてないと落ち着かないのですが食べても問題ないですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

何か食べてないと落ち着かない症状がある際に、どんどん食べ続けると健康被害が及んだり、精神的に不安定に陥ることもあります。普段の生活を規則正しく送り、自分なりにストレス発散するなどセルフケアを実施しても症状が改善しない場合には、出来るだけ早く専門医療機関に相談しましょう。

まとめ

「ストレス発散でついつい食べてしまう」「食べても食べても満足感がなく、いつもむちゃ食いをしてしまう」などの悩みを慢性的に抱えている人も少なくないでしょう。
そのような場合には、「過食症」や「エモーショナルイーティング」などの状態かもしれません。
日々の生活でストレス解消を図ることに努めて、万が一自分自身でセルフコントロールが難しい際には、症状が悪化する前に精神科や心療内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。
今回の情報が参考になれば幸いです。

「何か食べてないと落ち着かない」症状で考えられる病気

「何か食べてないと落ち着かない」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

慢性的に気になっている症状である場合には見過ごしがちですが、自分自身でコントロールが難しい場合には、精神科や心療内科などを受診して相談することをお勧めいたします。

「何か食べてないと落ち着かない」に似ている症状・関連する症状

「何か食べてないと落ち着かない」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「何か食べてないと落ち着かない」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「過食症」「月経前症候群」「エモーショナルイーティング」などの疾患の可能性が考えられます。うつ症状があったり、眠れなくなったり、頭痛やめまいの症状があったりする場合は、早めに医療機関を受診しましょう。