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「ストレスによる頭痛」はデスクワークや姿勢の悪さが原因?医師が対処法も解説!

「ストレスによる頭痛」はデスクワークや姿勢の悪さが原因?医師が対処法も解説!

ストレスによる頭痛を治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「ストレスによる頭痛」症状で考えられる病気と対処法

ストレスが強くかかる環境や時期が続く中で、頭痛を感じたことはありませんか?原因はいわゆる「頭痛」に派生するものが多いのですが、その症状は幅広いです。どんな場合に病院受診の必要があるか、解説していきます。

ストレスによる頭痛の症状で考えられる原因と治し方

ストレスによる頭痛の場合、緊張型頭痛の可能性が考えられます。緊張型頭痛は、非常によくみられる病気で、頭痛の原因の7~8割を占めるとされています。また日本の中では成人の約22%、およそ2200万人が悩んでいるとされています。
詳しい説明は後に記載しますが、ストレスに加えて、首や肩の筋肉の凝り、睡眠不足、長時間のデスクワーク、不適切な姿勢などが発症に関係していると言われています。
緊張型頭痛を予防するためには、ストレス管理、休息、首や肩のストレッチや運動、姿勢の改善などが有効です。持続的な症状で生活に支障を感じる場合は、医療機関を受診しましょう。専門科は脳神経内科や脳神経外科です。緊急性はありませんので日中に受診してください。

ストレスで頭のてっぺんが痛い症状で考えられる原因と対処法

ストレスで頭のてっぺんが痛い症状のことを指します。この場合、筋・筋膜性疼痛症候群の可能性が考えられます。筋・筋膜性疼痛症候群とは、筋肉を包む筋膜の癒着(周囲の組織とべったりひっつくこと)が起こると言われています。近年、肩こりや腰痛だけでなく、頭部も含めた多くの慢性的な痛みの原因がこれらの筋膜の癒着によって起こると考えられるようになってきました。ストレスのみが原因で発症するわけではありませんが、ストレスを強く感じる現役世代の方が、よく遭遇する疾患ですのでご紹介いたします。
原因は、筋肉への外傷や疲労、繰り返し動作、過度の運動、冷え、ストレス、運動不足などが言われています。
治療には筋膜リリース(ハイドロリリース)が注目されています。炎症などにより癒着した筋膜に対して、体に害がない液体(生理食塩水)を注射で注入し、剥がすことで痛みを緩和します。
長く症状に悩まれている場合は、一度病院で相談してみましょう。専門は整形外科ですが、全ての病院で筋膜リリースが行われるわけではありませんので、事前に確認して受診することを勧めます。緊急性はありませんので日中に受診してください。

ストレスでこめかみが痛いの症状で考えられる原因と治し方

ストレスでこめかみあたりに痛みを感じる場合を指します。この場合、片頭痛の可能性があります。こめかみあたりであったり、別の部位でもみられますが、頭の片側に限定された痛みとして現れることが多いです(もちろん両側に見られるパターンもあります)。痛みは「血管が脈打つような」または「響くような」感覚と表現されます。
ストレスやホルモンバランスの乱れ、アルコール、カフェイン、天気の変化、睡眠不足や睡眠過多などが、片頭痛の原因・きっかけとなることも知られています。

予防や症状の緩和のためには、生活習慣の見直しやトリガーとなる要因の特定と避けることが重要です。定期的なバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの管理などが予防策として有効です。
片頭痛は、日常生活に大きな支障をきたすことがあるので、症状が重い場合や頻繁に発作が起こる場合は、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。診療科は脳神経内科や脳神経外科、また頭痛外来を標榜しているクリニックがお勧めです。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

ストレスで後頭部が痛いの症状で考えられる原因と治し方

ストレスを感じていて、後頭部が痛い症状も伴っている場合、頚椎症の可能性が考えられます。厳密にストレスのみが原因で発症するわけではありませんが、ストレスの強い環境で働いておられる年代の方が、よく合併する疾患ですのでご紹介いたします。
頚椎症とは、頚部(首の部分)の脊椎やその周囲の組織が、外からの力や老化により変形し、症状が現れる疾患のことを指します。特に頚部の脊椎や椎間板(脊椎の骨と骨の間にあるクッションのような組織)が変性し、それが神経や脊髄に影響を与えることで症状が生じます。
首の痛みやこり、疲れやすさといった軽い症状で現れることが多いですが、進行すると手や腕のしびれや痛み、腕の脱力、さらには歩行が難しくなったり、排便が上手くできなくなる、といった症状が現れることがあります。
頚椎症の進行は老化に伴うものが一般的ですが、重い荷物の持ち運びや長時間のデスクワーク、不適切な姿勢なども悪化させる要因として挙げられます。定期的な休憩やストレッチ、適切な姿勢の維持が予防に繋がります。
頚部に違和感や痛みといった上記の症状を感じた際は、脳神経外科や整形外科、脳神経内科を受診することをおすすめします。早い段階で頚部を診断、評価して適切な生活習慣改善や治療を行うことで、症状の進行を遅らせることができます。

ストレスで頭痛と吐き気がする症状で考えられる原因と治し方

ストレスがかかって頭痛と吐き気がする場合、自律神経失調症の可能性が考えられます。
自律神経失調症とはその名の通り、自律神経の働きがうまくいかない状態です。そもそも自律神経とは交感神経と副交感神経の2種類に分かれます。私たちの体は、この2つの神経のバランスによって、運動時に心臓の鼓動を早くして筋肉に大量の血液を送る、食後に胃腸の働きを活発にする、ホルモンの分泌をコントロールするなど、さまざまな役割を無意識に行なっています。
これがうまくいかないために、頭痛やめまい、動悸、息切れ、倦怠感や吐き気、食欲不振などの症状が出現します。 すぐにできる対応は、いったんしっかりと休息をとり、その上で規則正しい生活を心がけること、ストレスを除去することです。 それでも症状が改善しない場合は、一度医療機関の受診を勧めます。受診すべき診療科は一般内科や心療内科です。内服薬や漢方薬で治療を行うのが一般的です。

ストレスで頭痛とめまいがする症状で考えられる原因と治し方

ストレスで頭痛とめまいがする場合、良性発作性めまいの可能性が考えられます。良性発作性めまいとは、片頭痛の診断に加えて

  • 意識を失うことなく数分〜数時間で自然に改善する、景色がぐるぐる回るようなめまい
  • うまく歩けない、嘔吐、顔面が青白い、恐怖感といった症状をともなう
  • これらの症状を5回以上経験している
  • 発作が起きていない時は完全に無症状
  • 脳腫瘍やけいれん発作、耳鼻科疾患の可能性が否定されている

といった特徴から診断されます。
基本的には数分の発作で、一般的に治療の必要性はないとされており、片頭痛の治療を継続して行う方針になります。
症状が長引く場合は一般内科を受診してください。緊急性はないので日中に受診してください。

ストレスで頭痛と腹痛がする症状で考えられる原因と治し方

ストレスで頭痛と腹痛がともなう場合を指します。このような症状の場合、腹部片頭痛の可能性が考えられます。
腹部片頭痛とは、片頭痛の診断に加えて

  • 腹痛が5回以上ある
  • 鈍い、漠然としたお腹の痛み
  • 食欲がない、吐き気、嘔吐、顔面が青白いといった症状をともなう
  • 数時間〜72時間持続する
  • 発作が起きていない時は完全に無症状
  • 胃腸や腎臓の疾患の可能性が否定されている

といった特徴から診断されます。もともと小児で多いとされていましたが成人でも報告はあります。発作が起きた際の治療は、片頭痛への対応をするとともにスマトリプタンという点鼻薬が有効であったという報告が少ないながらあります。
症状が長引く場合は一般内科を受診しましょう。緊急性はないので日中に受診してください。

すぐに病院へ行くべき「ストレスによる頭痛」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

のたうち回るような激しい頭痛の場合は、脳神経内科や脳神経外科へ

のたうち回るような激しい頭痛の場合、群発頭痛の可能性が考えられます。群発頭痛はとにかく非常に強い痛みを伴う頭痛です。痛みのあまりのたうち回ってしまう、最強の頭痛と言われることも多いです。人によってはお産の痛みより強いという方もおられるくらいです。明らかな原因は特定されていませんが、飲酒で発作が誘発されやすいことは知られています。
治療法は禁酒とベラパミルという薬剤による予防、そして発作時にはスマトリプタンという薬の皮下注射や酸素吸入が有効とされています。ご自身での対応はなかなか難しく、とても我慢できるものではありませんので、症状が現れた場合は病院への受診をお勧めします。脳神経内科や脳神経外科、また頭痛外来を標榜しているクリニックを受診することを勧めます。

受診・予防の目安となる「ストレスのよる頭痛」のセルフチェック法

  • ストレスによる頭痛以外に吐き気症状がある場合
  • ストレスによる頭痛以外にめまい症状がある場合
  • ストレスによる頭痛以外に腹痛症状がある場合

「ストレスによる頭痛」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「ストレスによる頭痛」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

片頭痛(偏頭痛)

片頭痛は、頭の特定の部位を中心に起こる強い頭痛のことを指します。その名の通り、しばしば頭の片側に限定された痛みとして現れることが多いです。痛みは「脈打つような」または「響くような」感覚を伴うことが一般的です。
また片頭痛の特徴的な症状には、明るい光や大きい音に敏感になる、ギラギラ・ギザギザした光の波のようなものが見える(閃輝暗点)、吐き気や嘔吐を伴うことがある、などが挙げられます。原因は、遺伝的な要因、脳内の神経伝達物質の変動、ホルモンバランスの変化などが考えられています。また、ストレス、食物、アルコール、カフェイン、天気の変化、睡眠不足や睡眠過多などが、片頭痛のトリガー(きっかけ、誘発因子)となることも知られています。
予防や症状の緩和のためには、生活習慣の見直しやトリガーとなる要因の特定と避けることが重要です。定期的なバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの管理などが予防策として有効です。
片頭痛は、日常生活に大きな支障をきたすことがあるので、症状が重い、または頻繁に発作が起こる場合は、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。診療科は脳神経内科や脳神経外科、また頭痛外来を標榜しているクリニックがお勧めです。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、日常的なストレスや体の緊張、姿勢の悪さなどが原因とされる、非常に頻度の多い頭痛です。この頭痛は「帯状に締めつけるような」または「重たい帽子をかぶっているような」感覚で、頭全体や後頭部、こめかみあたりに痛みが現れます。 緊張型頭痛の症状は、激しい痛みではなく、鈍い痛みや圧迫感が持続的に続くのが特徴的です。 多くの場合、数時間から数日間続き、激しい運動をしても痛みが増悪することはありません。
原因には、筋肉の緊張、特に首や肩の筋肉が関与していると考えられています。また、継続的なストレス、不足した睡眠、長時間のデスクワーク、不適切な姿勢なども、緊張型頭痛の発症に関係している可能性があります。 緊張型頭痛を予防するためには、ストレスの管理、適切な休息、定期的なストレッチや適度な運動、姿勢の改善などが有効です。 緊張型頭痛は命にはかかわりませんが生活の質を低下させる病気ですので、持続的な症状で生活に支障を感じる場合は、医療機関を受診しましょう。専門科は脳神経内科や脳神経外科です。頭痛外来を専門にしている医療機関もありますので、これらの施設で相談してみてください。

「ストレスによる頭痛」の正しい対処法は?

ストレスによる頭痛は、ストレス自体の解消と、心身の回復、頭痛そのものに対しての対応が重要です。
ストレスの原因を見極めて、ストレスそのものを解消できるように行動しましょう。難しい場合はご自身の中でストレス解消につながる行動を積極的に行うようにしてください。
また定期的なバランスの取れた食事を取るようにしましょう。他には睡眠前のお酒をやめたり、お風呂でしっかり温まったり寝る前にストレッチをするなど、リラックスできるような習慣で、習慣睡眠の質を向上させてみましょう。
頭痛への対応としては、病院を受診して診断のもと適切な鎮痛薬を処方してもらいましょう。

「ストレスによる頭痛」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスによる頭痛」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストレスで頭痛はどこが痛みますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

後頭部やこめかみ、頭部全体などさまざまです。

ストレスで頭痛がするのですが何科に行けばいいですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

脳神経内科や脳神経外科、頭痛専門外来を標榜している病院がお勧めです。

ストレスによる頭痛は薬や漢方で治りますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

治る可能性は十分にあります。我慢せずに一度病院を受診しましょう。

まとめ

頭痛の種類はさまざまですが、ストレスが原因で起こるものは何種類かあります。特に頻度が多いとされるのは緊張型頭痛ですがそれ以外にも多くの候補がありますので、一度病院で相談してみてください。

「ストレスによる頭痛」症状で考えられる病気

「ストレスによる頭痛」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経系の病気

精神科の病気

整形外科の病気

  • 筋・筋膜性疼痛症候群

ストレスで頭が痛い症状は基本的に脳神経系の病気がほとんどですが、中には整形外科疾患や精神科の疾患もあります。症状が繰り返す場合、改善しない場合は、医療機関を受診してください。

「ストレスによる頭痛」に似ている症状・関連する症状

「ストレスによる頭痛」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「ストレスで頭が痛い」以外にこれらの症状がある場合も、「緊張型頭痛」「片頭痛」「良性発作性めまい」「頚椎症」「自律神経失調症」「筋・筋膜性疼痛症候群」などの可能性があります。複数該当する場合は早めに受診しましょう。

この記事の監修医師