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「神経ブロック注射」を安心・安全に受けるための医院選びのポイントを医師が解説

 公開日:2025/02/23

痛みの改善で、神経ブロック注射による治療を考えている人も多いと思います。しかし、そこで重要になるのが病院選びです。治療法は同じでも、医療機関によって使用する機器は異なりますし、正確な診断や痛みの性質の理解なども精度の高い治療には欠かせません。神経ブロック注射をおこなうときにはどんな病院を選べばいいのか、「こすぎ坂本医院」の坂本先生に解説していただきました。

坂本 典昭

監修医師
坂本 典昭(こすぎ坂本医院)

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東邦大学医学部卒業。その後、東邦大学医療センター大森病院、済生会横浜市東部病院、東京都立小児総合医療センター、金沢病院などで経験を積む。2023年、神奈川県川崎市に「こすぎ坂本医院」を開院。医学博士。日本ペインクリニック学会専門医、日本麻酔科学会認定医。

神経ブロック注射とは?

神経ブロック注射とは?

編集部編集部

神経ブロック注射とはなんですか?

坂本 典昭先生坂本先生

神経ブロック注射は、ブロック注射の一種です。ブロック注射とは、疼痛や症状の軽減を目的として、筋膜、関節、または神経に近い位置に薬剤を注入する治療法のことを言います。そのなかでも神経ブロック注射は、神経や神経の周辺に注射をする治療です。

編集部編集部

神経ブロック注射は、どのような疾患に対しておこなわれるのですか?

坂本 典昭先生坂本先生

様々な疾患に対して用いられます。例えば、腰痛や首の痛み、坐骨神経痛、膝痛など運動器の痛みに対しても神経ブロック注射が用いられます。また、三叉神経痛や帯状疱疹関連痛などの神経痛、片頭痛や緊張型頭痛などの頭痛にも使うことがあります。

編集部編集部

幅広い疾患に適応しているのですね。

坂本 典昭先生坂本先生

そうですね。神経ブロック注射は痛みを生じる疾患だけでなく、痛みのない疾患に対しても用いられるという特徴があります。例えば、顔面神経麻痺や突発性難聴などは多くが痛みを伴いませんが、血流改善を目的として神経ブロック注射がおこなわれることもあります。

編集部編集部

神経ブロック注射には、どのような効果があるのですか?

坂本 典昭先生坂本先生

神経ブロック注射を打つことで、過敏に反応している神経を落ち着かせ、痛みの伝達経路をブロックする効果が期待できます。そのほか、神経が落ち着くことで血管や筋肉への血行が改善され、それによって患部に酸素や栄養素が行き届くようになり、状態の回復が促されます。

神経ブロック注射はどこでできる? 誰でも受けられる?

神経ブロック注射はどこでできる? 誰でも受けられる?

編集部編集部

神経ブロック注射は、どこでおこなうことができるのですか?

坂本 典昭先生坂本先生

多くの場合、ペインクリニックや麻酔科などで受けることができます。また、一部の整形外科でもおこなっていることがあります。

編集部編集部

神経ブロック注射の治療を受けるうえで、重要なことはなんですか?

坂本 典昭先生坂本先生

神経ブロック注射で大切なのは「適切に痛みを診断すること」と「痛みの性質を正しく見極めること」です。神経ブロック注射をおこなうときには、痛みの原因となっている神経を正確に見定め、適切な位置に注射を打つ必要があります。そのため、痛みの診断や性質の理解が非常に重要であり、痛みの元になっている原因や部位を正しく見極めることができなければ、「神経ブロック注射を打っているのに、なかなか痛みが取れない」という事態になってしまいます。

編集部編集部

神経ブロック注射では、医師の経験と技術が必要なのですね。

坂本 典昭先生坂本先生

そのほかにも、神経ブロック注射では様々な薬剤を用いますが、痛みの種別に適した薬剤を選択しなければ、効果を期待することができません。医師がこうした見極めをできるかも重要です。

神経ブロック注射の治療を受ける際の注意点

神経ブロック注射の治療を受ける際の注意点

編集部編集部

神経ブロック注射を安全に受けるには、どんな点に注意して医療機関を選べばいいでしょうか?

坂本 典昭先生坂本先生

まずは、超音波などを用いて神経ブロック注射をおこなっている医療機関を選びましょう。超音波を用いて神経ブロック注射することを「超音波ガイド下ブロック注射」と言います。こうすることで血管や筋肉、神経などの場所を確認でき、より正確な部位に薬剤を注入することができます。全ての神経ブロック注射に超音波での診断が必要なわけではありませんが、こうした検査をおこなっている医療機関を選ぶのが望ましいでしょう。

編集部編集部

そのほか、気をつけることはありますか?

坂本 典昭先生坂本先生

痛みの診断や性質の見極めが適切な医療機関を選ぶことも大切です。例えば、痛みの程度は大きいけれど、症状や病態によってはブロック注射の対象にならない疾患もあります。そのようなことを正確に判断し、神経ブロック注射を選択してくれる医療機関を選ぶことも大切です。

編集部編集部

どこで治療を受けても同じということではないのですね。

坂本 典昭先生坂本先生

はい。加えて、通院しやすい距離に医療機関があることも重要です。神経ブロック注射は、急性の痛みであれば1回でも効果を期待することができますが、通常は複数回、治療を継続します。そのため、通院しやすい距離にあるかどうかも、病院選びのポイントと言えます。

編集部編集部

医師の評判や口コミなども参考になりますか?

坂本 典昭先生坂本先生

信頼できる人からの情報や口コミであれば、参考になるかもしれませんが、それよりも参考になるのは、医療機関のウェブサイトや医師が執筆しているブログだと思います。そこに痛みや神経ブロック注射に対する医師の見解が書かれていれば、その医師がどのような考えで神経ブロック注射をおこなっているのか理解することができますし、自分もその考えに共感できれば治療の満足度も高くなると思います。医療機関を選択する前には、ウェブサイトやブログを確認しておきましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

坂本 典昭先生坂本先生

神経ブロック注射は、対応している標榜科が限られた特徴的な治療です。そのため、神経ブロック注射の治療を受けたことがないと不安になることもあるかと思います。全ての痛みの症状に対して神経ブロック注射が適応になるわけではないですが、神経ブロック注射も含めて安心して痛みの治療をできるようにペインクリニックでは診療をおこなっています。痛みで困った際には、一度ペインクリニックの受診を検討してみてください。

編集部まとめ

神経ブロック注射は痛みを軽減する治療法として、非常に優秀である一方、どこで治療を受けるかも重要とのことでした。超音波などを用いて正確な治療をおこなっているか、適切に痛みの診断をしているかなどを確認しながら、納得できる医療機関を選ぶようにしましょう。

医院情報

こすぎ坂本医院

こすぎ坂本医院
所在地 神奈川県川崎市中原区小杉町3丁目441 伊達ビル2階
アクセス 東急東横線・目黒線・JR南武線「武蔵小杉駅」 徒歩3分
JR横須賀線・湘南新宿ライン「武蔵小杉駅」 徒歩8分
診療科目 内科、小児科、ペインクリニック

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