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「寝不足で頭痛がする」原因とは?吐き気やめまいがする場合も解説!

「寝不足で頭痛がする」原因とは?吐き気やめまいがする場合も解説!

寝不足で頭痛がする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「寝不足で頭痛がする」症状で考えられる病気と対処法

寝不足の時に頭が重い、頭痛がするといった症状を経験したことはないでしょうか。寝不足であると、頭痛もちの人の頭痛が悪化するばかりでなく、普段頭痛がない人でも頭痛が出現することもあります。また逆に、睡眠中に頭痛が出現(発症)してよく眠れず、寝不足になることもあります。慢性的な頭痛は生活の質に与える影響が大きいこともあり、今回は頭痛と睡眠との関係を中心に解説します。

寝不足で頭痛がする症状で考えられる原因と治し方

寝不足は、緊張型頭痛や片頭痛の代表的な誘因因子・増悪(悪化)因子の一つです。寝不足による頭痛の多くは、寝不足により緊張型頭痛または片頭痛の症状が出現し、悪化することで起こります。
緊張型頭痛と片頭痛について詳しく後で述べますが、どちらの頭痛の寝不足により頭痛が悪化するため、十分な睡眠をとるようにしてください。また、片頭痛では寝過ぎても症状が悪化することがあるため、注意してください。

寝不足で頭痛があり、吐き気やめまいがある症状で考えられる原因と治し方

寝不足で頭痛があり、吐き気も出てくる場合には自律神経のバランスの乱れや過度なストレスが影響している可能性があります。自律神経のバランスの乱れや過度なストレスがある場合には、睡眠の質が悪いことで寝不足となり、日中にも倦怠感や頭痛、吐き気、めまいなどが出現します。
ストレスを避けて、規則正しい生活をすることで症状が改善することが多いです。睡眠の質を向上させることも重要です。
しっかりと眠れるような工夫には以下などが挙げられます。
・夜間のパソコンやスマートフォンなどの使用を避ける
・夕方以降のカフェインやアルコールの摂取を避ける
・日中に適度な運動をする
・寝るとき以外にはベッドの上にいない
・規則正しい生活を心がける
日常生活に支障がある場合や生活を改善させても症状が続く場合には、心療内科や脳神経内科を受診してください。

いびきがひどく、寝不足な感じが続き、頭痛がある症状で考えられる原因と治し方

いびきがひどく、十分な睡眠をとっているはずなのに、日中に眠気やだるさがあり、起床時から頭痛を感じる場合があります。このような場合、睡眠時無呼吸症候群性頭痛の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群は顎が小さい方や肥満の方に多く、眠りが深くなると舌が落ち込んで空気の通り道を狭くすることでいびきが出たり、一時的に呼吸が止まったりする病気です。息苦しくなって眠りが浅くなると狭窄・閉塞は解除されるため、それ自体が命にかかわることはありませんが、寝不足なって集中力が低下したり、脳梗塞や心筋梗塞などの血管イベント(血管系の病気)の発症リスクを上昇させたりします。
また、夜間の低酸素や寝不足の影響で起床時に頭痛を起こすことがあります。減量などで症状が改善することもありますが、治療にはマウスピースの使用や持続性陽圧呼吸(CPAP)が必要な場合も多く、このような症状がある場合には睡眠外来・耳鼻科・循環器科などの睡眠時無呼吸症候群を診療可能な医療機関を受診してください。

すぐに病院へ行くべき「寝不足で頭痛がする」関連症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

寝不足で突然強い頭痛が出現した場合は、脳神経外科へ

寝不足は血圧を不安定にして、くも膜下出血や脳出血のリスクも増加させます。寝不足の時に限ったことではありませんが、突然強い頭痛が出現した場合にはすぐに脳神経外科を受診してください。

「寝不足で頭痛がする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「寝不足で頭痛がする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は首や肩の筋肉が過剰に緊張して周囲の血管や神経が圧迫されて起こるもので、後頚部/後頭部や頭全体の締め付けられるように痛む病気です。痛みは気になるものの日常生活に大きな支障はない程度の頭痛であることが多く、リラックスやストレッチ、痛み止めの服用などで症状が改善することが多いです。日常生活への支障がなければ医療機関への受診は不要ですが、痛みが強い場合などは他の病気の可能性もあるため、脳神経内科を受診してください。

片頭痛(偏頭痛)

片頭痛は、20歳~40歳までの女性に多い、ズキズキとした拍動性(一定のリズムがある)の頭痛です。片頭痛のメカニズムについては確定していませんが、血管の拡張や収縮、三叉神経への刺激が関与されていると考えられています。痛みは他のことに集中できないほど強いことが多く、光や音、においなどで悪化し、市販の痛み止めを使用しても効果が不十分であることが多いことから、日常生活に支障がでることも少なくありません。
痛み止めの服用や暗く静かなところで安静に過ごすことで痛みが軽減することもありますが、頭痛は何度も繰り返すことが多いため、強い頭痛が出る、頻回に(頻繁に)頭痛がある場合には脳神経内科を受診してください。

群発頭痛

群発頭痛は緊張型頭痛や片頭痛と同じく一次性頭痛(脳出血や髄膜炎などのその他の原因のない頭痛)の一つで、片側の目の奥がズキズキと非常に強く痛み、同側の目の充血や流涙(涙目)、鼻詰まりなどの随伴症状(何かの症状に伴って起こる症状)も伴う病気です。20歳~40歳の男性に多く、痛みの発作は1日に複数回と群発するのが特徴です。1か月~2か月程度で発作は改善しますが、7~8割で同様の発作が再度起きることがあり、注意が必要です。
主な誘発因子(助長の可能性がある原因)はアルコールで寝不足は誘発因子にはなりませんが、発作は睡眠中にも出現するため寝不足になってしまうことはあります。発作がある期間は誘発因子となるアルコールを避けることで発作の頻度を下げることはできますが、発作が出た時には市販の痛み止めでは効果が不十分であることが多いため、強い頭痛や同側の目の充血、流涙などがある場合には脳神経内科を受診するとよいでしょう。

「寝不足で頭痛がする」ときに市販薬を飲んでもいい?

頭痛がひどい時には市販の痛み止めを服用しても問題ありません。ロキソニンSやイブクイック、バファリンなどの頭痛薬は多くの場合にはある程度有効です。しかし、鎮痛薬を頻回に服用しすぎると薬物乱用頭痛とよばれる痛み止めによる頭痛が出ることもあるため、長期間に頻回に(月に10回以上を数か月間)痛み止めを服用している場合は、注意が必要です。痛み止めを服用しても効果が得られなくなってきたと感じる場合は薬物乱用性頭痛となっている疑いがあるため、使用を控える、作用機序(効き方の仕組み)の異なる薬を使うなどの対応が必要です。

「寝不足で頭痛がする」ときの正しい対処法・解消法やツボはある?

寝不足で頭痛がする場合にはストレスを避け、生活リズムを整えて、十分な睡眠をとることが最も有効です。寝つきが悪い場合には、
・夜間のパソコンやスマートフォンなどの使用を避ける
・夕方以降のカフェインやアルコールの摂取をさける
・日中に適度な運動をする
・寝るとき以外にはベッドの上にいない
・規則正しい生活を心がける

など、しっかりと眠れる工夫も重要となります。また仮眠については15時以降に仮眠をすると夜の寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするので注意しましょう。
その他の対処法として、寝不足による頭痛を引き起こす病気の一つである緊張型頭痛に対しては、
・長時間のパソコンやスマートフォンの使用を避ける
・肩を回すなどのストレッチをする
・生活リズムを整えるなど日常生活を見直す
ことが重要です。
首から肩にかけてのマッサージや首を左右に倒す、腕を回すようなストレッチが有効な場合もあります。日常生活に支障がある、もしくは日常生活を見直しても症状が続く場合には、内科を受診して下さい。

「寝不足で頭痛がする」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「寝不足で頭痛がする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

寝不足で頭痛がする症状の予防法を教えて下さい。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

規則正しい生活をして、十分な睡眠をとることが重要です。ストレスを避ける、日中に適度な運動をすることもしっかりと寝るためには重要です。

なぜ睡眠不足のときに頭が痛くなるのですか?メカニズムを教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

多くの因子(原因)が関与するため明確なメカニズムは不明ですが、寝不足で体にストレスがかかり、血流がうっ滞しやすくなったり、自室神経が乱れたり、ホルモンバランスが変わったりすることが頭痛の要因になっていると考えられます。

寝不足で頭痛がする場合、食事や飲み物は何を摂取すれば良いでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

寝不足で頭痛がする場合には栄養ドリンクやコーヒーなどに含まれるカフェインをとることで症状が改善することがあります。しかし、夕方以降にカフェインをとると睡眠の質の低下につながるため、夕方以降の摂取には気を付けましょう。

眠りが浅くて頭が痛いとき、ロキソニンやバファリンを飲んでもいいですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

痛みを軽減する目的として服用してもよいです。鎮痛薬は根本的な解決にはならないため、深く眠れるように生活習慣を見直しましょう。

まとめ

寝不足になると頭痛が出ることはよくあります。特にもともと頭痛持ちの人では頭痛がひどくなることが多いです。市販の痛み止めなどで痛みを抑えられることも多いですが、根本的な症状の改善には十分な睡眠をとることが重要であり、しっかりと睡眠がとれるように生活を見直しましょう。

「寝不足で頭痛がする」で考えられる病気と特徴

「寝不足で頭痛がする」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経科の病気

寝不足でも寝すぎでも、頭痛が起こる可能性はあります。

「寝不足で頭痛がする」と関連のある症状

「寝不足で頭痛がする」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「寝不足で頭痛がする」他に、これらの症状が見られる際は、「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」「くも膜下出血」「睡眠時無呼吸症候群」などの病気の存在が疑われます。
複数の症状がある場合やなかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。