「臭くないおならがよく出る」のは何が原因かご存じですか?対処法も医師が解説!

臭くないおならがよく出るのは何が原因?メディカルドック監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか、対処法などについて解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
おならはなぜ出る?
おならとは、腸管の中にたまったガスが肛門から排出されることを言います。ガスが溜まる原因は2つに分かれます。1つは食事や飲み物を摂取する時に、無意識に食事と一緒に空気を飲み込んで腸管へ運び込まれたガスです。もう1つは、腸管内で腸内細菌によって食べ物が発酵、分解されて生じたガスです。おならは飲み込んだ空気が大部分と言われています。
「臭くないおならがよく出る」症状で考えられる病気と対処法
おならの匂いが臭くない場合、どのようなことが原因として考えられるでしょうか?ガスの原因が飲み込んだ空気の場合、腸まで達した空気がそのまま排出されるため臭くないおならになりやすいです。また、食物繊維や発酵食品を多くとり、腸の中の乳酸菌、いわゆる善玉菌が多い腸内環境の場合には食べ物が発酵・分解して出るガスの匂いは少なくなります。
臭くないおならがよく出るの症状で考えられる原因と治し方
上記で解説したように、臭くないおならは飲み込んだ空気が腸まで達した時にみられやすいです。この空気を飲み込む量が多くなると、呑気症と言われることもあります。呑気症は、早食いで空気を食事と一緒に飲み込むことが多い場合や、ストレスなどで唾液を無意識に飲み込むときに一緒に空気を飲み込みやすい場合にみられます。この時に腸管内のガスが多くなり、臭くないおならがよく出る事も少なくありません。
臭くないおならがよく出て音がなる症状で考えられる原因と治し方
おならがよく出て音が出る場合、ガスの量が多いのかもしれません。臭くないおならが多い場合、先の解説でお話をしたように呑気症の可能性があります。このようにガスが多くなると、ガスが勢いよく肛門を通過したときに周囲の皮膚や括約筋が振動することで音が鳴ります。この時に音が鳴るかは、ガスの排出量と、ガスが出るスピード、肛門の開き具合などで決まることが多いです。
ガスが多くならないように、早食いをやめ、ゆっくりよく噛んで食事をしたり、ストレスがあるのであればリラックスできるように環境を整えることも良いでしょう。
臭くないおならがよく出て下痢をする症状で考えられる原因と治し方
臭くないおならがよく出て下痢をする場合には、過敏性腸症候群の可能性があります。
過敏性腸症候群とは、腸管に腫瘍や炎症などの病気が無いにも関わらず、痛みや便秘、下痢などのおなかの症状が3か月以上にわたり持続する場合に診断されます。
過敏性腸炎が疑われる場合の改善法としては、まず暴飲暴食を避け、食事のバランスに気を付け、睡眠を十分に摂る、刺激物やアルコールを控えるなどの生活習慣を改善することが大切です。それでも症状が改善しない場合には、消化器内科を受診して相談をしましょう。
臭くないおならがよく出て便秘になる症状で考えられる原因と治し方
臭くないおならがよく出て便秘になる場合、下痢と同様に過敏性腸症候群の可能性が考えられます。過敏性腸症候群は、下痢となる人もいれば、便秘がちとなる方もおり、また下痢と便秘を繰り返す場合もあります。まず、生活習慣の改善を図ることが大切です。便秘が持続する場合には、消化器内科を受診しましょう。
すぐに病院へ行くべき「臭くないおならがよく出る」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
臭くないおならがよく出て腹痛が続く症状の場合は、消化器内科へ
臭くないおならがよく出て、腹痛などの症状が持続する場合には、過敏性腸症候群の可能性もあります。また、そのほかの消化器系の病気が関係していることもあり、痛みが続く場合には消化器内科で相談をしてみましょう。
病院受診・予防の目安となる「臭くないおならがよく出る」ときのセルフチェック法
・臭くないおならがよく出る以外に下痢が続く症状がある場合
・便秘が続く症状がある場合
・食欲がない症状がある場合
「臭くないおならがよく出る」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「臭くないおならがよく出る」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
便秘
便秘とは、「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。便秘の原因はさまざまです。大腸癌や薬剤性、過敏性大腸炎などの病気が原因となる事もあります。また、特に病気が無くとも、便秘となる場合もあり、特に高齢者では便秘の方が多い傾向です。便秘は、男性で2.5%、女性で4.4%と女性の方が多いですが、年齢が上昇すると男女ともに便秘の方が増え、性差はみられなくなります。
便秘を改善するためには、食事や生活習慣を見直すことも大切です。キウイフルーツやプルーン、オオバコ、ヨーグルトなどの乳酸菌食品は便秘に有効であると言われています。また、有酸素運動が便秘を改善させるという報告もあり、身体活動性を増やすようにしましょう。
生活習慣を改善しても便秘が続く場合には、消化器内科で相談をしてみましょう。
吞気症
呑気症は、空気嚥下症とも呼ばれ、食事中を含め日常生活の中で無意識に空気を飲み込んでしまう状態です。空気を飲み込むことで腸管の中にガスが溜まり、げっぷや腹部膨満感、おならが多くなるなどの症状がみられます。原因としては、早食い、食事中の会話、炭酸飲料の過剰摂取などの可能性が考えられます。このほかにも、心理的な原因として、ストレスや不安、緊張などにより咽頭の違和感が強くなり、無意識に唾を飲み込むことが原因となる事も少なくありません。
呑気症は生活習慣や食べ方を見直し、ストレス対策をすることで症状が改善する可能性があります。ストレスが原因となり、症状が長引く場合には心療内科へ相談すると良いでしょう。
「臭くないおならがよく出る」ときの正しい対処法は?
臭くないおならがよく出る場合、空気を飲み込んでしまうことが原因であることが多いです。早食いや炭酸飲料が多いことが原因として考えられる場合には、これを見直してみましょう。また、ストレスなどで唾液を飲み込むことが多い場合には、リラックスできる環境となるように気を付けることも大切です。
また、便秘や下痢を繰り返し過敏性大腸炎が疑われる場合には、暴飲暴食を避け、アルコールや高脂肪食を控えるようにしましょう。
これらのことに気を付けても症状が改善しない場合には、消化器内科を受診して相談をすることをお勧めします。
おならがよく出るときに市販の胃腸薬を服用して問題ないか
おならがよく出る場合、腸内環境が悪くガスが多くなっていることもあります。このような場合には、整腸剤を内服するのも良いでしょう。市販薬のおなかのガスだまり(腹部膨満感)を改善させる薬剤は、おなかのガスの表面張力を低下させ、ガスを腸から吸収しやすくします。この結果、ガスを減らす効果が期待できますが、完全におならを止めることは難しいでしょう。
まずは食生活などを改善させ、整腸剤などの市販薬を内服して様子を見て、それでも改善が無ければ消化器内科を受診すると良いでしょう。
おならが出やすいときにおすすめの食べ物や飲み物は?
おならが出やすい時には、炭酸飲料、ガムを食べることは避けた方が良いでしょう。炭酸飲料は腸管内でガスを発生させます。また、ガムは噛むことで唾液が増え、唾液を飲み込むことで一緒に空気を飲み込みやすくなります。
また、動物性タンパク質や脂質の多い食品を過剰に摂る事は腸内環境を悪化させます。過剰摂取は控えた方が良いでしょう。豆類、サツマイモなど水様性食物繊維が多い食品は摂りすぎるとガスが発生しやすいので注意が必要です。しかし、食物繊維自体は腸内環境を整える働きもあり、適量で食べることが大切です。
腸内環境を整えるために、お勧めの食材は、納豆、ヨーグルト、味噌、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品です。乳酸菌などの善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。また、バナナ、リンゴ、キウイなどオリゴ糖や水様性食物繊維を多く含む食品は善玉菌の働きを高めるためオススメです。
「臭くないおならがよく出る」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「臭くないおならがよく出る」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
臭くないおならが出るのは生活習慣が原因でしょうか?
伊藤 陽子(医師)
臭くないおならが出る場合、原因として、呑気症の可能性が高いです。この場合、早食いや食事中の会話、ストレスなどで無意識に唾液を飲み込むことが原因となり、ガスが増えていると考えらます。食事の仕方などの生活習慣に気を付けると良いでしょう。
匂いがしないおならがよく出るのはお腹にガスが溜まっているのでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
臭いがしないおならが出る場合、空気を飲み込みおなかにガスが溜まる事が原因となっていることが多いです。また、水様性食物繊維は腸内細菌を整えガスの匂いは少なくなりますが、多く食べ過ぎるとおならが増えることもあります。サツマイモ、豆類などの水溶性食物繊維を食べ過ぎないように気をつけましょう。
臭くないおならが出るのは老化が原因でしょうか?
伊藤 陽子(医師)
臭くないおならが出ることは、必ずしも老化が原因とは言えません。しかし、加齢により消化管運動が低下して便秘となったり、腸内細菌のバランスの変化が起こったりすることでおならの量が増えることもあります。おならが多くなる時には、食事のバランスに気を付け、適度な運動をすることが大切です。
おならが出やすいのは食習慣にも問題があるのでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
おならが出やすい時には、早食いや食事中の会話、炭酸飲料の多飲などの食習慣が原因となる事もあります。これらの食習慣に気をつけましょう。
まとめ 臭くないおならがよく出て気になるときは消化器内科で相談!
臭くないおならが出る場合、空気を多く呑み込むことでガスが多くなっている可能性があります。食習慣で空気を多く呑み込んでいる可能性があれば、まず食習慣に気をつけましょう。また、ストレスや不安感、緊張などで無意識に唾液と一緒に空気を飲み込み腸内ガスが増えることもあります。自分でストレスの緩和対策が取れれば良いですが、難しいようであれば心療内科を受診することも良いでしょう。
また、食事内容で食材が偏っている可能性がある場合には、見直すことも重要です。おなら以外に便秘や下痢、腹痛など消化器症状がある場合には病気が隠れている可能性があるため、消化器内科を受診して相談をしましょう。
「臭くないおならがよく出る」症状で考えられる病気
「臭くないおならがよく出る」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
心療内科系の病気
- 呑気症
- ストレス
臭くないおならが出る場合、空気を多く呑み込んでしまうような習慣や、ストレスの可能性、消化器系の病気が疑われます。まず暴飲暴食をやめ、早食いを止め、リラックスできる環境作りを試してみましょう。それでも症状が変わらない場合には、消化器内科で相談をしてみましょう。
「臭くないおならがよく出る」に似ている症状・関連する症状
「臭くないおならがよく出る」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
臭くないおならがよく出るだけでは、食習慣の問題である可能性が高いです。まず食習慣を見直すことから始めましょう。しかし、腹痛や便秘、下痢などの症状も伴う場合には、消化器内科で相談をすると良いでしょう。

