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「すぐお腹いっぱいになる」のは「胃がん」が原因?医師が徹底解説!

「すぐお腹いっぱいになる」のは「胃がん」が原因」?医師が徹底解説!

すぐお腹いっぱいになるとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください

久高 将太 医師

監修医師
久高 将太 医師

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琉球大学医学部卒業。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。2022/5に新内科専門医試験受験予定。

「すぐお腹いっぱいになる」症状で考えられる病気と対処法

そんなに食べていないのにすぐにお腹いっぱいになってしまう場合に考えられる病気について解説していきましょう。

すぐお腹いっぱいになるけどすぐお腹がすく症状で考えられる原因と対処法

すぐにお腹いっぱいになるけれども少ししか食べていないためにお腹がすぐにすいてしまう場合、胃の容積が小さいために食事量のキャパシティが少ないことが考えられます。痩せている、低身長の場合には胃は小さい傾向にあります。1回に食べられる量が少ない場合には、小分けにして食べていただいて問題ないでしょう。

すぐお腹いっぱいになってお腹が張る症状で考えられる原因と対処法

すぐお腹がいっぱいになってお腹が張る、痛みが出る、胃もたれするなどの場合には、機能性ディスペプシアを疑います。機能性ディスペプシアは胃粘膜などに異常がなく、胃の消化・収縮などの機能の異常が起こる病気です。内視鏡検査をしても異常がないにもかかわらず、症状は慢性化し、症状で日常生活に支障をきたすこともあります。機能性ディスペプシアを疑う症状がある場合には、消化器内科を受診しましょう。内視鏡検査で胃潰瘍などの病気が見つかることもあり、その場合には胃潰瘍の治療をすると症状が改善することもあります。

最近になって急にすぐお腹いっぱいになる症状で考えられる原因と対処法

最近になって症状が急激に進行している場合には、何か胃の容量を減らすような原因がある可能性があります。食べられずに体重減少などを来している場合には、悪性腫瘍の可能性もあります。胃がんの中でもスキルス胃がんというタイプの胃がんは、胃の壁が硬く厚くさせながらがんが広がっていくため、食べても胃が広がらずすぐにお腹いっぱいになり食べられず体重が減少していくことで発見されることもあります。
突然新規の症状が出現した場合には放置せず病気がないかどうか診察・検査を受けましょう。

すぐお腹いっぱいになって吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

吐き気を伴う場合には、機能性ディスペプシア、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどの病気が関連していることがあります。診断には内視鏡検査が必要になります。消化器内科に相談しましょう。

すぐお腹いっぱいになって下痢になる症状で考えられる原因と対処法

下痢を伴う場合には、胃腸炎や機能性ディスペプシアの可能性があります。胃腸炎では下痢以外の症状として多くは腹痛、嘔吐、発熱を伴います。ウイルス性胃腸炎の場合には特別な治療なく症状は1週間程度で改善します。食中毒や一部の細菌性腸炎の場合には抗菌薬治療が必要になります。発熱がある場合や、強い症状がある場合には病院を受診しましょう。

高校生のすぐお腹いっぱいになる症状で考えられる主な原因と対処法

高校生や若い方がすぐにお腹がいっぱいになる症状がある場合、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群が考えられます。お腹いっぱいになるだけであれば、食事をこまめにとれば問題ありませんが、体重減少などをきたした場合、成長期・思春期では栄養不足に陥る可能性があります。日常生活に支障が出ている場合などには、内科・消化器内科を受診して検査を受けましょう。

すぐに病院へ行くべき「すぐお腹いっぱいになる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

食べられずに体重が減る場合は、消化器内科へ

すぐにお腹がいっぱいになっても食べられている、飲めている場合には問題ありません。食べられずに体重が減ってきている場合には、悪性腫瘍を含めて重篤な病気が隠れている可能性があります。また成長期、思春期の子どもに症状がある場合には、成長障害、ホルモンバランスの異常の原因となることがあります。

受診・予防の目安となる「すぐお腹いっぱいになる」ときのセルフチェック法

  • ・すぐお腹いっぱいになる以外に体重減少がある場合
  • ・すぐお腹いっぱいになる以外に発熱、嘔気・嘔吐などの症状がある場合
  • ・すぐお腹いっぱいになる以外に痛みがある場合

「すぐお腹いっぱいになる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「すぐお腹いっぱいになる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアは胃の収縮・拡張・消化などの機能の異常が起こる病気で、胃・十二指腸の運動障害、知覚過敏、心理的要因(不安や虐待歴と関連)、ストレス、胃酸分泌、遺伝的要因、感染性胃腸炎の既往、アルコール・喫煙・不眠などの生活習慣の乱れ、胃の形状などが複雑に絡み合っておこります。胃が張る、痛い、もたれるなどのさまざまなディスペプシア症状を起こしますが、内視鏡検査をしても特に胃粘膜の異常はなく、症状や経過から診断されます。機能性ディスペプシアは健康診断を受診した人の11-17%、病院受診した人の44-53%にみられるほどありふれた病気です。原因によって治療法は異なります。疑わしい症状がある場合には消化器内科を受診してみましょう。

胃がん

胃がんは早期には自覚症状がほとんどなく、進行しても症状がないということもあります。代表的な症状としては、胃の痛み、不快感、違和感、胸焼け、吐き気、食欲不振などです。がんから出血を起こすと、貧血や便に血が混ざる(黒色便)こともあり、それらの症状から胃がんが発見されることもあります。
早期の症状が出にくいため胃がん検診を受けましょう。胃部X線検査(バリウム検査)は40歳代から、50歳以上では定期的な胃内視鏡検査が推奨されています。症状がない場合や、軽い症状でも胃の症状がある場合には放置せず消化器内科を受診してみましょう。

胃腸炎

胃腸炎(感染性胃腸炎)は、主にウイルス、時々細菌などの微生物を原因とする胃腸炎です。ウイルスはノロウイルス、ロナウイルス、サポウイルス、アデノウイルスなどがあり、喉ウイルスは冬にピークがあり感染力が高いウイルスです。細菌性胃腸炎は食中毒であることが多く、黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌、大腸菌が関与することが多い胃腸炎です。細菌性の場合には抗菌薬治療が必要になることもあるため、胃腸炎症状がある場合には内科・消化器内科を受診して診察・検査を受けましょう。

「すぐお腹いっぱいになる」ときの正しい対処法は?

すぐお腹がいっぱいになる場合、まずは食事が食べられているのか、食べられなくて体重が減っているか、お腹が張る以外の症状があるのかを確認してみましょう。体重減少やその他の症状がある場合には放置せず、消化器内科を受診しましょう。
特に病気がなくお腹いっぱいになってしまう場合には無理に食べずに食事を分割して小分けにして食べましょう。胃もたれなどがある場合には、油物やカフェイン類の摂取を避けたり、市販の胃酸抑制薬、整腸剤などを使ったりすることが効果的である場合もあります。無理のない範囲で試してみましょう。便秘でお腹が張る場合には、水分を多めに摂る、運動をする、市販の便秘薬を試してみるなどが良いでしょう。

「すぐお腹いっぱいになる」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「すぐお腹いっぱいになる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

すぐお腹いっぱいになるのは消化不良が原因でしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

機能性ディスペプシアによる消化不良でもお腹のはりなどが出る可能性があります。

あまり食べていないのにすぐお腹いっぱいになるのはなぜですか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

体格などにより胃が小さい場合などには、すぐにお腹がいっぱいになることもあります。そのほか胃炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシアなど病気が原因であることもあります。

お腹がすぐいっぱいになる人におすすめの食べ物はありますか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

油物や香辛料、カフェイン類、飲酒、タバコは胃の機能異常を起こす可能性がありますので避けましょう。

すぐお腹いっぱいになるのですが、消化器のがんなのでしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

胃がんなどの消化器系のがんの可能性ももちろんあります。特に胃がんは初期症状が出ない場合もあるため、定期的にがん検診などを受けるのが良いでしょう。

まとめ

すぐお腹がいっぱいになる時の病気について解説しました。症状がある場合には放置せず、内科・消化器内科を受診しましょう。40歳以上の方は定期的に胃がん検診を受けましょう。

「すぐお腹いっぱいになる」症状で考えられる病気

「すぐお腹いっぱいになる」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器内科の病気

体格が小さいなど胃の容積が小さい場合には問題ないと思いますが、以前に比べて明らかに食が細くなった場合には、一度内科で相談してみましょう。

「すぐお腹いっぱいになる」に似ている症状・関連する症状

「すぐお腹いっぱいになる」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「すぐお腹いっぱいになる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「胃炎」「感染性胃腸炎」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「機能性ディスペプシア」「胃がん」などの疾患の可能性が考えられます。症状がなかなか改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師