げっぷが止まらないのはストレスが原因⁉考えられる病気や対処法を徹底解説!
げっぷが止まらないとき、原因は何か心配になりますよね。ここではMedicalDoc監修医がげっぷが頻繁に出る・止まらない症状で考えられる病気や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状が続く場合は、迷わず病院を受診してください。
監修医師:
梅村 将成 医師(市中総合病院)
消化器外科・総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患を診療。小児から高齢者まで、健康に悩みを抱えるすべての患者さんが納得した医療を受けられるよう、専門医と総合医の視点をもって日夜診療に努めている。
「げっぷが止まらない」症状で考えられる病気と対処法
多くの人は人前でげっぷをすることに抵抗感があり、止まらないと困ります。もちろんげっぷは生理現象ですが、止まらないと何か病気が隠れている可能性があるので注意が必要です。
ここでは、げっぷが止まらない症状で考えられる病気やその対処法を紹介していきます。
げっぷが止まらない症状の原因と対処法
この原因として、呑気症(空気嚥下症)などの可能性があります。
呑気症(どんきしょう)
呑気症は、食事などと関連がなく無意識に空気を飲んでしまい、げっぷが止まらなくなっている状態です。人はだれしも食事や会話中に空気を少量飲んでおり、適宜げっぷやおならとして排泄していますが、呑気症は過度な状態を指します。
この呑気症の原因には、日ごろのストレスが関与していると考えます。
げっぷが止まらないと感じる方の中には、隠れたストレスに悩んで方がいるかもしれません。
まずは内科を受診しげっぷ以外の症状がないか、別の病気が隠れていないか調べましょう。ご自身でストレス疑わしいと感じる時は、精神科や心療内科を受診してください。
げっぷが止まらなくて吐き気がする・気持ちが悪い症状の原因と対処法
げっぷがとまらなくて吐き気がする、お腹がはる、気持ち悪いという症状を指します。
この原因として考えられる病気に、胃潰瘍や胃がんなどの可能性や、妊娠によるつわりの可能性があります。
進行胃がんが胃の出口付近にできると、食事などの通過をさまたげ、胃液や空気が食道側に逆流してしまいます。結果的にげっぷが止まらず、お腹が張って、気持ち悪いという症状がでます。
胃潰瘍(いかいよう)
胃潰瘍は、胃の粘膜が何かしらの原因で胃粘膜が傷つく病気です。胃酸を含むげっぷが出ることに加え、吐き気、食欲不振なども伴います。どちらも早期治療が必要な病気で、早めの病院受診が必要です。
同じような症状は、妊娠初期のつわり(妊娠悪阻)の時期に出現することがあります。妊娠に思い当たる節があれば、妊娠反応検査をしてみましょう。
腹部症状がつよければ、内科、消化器内科を受診しましょう。診断には上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が必要になります。妊娠の可能性がある場合は、産科を受診してください。
食後にげっぷが止まらない症状の原因と対処法
食後にげっぷが止まらない、食事中にもげっぷが出てしまうという症状をさします。
この原因として考えられる病気に、逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアなどがあります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸が胃内から食道に逆流する病気です。主な原因は、食道と胃のつなぎ目にある逆流防止弁(下部食道括筋の筋力)の機能低下です。
食道裂孔ヘルニア
食道裂孔ヘルニアは、下部食道括約筋がゆるんだ結果、胃の一部が食道側に飛び出てしまう状態で、胃酸の逆流やげっぷが起こりやすくなります。
どの年齢層でも起こり得ますが、高齢者に比較的多いと言われています。
肥満にならなように注意する、腹部の締め付けを緩める、食べ過ぎに注意するなどの腹圧を下げるようなセルフケアを心がけてください。
それでも症状がとれないようなら内科、消化器内科を受診しましょう。
げっぷが止まらずお腹が張る・苦しい場合の原因と対処法
げっぷがとまらずお腹が張り苦しい、食欲もないというような症状をさします。
この原因として考えられる病気に、便秘や腸閉塞などがあります。
便秘(べんぴ)
便秘は便が大腸内に過度にたまる状態です。便が腸管の通過を妨げているため、食べたものがスムーズに通過せずお腹が張り、げっぷも増えます。
腸閉塞(ちょうへいそく)
腸閉塞も同じく、何かしらの原因で腸管の通過障害をきたしている状態です。お腹がはりげっぷが止まりません。げっぷとともにしゃっくりがでることもあります。
これらの症状があって食事や飲水が満足にできない場合は、早急な受診が必要です。内科、消化器内科、外科を受診しましょう。
げっぷとおならが止まらない症状の原因と対処法
げっぷやおならが止まらない、お腹が張る、吐き気がある、などの腹部に不快な症状がでる状態を指します。
この原因として考えられる病気に、過敏性腸症候群などの可能性があります。
過敏性腸症候群
原因ははっきりわかっていませんが、不安や緊張、ストレスなどによる自律神経の乱れなどが考えられています。
治療は、まず生活習慣の見直しや、ストレスの除去を試みます。そのほか、不快な症状をとるための投薬治療も検討されます。
緊急性はありませんが、腹部の不快感がつよい場合は生活に支障をきたします。早めに消化器内科を受診するようにしましょう。
すぐに病院へ行くべき「げっぷが止まらない」症状に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
強い腹痛やお腹の張りがある、食事もとれない症状の場合は、内・消化器内科へ
げっぷが止まらないことに加えて、腹部膨満感が強い、腹痛が強い、便やおならがでない、という症状がある場合は、消化管閉塞などが疑われます。
このような症状がみられるたら、早めに内科、消化器内科を受診してください。
「げっぷが止まらない」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「げっぷが止まらない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃と食道の境目にある逆流防止弁(下部食道括約筋)が加齢でゆるむことや、食事の食べ過ぎ、肥満、姿勢などによって、胃液が食道内に逆流するために起こります。
げっぷが止まらない症状が特徴の病気の中で、頻度が高く、胸やけや、口の中の苦みなどの症状も出現することが特徴です。
逆流性食道炎が食道裂孔ヘルニアに関連している場合に、げっぷの症状が目立つようになります。食堂裂孔ヘルニアでは、下部食道括約筋がゆるむ(逆流防止弁がゆるむ)のですが、その結果、げっぷが我慢しにくく止まらなくなります。
症状が気になる方は消化器内科を受診しましょう。投薬治療とともに、食べ過ぎない、食後すぐに横にならないなどと生活習慣を見直すことが大切です。
「げっぷが止まらない」ときに飲んでも良い市販薬・胃腸薬は?
一時的な胃炎などの症状としてげっぷがでている場合は、ガスターⓇなどの市販の胃薬が効果的かもしれません。ただし、げっぷが止まらない症状以外に、腹痛がある、腹部膨満感が強い、吐き気があるなどの場合は、長期間にわたって市販薬に頼るのは危険です。原因として何らかの病気が見つかる可能性がありますので、早めに病院を受診しましょう。
「げっぷが止まらない」症状ついてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「げっぷが止まらない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
げっぷが止まらない症状はストレスが原因でしょうか?
梅村 将成 医師
ストレスでげっぷが出ることはありません。
しかし、ストレスに起因する呑気症や過敏性腸症候群などにより、げっぷが止まらない症状が出現する可能性があります。
ストレスをためないことが大切で、規則正しい生活習慣や、適度な休息/リフレッシュをとるようにしてください。
食べ過ぎや飲酒とげっぷが止まらない症状は関係がありますか?
梅村 将成 医師
関係あります。
食べ過ぎ・飲み過ぎは食事中に飲み込む空気量が増え、胃内圧も上がるためげっぷは増えると考えられます。時間がたてば改善しますが、食べ過ぎ飲み過ぎは健康にもよくありません。適度な食事量を心がけてください。
げっぷが止まらないときは何科の病院を受診したら良いですか?
梅村 将成 医師
げっぷが止まらないときは、まずは内科、消化器内科を受診しましょう。
多くの場合は緊急性は乏しいのですが、腸閉塞のような早急な治療を要する病気が見つかることもあります。
まとめ
げっぷを普段から意識することは少ないと思いますが、止まらなくなると不安になりますよね。げっぷが止まらない症状の原因となる病気をよく知っていただき、心配があれば早めに病院受診してください。
「げっぷが止まらない」症状で考えられる病気
「げっぷが止まらない」症状から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。
産婦人科系
- 妊娠
- 妊娠悪阻
主には消化器系の病気が原因になりますが、女性では妊娠の可能性もあることを留意してください。
「げっぷが止まらない」症状に似ている症状・関連する症状
「げっぷが止まらない」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについては詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。
「げっぷが止まらない」症状の他に、これらの症状がある場合「胃がん」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「妊娠悪阻」「逆流性食道炎」「便秘症」「腸閉塞」「イレウス」「過敏性腸症候群」などの疾患の可能性が考えられます。
複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。
・小野繁ら. 呑気症状と機能性消化管障害について ストレスや心理的因子がもたらす呑気機構の新しい知見から. 日本心療内科雑誌 2005
・一般社団法人 大阪府医師会
https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv50.html
・日本消化器病学会
胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021