「まぶたにかゆみ」がある時の正しい対処法をご存じですか?医師が徹底解説!


監修医師:
鎌田 百合(医師)
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千葉大学医学部卒業。血液内科を専門とし、貧血から血液悪性腫瘍まで幅広く診療。大学病院をはじめとした県内数多くの病院で多数の研修を積んだ経験を活かし、現在は医療法人鎗田病院に勤務。プライマリケアに注力し、内科・血液内科医として地域に根ざした医療を行っている。血液内科専門医、内科認定医。
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「まぶたのかゆみ」症状で考えられる病気と対処法
まぶたのかゆみが起こったことがある方は多いのではないでしょうか。かゆみが起こると気になってかいてしまい、つらいですね。この記事では、なぜまぶたにかゆみが起こるか、どのように対処すれば良いのかを説明します。まぶたのかゆみがあり腫れている症状で考えられる原因と対処法
まぶたのかゆみがあり腫れている場合、霰粒腫(さんりゅうしゅ)の可能性があります。霰粒腫とは、まぶたの奥にある涙を分泌するマイボーム腺という脂腺に脂肪が詰まり、肉芽腫を形成したものです。感染は伴わないものとされています。まぶたが腫れ、その刺激感がかゆみとして現れます。強い痛みや赤みは伴わないことが多いとされています。腫れている部分を取る手術が必要な場合があるため、霰粒腫が疑われる場合は眼科を受診しましょう。更年期でまぶたのかゆみがある症状で考えられる原因と対処法
更年期にまぶたにかゆみが出るのは、肌の乾燥が原因かもしれません。更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下します。すると皮膚の水分保持機能が低下し、まぶたなど肌の乾燥が起こります。保湿を積極的に行うことで症状が緩和される場合があるため、しっかりと保湿を行いましょう。まぶたのかゆみがあり赤みもある症状で考えられる原因と対処法
まぶたのかゆみと赤みがある場合、ものもらいの可能性があります。ものもらいとは医学的には麦粒腫とよばれ、まぶたにある汗や脂を出す腺に炎症が起こる病気です。初期は赤みやかゆみに加えて目のゴロゴロした感じが出現し、症状が進行すると腫れや痛みが起こります。ものもらいは自然に治る場合が多いですが、症状が強い場合は抗生物質の入った点眼を行います。ものもらいが疑われる場合は、眼科を受診し相談しましょう。まぶたのかゆみがありカサカサする症状で考えられる原因と対処法
カサカサしている場合は、アトピー性皮膚炎かもしれません。まぶたはアトピー性皮膚炎の好発部位の一つで、まぶたや目の周りに症状が出たものを特にアトピー性眼瞼炎といいます。アトピー性眼瞼炎はかゆみが強いため、ついまぶたや目の周りをこすったりかいたりしてしまいます。すると目の角膜や結膜を傷つけてしまうことがあります。角膜や結膜の傷は白内障や網膜剥離のリスクにもなるため、適切な治療が必要になります。アトピー性皮膚炎は皮膚科の受診が必要ですが、アトピー性眼瞼炎の場合は、目の合併症がないかの検査も必要であるため、眼科の受診も必要です。まぶたのかゆみがありただれている症状で考えられる原因と対処法
かゆみがある上にただれている場合は、接触性皮膚炎かもしれません。皮膚にある特定の物質が触れることで炎症を起こす病気です。症状が軽い場合はかゆみや赤みが起こりますが、強い症状が起こるとただれる場合があります。ステロイドの塗り薬を使用し炎症を抑える必要がある場合があるため、ただれている場合は皮膚科を受診しましょう。すぐに病院へ行くべき「まぶたのかゆみ」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。腫れや痛みを伴う場合は、眼科へ
まぶたのかゆみに腫れや痛みを伴う場合は、細菌感染などの治療が必要な病気である可能性があります。感染が重症化する前に医師の診察を受けましょう。まぶたのかゆみは眼科の病気が多く、目の診察が必要な場合が多いため、眼科を受診しましょう。受診・予防の目安となる「まぶたのかゆみ」ときのセルフチェック法
以下のような症状がある場合は、眼科を受診しましょう。- まぶたのかゆみに加えて腫れが強い場合
- まぶたのかゆみが強い場合
- まぶたのかゆみが長引く場合
「まぶたのかゆみ」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「まぶたのかゆみ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。アレルギー性結膜炎
花粉やダニなどにアレルギー反応を起こし、目やまぶたがかゆくなる病気です。かゆみだけでなく目やに、充血、涙などが出る場合はアレルギー性結膜炎の可能性が高いかもしれません。花粉の場合は春先など毎年決まった時期に、ダニやハウスダストの場合は年間通して起こるとされています。症状が強い場合はアレルギーを抑える点眼薬を使用する場合があります。眼瞼炎
眼瞼炎とは、まぶたが炎症を起こし、赤く腫れる病気を総称していいます。ものもらいなどの感染症、アレルギーなど多彩な原因があります。原因によって、感染症であれば抗生物質の点眼や、アレルギーであれば抗アレルギー作用のある点眼を行います。ものもらい(麦粒腫)
ものもらいとは、まぶたにある脂や汗を出す腺に細菌が感染して起こる病気です。まぶたの一部が赤く腫れ、目がゴロゴロしたりかゆみや赤みを起こしたりします。自然に治ることが多いですが、症状が強い場合は抗生物質の入った点眼を行う必要があります。ものもらいが疑われる場合は眼科を受診しましょう。接触性皮膚炎
接触性皮膚炎とは、特定の物質に触れ、それが刺激となり皮膚に炎症を起こす病気で、いわゆるかぶれのことをいいます。普段使用している化粧品や保湿剤で接触性皮膚炎を起こす場合があります。汗をふかずに放置して起こるかぶれも、接触性皮膚炎の一種です。まずは化粧品などまぶたにつけているものを中止し、汗はしっかりふいて清潔にしましょう。ドライアイ
ドライアイも目のかゆみを起こす場合があります。目が乾燥すると眼球の表面に小さな傷ができ、痛みやかゆみを起こします。また、涙が少ないと花粉やハウスダストなどの異物を流すことができず、かゆみを起こします。 ドライアイの原因としては、パソコンやスマートフォンでの目の使いすぎや、コンタクトレンズの使用などがあります。意識的にまばたきを繰り返すことで涙が多くなると、症状が緩和されます。「まぶたのかゆみ」の正しい対処法は?
まぶたのかゆみがある場合は、患部を冷やすと症状が落ち着く場合があります。乾燥が原因の場合は、市販の保湿剤を使用して肌のバリア機能を保ちましょう。洗顔をして肌を清潔に保つことも有効です。肌のバリア機能を保つと、炎症を落ち着かせかゆみがおさまる場合があります。ストレスや睡眠不足は、自律神経の働きを低下させて涙の分泌を低下させ、まぶたのかゆみの原因となることがあります。そのため、ストレス解消や十分な休息を取ることも重要です。「まぶたのかゆみ」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「まぶたのかゆみ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
まぶたがかゆくなる原因は何ですか?
鎌田 百合(医師)
ここまで解説したように、原因には目の病気や、皮膚の病気などさまざまなものがあります。症状は自然と治まる場合もありますが、細菌の感染症や、かゆみの症状が強い場合は治療が必要な場合があります。眼科を受診し医師の診察を受けるようにしましょう。
まぶたがかゆくなり赤くカサカサする原因は何ですか?
鎌田 百合(医師)
カサカサしている場合は、皮膚の乾燥やアトピー性皮膚炎が考えられます。どちらも皮膚のバリア機能が失われている状態ですので、皮膚の保湿をしっかりと行ってください。アトピー性皮膚炎が疑われる湿疹がある場合は、皮膚科を受診し適切な治療を行いましょう。
まぶたがかゆくなり腫れた時は何科を受診すればいいですか?
鎌田 百合(医師)
まずは眼科を受診しましょう。ここまで説明したように、原因は眼科疾患であることが多いためです。アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気であっても、目の中に異常がないかを検査する必要がある場合もあるため、眼科を受診することをおすすめします。
まとめ まぶたのかゆみが続く場合は眼科に相談を
まぶたのかゆみの原因と対策を解説しました。まぶたのかゆみは保湿や冷却といった対症療法で改善する場合があります。しかし、かゆみが強かったり赤みや痛みがあったりする場合は治療が必要なことがあるため、眼科を受診し医師に相談しましょう。「まぶたのかゆみ」症状で考えられる病気
「まぶたのかゆみ」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。皮膚科の病気
- アトピー性眼瞼炎
- 接触性皮膚炎
「まぶたのかゆみ」に似ている症状・関連する症状
関連する症状
- まぶたのかぶれ
- まぶたの腫れ
- まぶたの発疹
- まぶたのしこり



