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「上顎がかゆい」原因はご存知ですか?考えられる病気も医師が解説!

「上顎がかゆい」原因はご存知ですか?考えられる病気も医師が解説!

上顎がかゆいのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

「上顎がかゆい」症状で考えられる病気と対処法

上顎がかゆくなり、「何かの病気かな?」「何科を受診すればいいの」と心配になっていませんか?上顎がかゆくなる原因には、感染症が起きていたり花粉症だったりとさまざまなものがあります。ここでは、どのような症状があったときにどういう原因が考えられるのか、どういった場合に病院受診を行う必要があるのかについて見ていきましょう。

上顎がかゆくくしゃみや鼻水が出る症状で考えられる原因と対処法

上顎にかゆみがあり、くしゃみや鼻水が出る場合は花粉症やアレルギーが考えられます。花粉症は、体内に入った花粉を異物だと体が見なして過剰反応している状態のことです。くしゃみや鼻水などの症状が代表的ですが、上顎にかゆみを生じることもあります。アレルギーの場合も、体がアレルゲンに対して過剰に反応している状態です。厳密には花粉症もアレルギーの一つとして知られています。鼻水がサラサラとしている場合は、花粉症やアレルギーの可能性が高いでしょう。この場合は、抗ヒスタミン薬といって、ヒスタミンの働きを抑える薬を服用することで症状を落ち着かせることができます。主な診療科は、耳鼻咽喉科です。緊急性はありませんが、症状が不快な場合は早めに受診しましょう。市販薬を使用しても問題ありません。

上顎の奥がかゆい症状で考えられる原因と対処法

くしゃみや鼻水などの症状がなく、上顎の奥にかゆみがある場合は、口腔アレルギー症候群(OAS)が考えられます。口腔アレルギー症候群とは、果物や生野菜を食べて数分後に起こるアレルギー反応のことです。上顎の奥がかゆいと感じるほか、のどのかゆみやしびれ、むくみなどが表れることもあります。何かものを食べて15分以内にこのような症状が出る場合は、口腔アレルギー症候群の可能性があるでしょう。りんごやもも、パイナップルやバナナ、人参やトマトなどの食品でよく見られます。果物や野菜のアレルゲンは熱に弱いため、加熱すれば症状なく食べられることもあるでしょう。ただし、重症の場合は呼吸困難を起こしたり意識を失ったりすることがあるため、早めの受診が大切です。主な診療科には、内科や呼吸器科、アレルギー科や耳鼻咽喉科などがあります。症状がかゆみ程度でしたら緊急性はありませんが、呼吸が苦しくなったり意識を失ったりしている場合はすぐに受診してください。

上顎がかゆくザラザラしている症状で考えられる原因と対処法

上顎がかゆくザラザラしている場合は口腔カンジダ症が考えられます。口腔カンジダ症とは、おもにカンジダ・アルビカンスという真菌によって起こる口の中の感染症です。カンジダ・アルビカンスは常在菌ですが、免疫機能が低下したり唾液量が減少したりすると数が異常に増殖してしまいます。このほか、入れ歯をつけっぱなしだったりステロイド軟膏を長期間使っていたりすることもカンジダ・アルビカンスが増殖する原因です。上顎がザラザラとするほか、舌や頬に白い苔のようなものができ、痛みを伴うことも少なくありません。自分でできる対処法はとくにありません。ただし、熱いものを避けることで痛みを少なくできます。入れ歯を使っている場合、寝るときには外しましょう。緊急性は高くありませんが、症状が不快に感じる方も多いため、早めの受診をおすすめします。主な診療科は歯科・口腔外科や耳鼻咽喉科です。

上顎と喉がかゆい症状で考えられる原因と対処法

上顎と喉がかゆい場合は、口腔アレルギー症候群や通常のアレルギーなどが考えられます。口腔アレルギー症候群は果物や生野菜、アレルギーはほこりや食べ物、タバコの煙などが原因で起こるものです。原因となる食べ物は人それぞれで、生クリームや卵、小麦や牛乳などが挙げられます。
口腔アレルギー症候群やアレルギーが疑われる場合は、まず原因となるアレルゲンを体内に侵入させないようにすることが大切です。症状がかゆみだけであれば抗ヒスタミン薬の飲み薬でも対処できますが、悪化する可能性もゼロではありません。緊急性は低いものの、呼吸困難や意識を失うなどの症状が見られた場合はすぐに医療機関を受診してください。主な診療科は内科や呼吸器科、アレルギー科、耳鼻咽喉科などです。

上顎と耳の奥がかゆい症状で考えられる原因と対処法

上顎と耳の奥がかゆい場合は、アレルギー性鼻炎の可能性があります。アレルギー性鼻炎でよく見られる症状はくしゃみや鼻水、鼻詰まりですが、上顎や耳の奥のかゆみが見られることもあるのです。鼻と耳は耳管という管でつながっているため、耳の奥にもかゆみが出ることがあります。アレルギー性鼻炎の原因として多いのが、空気中を浮遊するほこりや花粉、ハウスダストやダニなどです。ほこりやハウスダスト、ダニは年中を通して影響をもたらすため、季節を問わず症状に悩まされている方もいます。緊急性はありませんので、日中にアレルギー科や耳鼻咽喉科などを受診しましょう。

朝や寝起きに上顎がかゆい症状で考えられる原因と対処法

朝や寝起きに上顎のかゆみを感じる場合は、花粉症やアレルギーの可能性があります。かゆみのほかに鼻水やくしゃみなども出ていれば、花粉症やアレルギーだと考えてよいでしょう。花粉症やアレルギーは、モーニングアタックといって起きたばかりの時間帯に症状が出やすくなることが特徴です。緊急性はありませんので、症状が気になる場合は抗ヒスタミン薬を服用するなどして対処しましょう。主な診療科はアレルギー科や耳鼻咽喉科です。

すぐに病院へ行くべき「上顎がかゆい」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

呼吸困難や意識朦朧などの症状を伴う場合は、アレルギー科へ

呼吸困難や意識朦朧などの症状がある場合、アナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応を起こしている可能性があります。このような症状が起きているときは、命に関わることも多いため早急な対応が必要です。緊急性が高いため、必要に応じて救急車を手配してください。アレルギー科のほか、耳鼻咽喉科や呼吸器内科でも構いません。受診時は、何がきっかけで症状が起きたのかを明確にするために、食べたものを記録しておきましょう。食べてからどれくらいで症状が出たのか、どんな症状がいつから出ているのかなども記録しておくと正確な判断をしてもらいやすくなります。

受診・予防の目安となる「上顎がかゆい」ときのセルフチェック法

  • 上顎がかゆい以外に呼吸困難や意識が遠のく感じがある場合
  • 上顎がかゆい以外に口の中が白くなっている様子がある場合
  • 上顎がかゆい以外に腫れや痛み、しびれなどがある場合

「上顎がかゆい」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「上顎がかゆい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

口腔アレルギー症候群

口腔アレルギー症候群とは、果物や生野菜によって起こるアレルギー反応のことです。上顎のかゆみのほか、喉のイガイガやしびれ、むくみなどが見られることもあります。症状が起こるのは、食べたものに対してアレルギー反応が起こるためです。アレルゲンが口の中の粘膜に触れることでかゆみなどの症状が起こります。口腔アレルギー症候群が疑われる場合は、まずアレルゲンとなる食べ物を摂取しないことが大切です。どうしても食べる必要があるときは加熱しましょう。アレルゲンを特定するためにも、症状が出たらまずは受診するようにしてください。主な診療科は内科や呼吸器科、アレルギー科や耳鼻咽喉科などです。

花粉症

花粉症は上顎にかゆみが出る代表的な症状として知られています。このほか、くしゃみや鼻水、鼻詰まりや目のかゆみなどもよく見られる症状です。目や鼻から入った花粉を体が異物と見なすことにより、IgE抗体が産生されてさまざまな症状を引き起こします。花粉症が原因のときは、抗ヒスタミン薬の使用によって症状を抑えることが可能です。市販薬を使用しても構いませんし、耳鼻咽喉科などを受診して処方してもらったものを使用しても構いません。そのままにしていても花粉の飛散が終わらない限りは症状が続くため、早めに対処して症状をやわらげましょう。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症は、カンジダ・アルビカンスという真菌によって起こる感染症です。カンジダ・アルビカンスが異常に増殖することにより、口の中に白い苔のようなものが大量にできます。上顎にかゆみが出るほか、痛みや味覚障害が出ることも珍しくありません。自然治癒は難しいため、白い苔のようなものが見られたらすぐに医療機関を受診しましょう。歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科で治療を受けられます。

「上顎がかゆい」ときの正しい対処法は?

上顎がかゆいときは、まずかゆみがなぜ起きているのか理由を探ることが大切です。花粉症やアレルギーなら抗ヒスタミン薬が有効ですし、口腔カンジダ症なら抗真菌薬を使うことになります。かゆみが出る原因によって対処法が違うため、まずは理由を知る必要があるのです。花粉症やアレルギーが原因なら市販の抗ヒスタミン薬を使用しても問題ありません。ただし、市販薬を1週間ほど使っても症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。とくに呼吸困難や意識朦朧などの症状が出ているときは急を要するため、迅速な対処が必要です。

「上顎がかゆい」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「上顎がかゆい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

上顎がかゆいときは何科に行けばいいですか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

耳鼻咽喉科やアレルギー科を受診しましょう。

上顎がかゆいのですが有効な市販薬はありますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

抗ヒスタミン薬を含む市販薬が有効です。市販ではクロルフェニラミンマレイン酸塩やジフェンヒドラミン塩酸塩を含むものが販売されています。

風邪を引いて上顎がかゆくなることはありますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

あります。風邪によって炎症が起き、それがかゆみとして表れる場合があるのです。

まとめ 上顎がかゆいのは花粉症や感染症の可能性あり

上顎がかゆくなる原因としては、花粉症やアレルギー、口腔カンジダ症などが挙げられます。症状がかゆみだけの場合はあまり緊急性はありませんが、呼吸困難や意識朦朧などの症状も出ている場合はアナフィラキシーを起こしている可能性があるため、迅速に医療機関を受診してください。自然に治ることもありますが、症状がつらいときも早めに医療機関を受診しましょう。

「上顎がかゆい」症状で考えられる病気

「上顎がかゆい」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

歯科系の病気

  • 口腔カンジダ

症状がかゆみだけなら大きな心配はいりません。口の中がピリついたり白い苔ができていたり、呼吸困難になったりなどの症状が見られる場合は、感染症やアナフィラキシーなどの可能性があります。

「上顎がかゆい」に似ている症状・関連する症状

「上顎がかゆい」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

喉や口の中、舌がかゆい場合も「花粉症」「アレルギー性鼻炎」「口腔アレルギー症候群」「口腔カンジダ症」などの原因が考えられます。時に重症化し、アナフィラキシーを起こす可能性もありますので、症状が気になるときは早めに医療機関の受診を検討しましょう。

この記事の監修医師