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「歯茎が痛い」原因とは?奥歯・対処法についても解説!

虫歯ではないはずなのに歯茎が痛い、歯磨きをするたびに歯茎に痛みを感じる、などお口の中のトラブルは何が原因か分からず心配ですよね。ここでは、考えられる原因から日常生活でできる予防方法まで Medical DOC監修医が紹介します。

「歯茎が痛い」ときに考えられる原因・病気と応急処置・対処法

ふとしたときに歯茎が痛く感じた経験はあると思います。歯茎が腫れて痛くなる原因には、歯茎に原因があるもの、歯茎以外に原因があるものが考えられます。歯に物が詰まって痛みが出ていることもあります。歯周病はひどくなると抜歯が必要になることもありまので、注意が必要です。ここでは、歯茎が痛む原因や対応方法について説明していきます。

歯茎が痛くて腫れている場合の原因と処置・対処法

歯茎が痛くなっていて、腫れている、赤くなっているなどの状態のことを指します。食べたり飲んだりする時だけではなく、何もしなくても痛むことがあります。
このような場合には、歯茎に原因が多く見られます。感染による歯肉炎・歯周炎や根尖病巣、親知らず周囲に炎症が起きる智歯周囲炎、ストレスなどを原因とした口腔内アフタなどが疑われます。対処法としては、口腔内を清潔にすることが大事ですが、歯を強く磨くことで歯肉に傷がつくことが原因となることもあるために、注意が必要です。冷やしたり、痛み止めを服用したりすることで痛みが軽減することもありますが、痛みが続く時には、歯科・口腔外科への受診を検討しましょう。

頭痛を伴う歯茎の痛みがある場合の原因と処置・対処法

頭痛と歯茎の痛みが同時に起こるような状態のことを指します。同時に痛みがある場合だけではなく、頭痛が先で歯茎の痛みが出てくる、またはその逆もあります。
このような場合には、片頭痛や群発頭痛などの頭痛を引き起こす病気の症状の一つとして、歯痛が現れていることがあります。また、強いストレスを抱えている場合には、歯ぎしりによる歯茎の痛みと肩のコリからくる頭痛が同時に起きていることもあります。市販の痛み止めなどで様子をみつつ、痛みが強い場合には医療機関に受診しましょう。頭痛については、頭痛外来あるいは、脳神経内科、脳神経外科を、歯茎の痛みは、歯科・口腔外科をそれぞれ受診してください。また、歯茎の痛みに顔面痛を伴う場合には帯状疱疹、てんかんなどの可能性、左肩や前胸部にも痛みを伴う場合には心筋梗塞の関連痛の可能性があります。頭痛や歯茎の痛み以外の症状があるときには、必ず医療機関を受診しましょう。

歯茎に痛みがあり、白くなっている場合の原因と処置・対処法

歯茎に痛みがあり、白色か黄色みがかっている状態が当てはまります。歯茎以外の口の中にも白色から黄白色の潰瘍が見られることがあります。
このような場合には、口腔内アフタ(アフタ性口内炎)が疑われます。疲れやストレス、栄養障害、免疫力低下などを原因として発症し、口の中のいろいろな部位に起こりうる炎症です。
刺激により痛みが強くなるため、まずは刺激物を避けることなどで痛みを軽減できます。基本的には、生活習慣の改善(十分に休む、ストレスを減らすこと)などで様子を見ていくことは可能ですが、10日間以上長引いたり、何度も再発を繰り返したりする場合には、ベーチェット病のような膠原病なども疑われるため、早めに歯科・口腔外科を受診しましょう。目の充血や皮膚症状もある場合には、眼科や皮膚科を受診しましょう。

歯茎を押すと痛くて、血が出てくる場合の原因と処置・対処法

歯茎を押すと痛みがあり、血や膿が出てくるなどの状態を指します。
このような場合は、歯肉炎・歯周炎が疑われます。出血は歯磨きの時に起きることが多いと言われます。口腔内が不衛生であることによる黴菌感染が原因となりますが、強く磨くことで歯茎に傷がついて感染を起こすこともあるので、歯磨きの際には注意をしましょう。歯周炎はひどくなると歯茎が萎縮して歯がぐらぐらになったり、歯根部まで炎症波及すれば抜歯が必要になったりすることもあるため、歯茎の腫れがひどい時には歯科・口腔外科を受診しましょう。

奥歯・親知らず付近の歯茎が痛い場合の原因と処置・対処法

奥歯や親知らず付近の歯茎が痛い場合には、智歯周囲炎や埋伏歯による症状と考えられます。智歯(親知らず)が十分に生えなかったり、生える向きがおかしかったりすることで、智歯周囲は不衛生になりやすく、歯周炎を起こしやすい部位です。
歯磨きの際には、タフトブラシを使って衛生を保つ工夫も必要です。
智歯があること自体は無症状ですが、智歯が周りの歯を押すことで歯並びがおかしくなる、違和感が出ることがあるので、異常が見られたら歯科・口腔外科へ受診しましょう。

麻酔の後に歯茎に痛みを感じる場合の原因と処置・対処法

歯科の治療後、麻酔薬の作用が切れてくると歯茎に痛みがでてくる状態が当てはまります。
歯の神経の近くまで虫歯がある場合や、歯の神経を抜いた場合でも歯茎まで炎症があった場合には、麻酔が切れると痛みが出てくることが多く、またそれ以外にも詰め物など、治療に伴う影響によって痛みが出る場合があります。
治療を行った医療機関に相談するのが良いでしょう。すぐに受診することができない場合には、痛み止めで様子をみても良いと思われます。痛みが続く場合には治療を行った医療機関に再診してください。

夜になると歯茎が痛みだす場合の原因と処置・対処法

日中はそれほど気にならなかったのに、夜になって歯の痛みが強くなる症状が当てはなります。
このような場合は、歯髄炎や根尖性歯周炎などの炎症や、歯ぎしりなどによる咬合性外傷による影響が疑われます。
痛みは常にありますが、夜になると副交感神経が有意になり、血流が増えることで痛みが強くなり、他の刺激がなくなることで痛みをより強く感じやすいため、夜中に痛みを強く感じます。
市販の痛み止めで痛みは軽減しますが、放置すれば痛みがひどくなり日中にも痛みが出るようになるため、早めに歯科・口腔外科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「歯茎が痛い」症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

左肩の痛みや胸痛を伴う場合は、内科・循環器内科へ

歯茎の痛み以外に、左肩の痛みや胸痛を伴うような症状があてはまります。歯茎そのものの異常ではなくて、心臓の病気では関連痛として奥歯などの歯に痛みが現れることもあります。
奥歯の痛みに加えて動悸や痛みなどの胸部症状、左肩の痛みがある場合には、心筋梗塞や狭心症の関連痛であることも疑われます。疑わしい場合には、すぐに循環器内科のある救急病院への受診が必要です。

痛みが続く、痛みがひどくなる場合は、歯科・口腔外科へ

歯茎が腫れていて痛みが続いている、見た目はそれほどでもないが痛みがひどくなっているなどの症状が当てはまります。
歯茎に異常がある場合には歯周炎などが疑われます。軽度の歯周炎では、口腔内を清潔に保つことで自然によくなる場合もありますが、感染がひどい場合や歯の磨き方自体に問題がある場合には症状が改善しなかったり、ひどくなる場合があります。
放置すると抜歯をしなくてはならなくなることもあるため、早めに歯科・口腔外科を受診するようにしましょう。

今日からできる「歯茎の痛み」予防!

歯茎の痛みの原因には、ここまでで記載したように多くの原因があります。しかし、歯茎に痛みが出るような口腔内環境がつづけば、将来的に歯が抜け落ちてしまい、食事が楽しめなくなるリスクにもつながります。ここからは日常生活での予防法について紹介します。

口腔内トラブルを抑える食生活編

ビタミンDは免疫を調整することで感染の予防などに効果がある可能性があるといわれており、また、亜鉛など微量元素の不足で味覚障害がでるといわれています。普通に食事をしている場合には不足することはほとんどありませんが、偏った食事をしている場合には気を付けましょう。間食などの食事頻度の増加や食事内容では口腔内健康に関して差はなく、ブラッシングの頻度とスキルで差がでたという研究報告もあります。若い方では食事内容があたえる影響は限定的と考えられますが、加齢に伴い唾液量が減少すると口腔内の自浄作用が低下するため、糖分の多いもの、粘性が高いもの、歯に挟まりやすいものなどに注意して食事をするとよいでしょう。

口腔内トラブルを抑える生活習慣・ストレス対策編

鎮痛薬はさまざまな種類が販売されていますが、歯の痛みに特別な痛み止めはないと思われます。ロキソプロフェンやイブプロフェンなどが有効成分に配合されている一般的な鎮痛薬を使用してください。総合感冒薬などにも解熱鎮痛薬は含まれていますが、咳止めなど不要な成分もあるため、鎮痛薬を選択した方が良いでしょう。
しかし、痛み止めは痛みを軽減するだけで原因が解決するわけではありません。痛みを抑えること以外に原因の治療が必要です。痛みが続く場合には医療機関に受診しましょう。

「歯茎が痛い」症状で考えられる病気と特徴

考えられる病気は19個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからご覧ください。

関連する病気

歯・歯茎の感染が原因の病気

主に、歯茎周囲の炎症によるものです。予防には、普段から歯磨きなどをしっかり行い、定期的な歯科検診を受けることが良いでしょう。

  • う蝕(虫歯)
  • 歯肉炎
  • 歯周炎
  • 根尖性歯周炎
  • 歯根嚢胞
  • 智歯周囲炎
  • 歯性上顎洞炎

歯・歯茎の感染以外の原因の病気

潰瘍ができていたり、出血しやすいなどの症状が見られます。なかなか症状が改善しない場合には早めに検査をするのが望まれます。

  • アフタ口内炎
  • 悪性腫瘍(上顎癌、下顎癌など)
  • 埋没歯
  • 外傷(歯牙欠損など)

歯・歯茎以外に原因がある病気

歯茎の痛みだけではなくに頭痛や胸痛など随伴症状がある際に疑われます。

  • 片頭痛
  • 群発頭痛
  • 帯状疱疹
  • てんかん
  • 副鼻腔炎
  • 急性心筋梗塞
  • 狭心症
  • 白血病

まとめ

歯茎の痛みは、一時的に痛み止めなどを使いながら、歯科医院の営業時間内に治療を受ければ問題ないものがほとんどですが、胸痛なども伴う場合には心筋梗塞などの緊急性が高いものもあるため、歯以外の症状もあるときには注意が必要です。また、痛みが軽いからと放置すると抜歯が必要になるなど、その後の生活に大きな影響がある場合があるため、早めに歯科や口腔外科で治療を受けること、普段から口腔内の衛生を保つように心がけることが大切です。