竹村先生
これまで体調を崩して、調子が悪くなったご経験はありますか?
秋山さん
定期的に尿管結石になります。最初は20代の時にやったんですよ。背中の奥の方がめちゃくちゃ痛いし、悶絶というか、汗かいてきてもう死ぬって思いましたね。救急病院に行くと、おしっこしてくださいと言われて、すると血尿が出てきたんですよ。その頃は尿管結石のこと知らないから、とにかく痛かったという印象が強く残っています。
竹村先生
実際どのあたりが痛かったのですか?
秋山さん
体の中心部ですね。
竹村先生
治療としては病院でどのようなことをことされたのですか?
秋山さん
レントゲンを撮って、痛み止めと炎症を抑える薬を飲んで、1週間程度ジャンプして、石を下へおろすみたいなことを続けてました。手術はしていないです。ある時、カランって結構な大きさの石が出てきました。1回で終わればいいんですけど、5~7年ごとに尿管結石になってます。3回目を経験しているので、また次くるだろうという感じがして怖いですし、痛み止めを持ってないと怖いです……。結局、何が尿管結石を引き起こすのですか?
竹村先生
尿管結石は体の中の尿路、具体的には腎臓、尿管、膀胱、尿道というところに結石ができて、痛みが出る病気です。結石は、カルシウムや尿酸などが尿路にたくさんあることによって結晶化してしまうことでできます。とくに、肥満の方にできやすいということが考えられます。また、90%以上の方が背中の痛みを訴えると言われています。治療については、大きい結石になると手術を行う場合もありますが、小さければ水分を摂ってジャンプしてもらって、石を下に出すような治療を行います。
秋山さん
痩せている人より太っている人の方がなりやすいのですか?
竹村先生
そうですね、リスクは大きいです。
秋山さん
次また尿管結石になると4回目なので、ビクビクしながら仕事をしています。痛い時は痛み止めの坐薬を1時間に1回ぐらい入れる時があります。もう、尿管結石にはなりたくないんですけど、今後どうしたらいいですか?
竹村先生
1番の予防としては、なるべく糖質の少ない水分を多く摂っていただくことです。人間の体は60%以上が水分ですから、水分は多く摂取していただいた方が石は流れやすくなる可能性があると思います。ある論文では、1日2リットル以上水を飲まれている方は、尿管結石になる確率が60%程度低いと言われています。秋山さんとしては「こうしたら石が出やすかった」というようなご体験はありますか?
秋山さん
たくさん水を飲んで、歩いたりして、めちゃくちゃ動いていましたね。「出ろ、出ろ、出ろ」という意識で動いていました。別府の温泉に行った時に温泉の後のトイレで出たのですが、温泉は関係ありますかね?
竹村先生
注意すべき点は、運動や温泉に入ることよって身体の中の水分が汗で失われちゃいますので、脱水ぎみになり尿管結石が悪化してしまう場合があることです。ですので、その場合は1日4リットルくらいの水を摂取しないといけません。しかし、水の飲み過ぎはむくみに繋がってしまうので、その人の身体にあった適切量を摂取する必要があります。
秋山さん
尿管結石を患ったことのある人は糖尿病になりやすいと聞いたことがあるのですが……
竹村先生
おっしゃる通りです。糖尿病とは血糖値が高い病気ですが、原因はインスリンという血糖値を下げるホルモンの効きが悪いことが挙げられます。インスリンの効きが悪くなることを「インスリン抵抗性」といいますが、そのような状態になると尿管結石が非常に起きやすいという報告があります。
秋山さん
なるほどなぁ。それはびっくりです。わかりました。