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「産後の骨盤矯正」を取り入れる適切な時期や整骨院を選ぶときのポイントを解説

 公開日:2023/08/18
「産後の骨盤矯正」を取り入れる適切な時期や整骨院を選ぶときのポイントを解説

産後の女性は、痛みや不調を抱えながら育児に追われ、自分のことはつい後回しになってしまいがちです。しかし、産後のケアをきちんとすることで、その後の生活がとても楽になるのだそうです。今回は産後の腰痛の原因や骨盤矯正について、「まつもと整骨院」の松本先生にお話を伺いました。

松本 崇信

監修柔道整復師
松本 崇信(まつもと整骨院)

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日本体育大学体育学部卒業、日体柔整専門学校(現・日本体育大学医療専門学校)卒業。その後、整骨院勤務やスポーツ現場でのトレーナー活動で13年間経験を積む。2017年、東京都世田谷区に「まつもと整骨院」を開院。柔道整復師。骨盤軸整体協会認定インストラクター。

産後の骨盤はどんな状態になっている?

産後の骨盤はどんな状態になっている?

編集部編集部

産後の腰痛に悩む女性は多いと聞きました。

松本 崇信先生松本先生

はい。女性は妊娠中~産後にかけて体型が大きく変わり、姿勢や骨格もどんどん変化します。それに伴い、これまで以上に力が入る筋肉と逆に使わなくなる筋肉が出てきます。最も顕著なのが、お腹が出てくることでいわゆる「反り腰」になり、腹筋の筋力が低下することです。このように、妊娠中~産後半年くらいは姿勢の変化や筋力の低下が起こるため、骨盤も不安定となり、腰痛や股関節などの不調が出やすいと言えます。

編集部編集部

股関節にも影響があるのですか?

松本 崇信先生松本先生

そうですね。「骨盤が不安定」というだけで、腰痛や股関節痛のほかにも、様々な不調が引き起こされます。骨盤は身体の軸となる部位なので、骨盤が歪めば背骨も歪み、身体全体が歪んでしまうため、肩こりや頭痛などを訴える人が多くいらっしゃいます。

編集部編集部

なるほど。産後の腰痛の原因は筋力低下や姿勢の歪みにあるのですね。

松本 崇信先生松本先生

そのとおりです。しかし、それだけが原因ではありません。赤ちゃんとの生活は、腰に負担のかかる動作がとても多いのです。おむつ交換のたびに前かがみで作業する、その姿勢から何kgもある赤ちゃんを抱き上げるなど、ただでさえ不安定な骨盤にさらなる負担がかかってしまいます。

産後の生活は腰への負担だらけ 対処法を柔道整復師が解説

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編集部編集部

たしかにそうですね。

松本 崇信先生松本先生

さらに、外出するようになると、長時間の抱っこが必要になってきます。現在の抱っこ紐で主流なのは、ちょうど骨盤の上で締めるタイプです。この抱っこ紐自体が悪いわけではないのですが、子どもの体重が抱っこ紐を締めている骨盤部分に直接かかり、腰が前に引っ張られます。反り腰の状態が続くことで、次第に腰痛として表れます。

編集部編集部

妊娠中、そして産後も反り腰になりやすいのですね。

松本 崇信先生松本先生

はい。反り腰になると、骨盤が前傾する姿勢になります。そうなると、お腹とお尻の筋肉が使いづらくなり、腹筋や臀筋の筋力が低下する傾向にあります。

編集部編集部

骨盤ベルトは使った方がいいですか?

松本 崇信先生松本先生

骨盤ベルトは、緩んだ骨盤を固定し安定させることで、骨盤を回復させる手助けをしてくれます。「しなければいけない」というわけではありませんし、とくに不調を感じない人はしなくても問題ないです。ただし、腰痛や骨盤のグラつきなどを感じる人は、なるべく長く装着していただきたいですね。

編集部編集部

「骨盤ベルトが苦しい、違和感があって辛い」といった人はどうしたらいいですか?

松本 崇信先生松本先生

その場合、無理して装着しなくても大丈夫です。しかし、骨盤ベルトを装着している人と比べると、どうしても骨盤に負担がかかりやすくなっています。そのため、簡単なストレッチや体操を取り入れるなど、意識して骨盤をケアしてほしいと思います。

産後の骨盤ケアはいつからやるべき? 整骨院を選ぶポイントはある?

産後の骨盤ケアはいつからやるべき? 整骨院を選ぶポイントはある?

編集部編集部

産後の骨盤ケアについて教えてください。産後すぐに取り入れた方がいいのですか?

松本 崇信先生松本先生

私個人としては、産後2カ月からの骨盤矯正をおすすめしています。産後すぐのカラダは出産という大仕事を終え、かなりのダメージを負っている状態です。「産後1カ月で床上げ」と言われるように、産後1カ月の間はなるべく安静にし、体力の回復に専念しましょう。

編集部編集部

やはり、整骨院に相談した方がいいのでしょうか?

松本 崇信先生松本先生

そうですね。育児に忙しいママさんが頻繁に通うのは難しいかもしれませんが、まず一度は骨盤の専門家にみてもらうのがいいと思います。自分の骨盤がどうなっているかを、自分で把握するのは難しいですよね。「ちょっと筋肉痛かな」と自己判断して放置していると、後になってから腰だけでなく股関節などにも痛みが出る可能性もあります。これから元気に子育てしていくためにも、一度状態を確認してもらった方が将来的な安心につながるでしょう。

編集部編集部

整骨院を選ぶときのポイントはありますか?

松本 崇信先生松本先生

「産後の骨盤矯正」に特化した自費施術メニューのある整骨院がいいと思います。また、個々の状態をしっかり把握した上で施術をおこなえるよう、1対1で話を聞いてくれる時間を取ってくれる整骨院は安心につながるでしょう。加えて、産後は育児で時間の取れない人が多いので、施術するだけではなく自宅でできるストレッチやエクササイズなども指導してくれるところだとありがたいですね。あとは、キッズスペースがあると子どもと一緒に通えるので、継続しやすいと思います。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

松本 崇信先生松本先生

「産後の骨盤矯正」というと、骨盤だけを妊娠前のように戻すイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。妊娠中に重心が変わることで体の使い方が無自覚のうちに変わってしまっているので、体全体をみてアプローチすることが大事です。そうした骨格バランスを整骨院で確認して施術を受けていただくことで、歩くときなどの行動が劇的に変わるママさんがたくさんいらっしゃいます。不調をそのままにせず、ぜひ一度、相談してみてください。自分の体をケアすると、これからの子育てが本当に楽になりますよ。

編集部まとめ

産後の骨盤はどうなっているのか、産後の骨盤ケアをはじめる適切な時期などについて解説していただきました。妊娠中~産後にかけて、劇的に変化する体ですが、専門家にきちんと診てもらうことで、その後何年、何十年後の体に差が出るとのことでした。育児でなかなか時間は取れないかもしれませんが、産後の不調に悩んでいる人は一度整骨院で相談してみてはいかがでしょうか。

医院情報

まつもと整骨院

まつもと整骨院
所在地 〒154-0003 東京都世田谷区野沢2-33-5 1F
アクセス 東急田園都市線「駒澤大学駅」 徒歩6分
診療科目 整骨院

この記事の監修柔道整復師