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「産後の腰痛」の原因・対処法・予防法を柔道整復師が解説

 更新日:2023/03/31
「産後の腰痛」の原因・対処法・予防法を柔道整復師が解説

産後、女性の多くが悩まされている「腰痛」。慣れない子育てで忙しいなか、腰痛にも苦しめられている人は、意外と多いのではないでしょうか。一体、産後の腰痛はどのように対処すればいいのでしょうか。また、予防することは可能なのかも気になるところです。「ひばりヶ丘HARU(はる)整骨院」の石川先生に解説していただきました。

石川 皓太

監修柔道整復師
石川 皓太(ひばりヶ丘HARU(はる)整骨院)

プロフィールをもっと見る
東京柔道整復専門学校卒業。その後、整骨院の分院長を務める。2021年、東京都西東京市に「ひばりヶ丘HARU(はる)整骨院」を開院。一人ひとりにあった施術を丁寧に提供する。管理柔道整復師。

産後の腰痛の原因は?

産後の腰痛の原因は?

編集部編集部

産後、腰痛になる女性が多いと聞きました。これは一体なぜでしょうか?

石川 皓太先生石川先生

産後の腰痛の原因はいくつかあります。1つ目が女性ホルモンの一種である「リラキシン」の影響です。リラキシンは妊娠末期に分泌されて、骨盤の関節を広げて出産しやすい状態に導く役割を持っています。出産時には重要な働きをするのですが、このリラキシンの作用によって出産した後も骨盤がゆるい状態になっています。そのため、腰痛や肩こり、尿漏れなどが起きやすくなるのです。

編集部編集部

ほかの原因はなんですか?

石川 皓太先生石川先生

産後の腰痛が起きる大きな原因に、「筋力低下」があります。妊娠・出産によって筋力が低下して、正しい姿勢を支えることができなくなってしまい、腰痛を生じさせてしまうことは少なくないのです。ほかには、体の代謝が落ちたことが原因で腰痛が起きる場合もあります。

編集部編集部

様々な原因があるのですね。

石川 皓太先生石川先生

はい。そのほかにも、赤ちゃんに授乳したり、抱っこしたり、おむつを替えたりと、赤ちゃんのお世話をする作業はどうしても腰に負担がかかります。前屈みの姿勢が続くことで腰の筋肉も常に緊張した状態となって、腰痛を引き起こしてしまいます。

産後の腰痛の対処法 整骨院で受けられる施術をご紹介

産後の腰痛の対処法 整骨院で受けられる施術をご紹介

編集部編集部

産後の腰痛は、いつ治るのでしょうか?

石川 皓太先生石川先生

産後、体力が回復して体調が良くなってきたら、多少は腰痛が改善されるかもしれません。しかし、筋力が低下している状態が続く限り、腰痛は持続します。さらに、出産による骨盤の歪みをそのままにしておくと、ますます腰痛もひどくなってしまいますし、何もせずに放置すると腰痛が慢性化する恐れもあります。

編集部編集部

「帝王切開の場合、赤ちゃんが産道を通らないから骨盤が緩まない」と聞きましたが、帝王切開でも腰痛は起きるのですか?

石川 皓太先生石川先生

自然分娩と比べて帝王切開の方が体に対する負担が大きく、筋力の低下も激しいとされています。そのため、産後に腰痛や肩こりなどの体調不良に悩まされることも少なくありません。あくまでも当院の場合ですが、帝王切開を経験された女性の方が体調不良や腰痛などで悩んでいるケースが多い印象です。

編集部編集部

整骨院では、どのような施術が受けられるのですか?

石川 皓太先生石川先生

まずは骨盤の位置を正しく整えるための「骨盤矯正」をおこないます。骨盤や背骨は、家で例えると土台です。土台が正しい位置に戻ると体全体がバランスの取れた状態になり、腰や肩、首などの不調を改善することができます。そのため、まずは骨盤矯正が基本となります。

編集部編集部

そのほかには、どのような方法がありますか?

石川 皓太先生石川先生

整骨院によっても異なりますが、筋力の柔軟性を取り戻す治療のために、手技を使った施術をおこなうこともあります。また、運動療法で適切な筋力を養ったり、EMSによる筋力トレーニングをしたりする場合もあります。

編集部編集部

様々な対処法があるのですね。

石川 皓太先生石川先生

はい。そのほかにも、凝り固まった筋肉を指圧によってほぐしたり、腸マッサージなどで体内環境を整えたりと、患者さん一人ひとりに合わせた方法を選択します。

産後の腰痛にならないための予防法・セルフケア

産後の腰痛にならないための予防法・セルフケア

編集部編集部

産後、腰痛にならないための予防法についても教えてください。

石川 皓太先生石川先生

まずは「ストレッチ」が大切です。骨盤の歪みを改善するストレッチや腰痛改善のストレッチなどを習慣的におこなうのがいいでしょう。その際、正しいやり方を整骨院などで指導してもらうことをおすすめします。

編集部編集部

そのほかに心がけることはありますか?

石川 皓太先生石川先生

「腸内環境を整えること」も重要です。そのためには水分をしっかり摂るようにしましょう。成人の体の55~60%は水分でできています。水分の摂取が少ないと、腸内環境も悪くなって代謝は落ちてしまいますし、体内を循環する血流も悪くなって結果的に筋肉も硬くなってしまいます。

編集部編集部

なるほど。水分をしっかり摂ることが大事なのですね。

石川 皓太先生石川先生

はい。それから、整骨院などに通院して骨盤の歪みが整ったら、天然のコルセットと呼ばれる「腹横筋」を鍛えるトレーニングをおこないましょう。ただし、骨盤の歪みが取れてからでないと、かえって腰の痛みが悪化することもあるのでその点は注意が必要です。

編集部編集部

ほかに、日常生活で気をつけることはありますか?

石川 皓太先生石川先生

普段の姿勢にも気をつけましょう。足を組んだ姿勢は腰に悪いとされており、ますます骨盤が歪んで腰痛が悪化してしまいます。また、あぐらや正座、横座りなども骨盤を歪ませる原因になるので、できるだけ椅子に座る生活を心がけましょう。加えて、就寝時の姿勢を変えるだけでも、骨盤が整いやすくなることがあります。まずは仰向けで寝て、立膝になります。その後、左右のどちらかに膝を倒してみて、楽に倒せる方に体を向けると骨盤が整い、腰痛などの症状が改善できるかもしれません。ぜひ、試してみてください。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

石川 皓太先生石川先生

よく、患者さんに「産後の骨盤矯正は産後、何カ月くらいからやった方がいいですか?」と尋ねられるのですが、「だいたい2カ月以降に始めるのがおすすめです」とお答えしています。産後1カ月未満だと、まだ骨盤が緩みやすい状態になっていて、骨盤矯正で歪みが取れてもまた歪んでしまうことも少なくありません。そのため、産後2カ月後くらいから始めるのを推奨しています。また、自覚症状がないとしても、産後はできるだけ骨盤矯正をおこなうのがおすすめです。なかには半年後や1年後、2年後に重症化するケースもあるため、できれば産後2カ月~1年以内に骨盤矯正を始めるようにしましょう。

編集部まとめ

産後、本調子に戻らないうちはまだ骨盤矯正のことを考える余裕はないかもしれません。しかし、腰痛や肩こり、尿漏れなど不調を解決するためには、整骨院での骨盤矯正は大いに役立ちます。産後2カ月を目処に、体調が上向きになってきたなと思ったらぜひ、整骨院で相談してみてはいかがでしょうか。

医院情報

ひばりヶ丘HARU(はる)整骨院

ひばりヶ丘HARU(はる)整骨院
所在地 〒202-0002 東京都西東京市 ひばりヶ丘北3-7-12 第二山一ビル102
アクセス 西武鉄道池袋線「ひばりヶ丘駅」 徒歩4分
診療科目 整骨院

この記事の監修柔道整復師