「美顔鍼」を受けるとどんな効果を得られるの？ 施術期間や通う頻度はどれくらい必要？

羽瀧先生

はい、あります。私が美顔鍼を受けに来られた患者さんにお話しするとき、主に3つの効果を説明しています。それは、「鍼を受けてすぐに感じる直後効果」「中長期の効果」「体全体への効果」です。すぐに効果が望めることとしては、「リンパや血色の改善」と「筋肉へのアプローチ」が挙げられます。「リンパや血色の改善」の理由は、鍼を打つことによって、滞っていたリンパの流れや血行が促進されるからです。

羽瀧先生

「筋肉へのアプローチ」の具体例としては、食いしばりや顎関節症などの「筋肉が凝り固まった状態」を解きほぐすことですね。なお、当院では筋パルスという鍼に微弱な電気を流す治療もおこなっています。（※顔面神経麻痺の既往歴のある方は担当鍼灸師に必ずご相談ください）

羽瀧先生

もちろんです。筋肉へのアプローチで鍼が得意としているのは、凝ったり緩んだりした筋肉をニュートラルな状態へ戻すことが挙げられます。ですので、筋肉が力なく緩み過ぎている結果として「たるみ」が出ているのであれば、ハリを伴った状態へ戻していきます。一方、加齢による「たるみ」の場合、若い人に比べると鍼による改善効果が低く感じたり、時間を要したりする場合もあります。

羽瀧先生

「リンパや血色の改善」や「筋肉の凝り」が目的であれば、そうなります。必ずしも定期的に通院するのではなく、随時「やろうかな」と思ったときに受けていただくようなイメージですね。ただし、美顔鍼には施術してすぐに感じることができない効果もあります。それが、冒頭に説明させていただいた「中長期の効果」です。

羽瀧先生

「細胞の再生効果」です。鍼を打つことによって得られる大きなポイントは、コラーゲンやエラスチンなどを生成する「線維芽細胞」へのアプローチです。線維芽細胞の数は、年をとるにつれて減少していきます。そこで、鍼によって与えられた微少な傷の修復過程において、線維芽細胞の分裂を促して活性を狙うという仕組みです。その機序により肌質の改善が見込めます。

羽瀧先生

具体的には、「自律神経の乱れを整える効果」です。自律神経とは、内臓機能や代謝などを無意識下でコントロールしているシステムです。体を活発にする「交感神経」と、休息させる「副交感神経」がバランスを取りながら私たちの体は維持されています。

羽瀧先生

眠れない、頭が重い、イライラするなどの、いわゆる「不定愁訴（ふていしゅうそ）」の原因になり得ます。実際、自律神経の乱れが様々な病気や不調に関わっていることは、医学的にも証明されています。また、鍼を打つと副交感神経が優位になって、眠くなったり、軽いだるさを感じたりすることがあります。もちろん交感神経系にも作用があり、鍼により各ポジションが整います。そして、お伝えしたい重要なこととして、自律神経反射を効果的に促す身体のポイントは「背骨のきわ」「仙骨と呼ばれるお尻の上部」そして「顔」です。

羽瀧先生

はい。例えば、自律神経の乱れによって集中力の低下、肩こり、イライラなどが起きているとしたら、顔への施術で自律神経系の反射が起こり、不調が軽減されることもあります。ただし、どちらかと言えば「中長期の効果」なので、施術直後に必ず効果が実感できるというわけではありません。ですので、もちろん定期的な通院がおすすめではありますが、目的に応じて期間や回数は決めていくのがベストだと思います。なお、当院では「まずは一度美顔鍼を受けてみて、週に1回、まずは3回ほどお越しいただくのはいかがですか？」とアドバイスさせていただいております。

羽瀧先生

美顔鍼という施術の効果で注目すべきは、最後に説明した自律神経反射だと考えます。美顔鍼は字面的に「顔への施術」なのですが、結果として全身の調子を整える効果があります。直後効果としての「リンパや血色の改善」と「筋緊張のニュートラル化」、中長期でみたときの「細胞の再生効果」、そして「自律神経反射」。美顔鍼は、“一石三鳥”が期待できる施術なので、気になった人はぜひ一度お近くの鍼灸院で試してみてください。