ボディバランスを整える! スパイラルテーピング療法とは?

安保先生

スパイラルとは「らせん」のこと。つまり、格子状のテープを使ってらせん状に刺激を与えることで、体全体のバランスを整えたり、痛みを軽減したりする施術法のことを「スパイラルテーピング療法」といいます。

安保先生

なぜなら、人体の筋肉は互いに関連しながらバランスを取っており、バランスを取っているポイントを線でつないでみると、らせん状になっているからです。健康の状態ではきれいならせんを描きますが、このラインがくずれると筋肉のバランスもくずれ、痛みや不調を引き起こします。そのため、格子状のテープをらせん状に貼ることで、筋肉のバランスを正しい位置に導くのです。

安保先生

テーピングというと、スポーツ選手がケガをしたとき、関節や筋肉を保護したり固定したりするために、ぐるぐる巻きにするイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、スパイラルテーピング療法は、これと異なります。なぜなら、スパイラルテーピング療法の目的は、「患部を固定して安静にする」ことではなく、「ボディバランスを調整したり、痛みや違和感を軽減したりする」ことだからです。つまりスパイラルテーピング療法は、患部を動かさないのではなく、使いながら治すというところに、通常のテーピングと異なる特徴があります。スパイラルテーピングを貼れば、動かしながらでも腫れは引いていきます。

安保先生

小さな格子状で、非伸縮性のテープを使います。これをピンポイントで部位に貼ってボディバランスを整えていきます。

安保先生

そもそもスパイラルテーピング療法は、東洋医学のツボ刺激に基づいており、そこに独自の発想が加えられています。東洋医学のツボ刺激も、身体中にあるツボをピンポイントで刺激して、脳へ信号を送りますが、スパイラルテーピング療法も患部にテープを貼ることで皮膚感覚器を通して脳へ信号を送り、筋の緊張を緩和させて、体を良い状態へ誘導していきます。

安保先生

そうです。スパイラルテーピング療法の理論はとても独特で、たとえば、右肩が痛い人には、左膝にテープを貼ることもあります。また、足首の痛みが取れない場合、首に原因があることもあります。すべての筋肉は連動して動いていますから、このように関連性を見つけることで、ボディバランスを整えていくのです。

安保先生

正確にいうと、スパイラルテーピング療法は痛みを感じているところに、ピンポイントでテーピングをするわけではありません。人間には、痛みを脳に伝えたり遮断したりする門（ゲート）があり、「ゲートを開いて痛みを伝えるのが痛覚神経からの刺激であり、ゲートを閉じて痛みを伝えないようにするのがそのほかの感覚神経からの刺激である」という考えがあります。これを「ゲートコントロールセオリー」といいます。ゲートを閉じる感覚神経は、特に触圧覚の刺激に反応するため、その神経の通り道にテーピングをし、ゲートを閉じて痛みを伝えないようにするのです。

安保先生

スパイラルテーピング療法の特徴は、科学と東洋医学を掛け合わせているということです。施術を行う前に、まず科学的検査や東洋医学的検査を行って処置法を決定します。これは専用の機械を使って行うため、どの施術者でも一定レベルの施術を行えるというメリットがあります。

安保先生

首、肩、背中、腕、手、腰、股関節、足、膝、足首など、身体のあらゆる部位の痛みに対応します。実際、世界レベルで活躍するトップアスリートも、スパイラルテーピング療法を受けている人が少なくありません。テーピングをすることで関節や筋肉の痛みや腫れがおさまり、体全体のバランスがすみやかに整うだけでなく、自然治癒力が高まるという効果も期待できます。

安保先生

はい、どちらにも効果が期待できます。特に、何年も痛みが続いているという慢性の場合は、効果に気づきやすいと思います。

安保先生

スパイラルテーピング協会本部は大阪にあり、現在全国に約550名の会員がいます。会員の多くが医師、柔道整復師、鍼灸師などで、独自に施術を行っています。治療院の場所については、スパイラルテーピング協会にお問い合わせください。

安保先生

まれに、テープでかぶれる人がいますが、その場合は運動療法などで施術を行います。また、投薬と違って副作用はありません。そのため、妊婦さんやお子さんでも安心して施術を受けていただけます。

安保先生

テープを外しても痛みや違和感を感じなくなったら、テープをはずしても大丈夫です。ただ、暑い時期などは半日程度でかゆくなることがありますから、その場合はテープをはずしてください。テープをはずしても、脳は良い状態の刺激をきちんと記憶していますから、テープをはずした途端、効果がなくなるわけではありません。

安保先生

いいえ、基本的にマッサージとの併用はできません。なぜなら人間の筋肉はミルフィーユのように層になっていて、マッサージは上層しかアプローチできないからです。マッサージをすると、上層の筋肉に血液が集まってくるため、気持ちがよく、なんとなく症状がおさまったような気がしますが、結局、深部の筋肉にはアプローチできていないので、しばらくするともみ返しが出たり、痛みが発生したりすることもあります。そのため、スパイラルテーピング療法を行うときは、マッサージと併用しないことを推奨しています。

安保先生

痛みや違和感は、筋肉のバランスの崩れから生じることが多いため、「どんな治療をしても痛みが取れない」という場合は、スパイラルテーピング療法を試してみてください。特に、慢性の腰痛や膝痛などで悩んでいる人は、効果を実感しやすいと思います。健康保険が適用になることが多いため、ぜひ、お気軽にご相談ください。