あなたの腰痛は、姿勢の悪さが原因かも。柔道整復師が教える姿勢矯正法
日々の姿勢の悪さが腰痛を引き起こす。「shinjukuの鍼灸整骨院」の柔道整復師、鈴木謙士先生によると、このタイプの人は、その影響が直立姿勢に出ていると言う。頭、肩、腰、膝、くるぶしなどを結んだラインが、前後あるいは左右に傾いているとのこと。姿勢からくる腰痛について、詳しい話をうかがった。
監修柔道整復師:
鈴木 謙士(shinjukuの鍼灸整骨院 院長)
1987年2月生まれ 神奈川県出身、神奈川柔道整復専門学校卒業。専門学校在学時より、整骨院に勤務。高校時代にテニス部に所属し、チームメイトの怪我に対して何か出来ないかとテーピングに興味を持ち、この道を目指す。
気付かないうちにやっている「あるあるポーズ」2例
編集部
腰を痛める姿勢って、あるのでしょうか?
鈴木先生
駅のホームなどで良くみかけるのが、足をクロスさせて立っているポーズです。女性に顕著なようですが、あれは良くないですね。ひざの間が空いてしまうO脚だから、見栄えを気にしているのでしょうか。
編集部
どうして“良くない”のでしょう?
鈴木先生
おそらく「反り腰」になっているのだと思います。反り腰は、重心の位置が変わり内股になります。かかと側を広げて安定させようとします。ところが、その状態に慣れると、今度は左右前方の安定性が取れない。そこで、足をクロスさせて「逆ハの字」を作っているのでしょう。あのポーズを続けていると、ますます反り腰が進みかねません。
編集部
ほかにも、腰痛に悪い姿勢があったらお願いします
鈴木先生
例えば、ちょこんと座り。椅子に浅く腰掛けている姿勢ですが、これも反り腰を悪化させかねません。椅子の形は、メーカーが研究を積み重ねた末の機能です。効率よく楽にしてくれるデザインなのに、腰が反っている女性は、ちょこんと座る。やはり良い姿勢とはいえませんね。
編集部
どのように座るといいのですか?
鈴木先生
まず、椅子の奥まで深く腰を入れます。その状態で、使いやすいように椅子の前後・上下、机の高さ、モニターの傾きなどを調整してください。ほかの姿勢についても、気軽にご相談いただければ、「どうして腰に悪いのか」という理由も含めてご説明します。
姿勢の悪さは鏡に映る
編集部
姿勢の悪い人を見わける方法はあるのでしょうか?
鈴木先生
直立姿勢を写真に撮ってみると歴然です。本来、体の中心軸は直線であるはずなのに、ズレの生じている方がいます。このタイプは、姿勢の悪さを疑ってかかるべきでしょう。例えば、猫背の顕著な方なら、頭の部分が大きく前方へ傾いています。
編集部
自覚のある方は多いのですか?
鈴木先生
多くいると思います。実際姿勢が悪いと自ら言う方が多く来院されます。おそらく、ご家族やご友人から指摘を受けたのではないでしょうか。情報化社会が進んでいますから、みなさん、姿勢と体調の関係はご存じです。肩こりや腰痛といった特段の主訴は伴わず、姿勢だけを治したいという方もいらっしゃいます。
編集部
具体的な改善方法について教えてください
鈴木先生
当院では、「ドロップベッド(トムソンベッド)」や「アクチベーター」という専門の機器で行う矯正施術をおこないます。軽い物理的な刺激を何回も繰り返すことで、体のゆがみを戻していきます。足を組んでグイグイ押しつけるようないわゆる“ボキボキ矯正”はおこなっていません。適切な加減で必要最低限の刺激の方が体にも優しいからです。
編集部
姿勢を改めるアドバイスについてもお願いします
鈴木先生
まずはご自身の姿勢を知ることからはじめてください。どのような癖をお持ちなのかは、生活習慣を把握の上、正常と逸脱している原因を理解しましょう。実はご自身で心当たりのある方も多いので、カウンセリングの際みなさんから話していただける場面も多々あります。そこからは意識改革と具体的な施術が必要となります。姿勢が改まるまでの間は、必要に応じてコルセットなどを着用し、腰痛の緩和に努めます。
編集部まとめ
「こうしていると楽だから」「このポーズをしていると集中できる」といったクセを続けていると、そのツケが、腰痛のような思わぬ症状に結び付いてしまうかもしれません。冒頭の「あるあるポーズ」に心当たりのある方は、この機に見直してみましょう。また、鏡の前で体のバランスをチェックしてみることもお勧めします。
医院情報
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