【NEWS】 2018年度の医療費、過去最高の42.6兆円(医師コメント3件)

厚生労働省は9月26日、2018年度における医療費の速報値を発表した。総額は42.6兆円(前年度比+0.99%)で、2年連続の伸びを受け、過去最高額となった。

医療費を診療種類別で見てみると、最も多いのは40.6%の入院(前年比+0.33%)で、以下、入院外34.2%(+0.15%)、調剤17.6%(▲0.64%)、歯科7.0%(+0.17%)、訪問看護療養0.6%(+0.09%)と続く。調剤の割合が減少したのは、薬価そのものを下げる政策やジェネリック医薬品の普及によるものと考えられる。しかし、全体の20%に満たない薬剤費の削減だけでは、全体の伸びに歯止めがかからない形となった。

一方、1人あたりの医療費を医療保険適用区分で分けてみると、75歳未満は22.2万円(+0.5%)であるのに対し、75歳以上はその4倍を超える93.9万円(▲0.3%)[増減比は「表2-1 1人当たり医療費の推移」の実数から換算]。後期高齢者の高額化傾向は依然として続くものの、昨年比にすると減少が起きている。
また、「主たる診療科別 医科診療所 医療費」で際立っていたのが眼科の推移だ。外科(▲4.6%)、小児科(▲1.1%)、産婦人科(▲0.6%)、内科(▲0.2%)に比べ、眼科の伸び率は+2.8%と、整形外科(+0.5%)や皮膚科(+0.4%)を大きく上回った。

※厚生労働省/「平成30年度 医療費の動向」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06931.html

医師のコメント

 

  • 武井 智昭(内科医・小児科医)

国民医療費は、健康診断を受診を促していても増加しているために、生活習慣病ではもっと保健介入を進めるべきかと思います。同時に、がんの新薬が相次いで発売されていますが、こちらも医療費高騰の原因となっているように思います。

 

  • 山﨑 ゆか(麻酔科医)
    中部産婦人科

医療費がどんどん増えているのを放置しているように見えます。予防医学にもっと力を入れるべきだと思います。ジェネリック医薬品の使用を推奨することで調剤費が減るのはよいことだし、意外に産科の報酬が増えているのは、驚きです。高齢者がもっと健康でいられるよう病院に行く前にできることをすすめてほしいと思っています。

  • 山口 征大(内科医)

同じ検査や治療についての診療報酬が年度が変わっても不変であれば、高齢化とともに医療費が増大することは自然です。そういった背景の中で、医療費を削減するためには、高齢化は避けられませんから、打ち手としては、診療報酬を下げることや、そもそも医療費が発生しないための予防医療の普及などがあげられます。