【NEWS】 インフル新薬「ゾフルーザ」学会が慎重投与提言 現場医師の声は(医師コメント4件)

2018年に承認され、昨年度最も多く処方された「ゾフルーザ」。この抗インフルエンザ薬について、日本感染症学会は10月、「12歳未満の子どもへの投与は慎重に行うべきだ」と注意を促した。

ゾフルーザは従来のタミフル(1日2回、5日間服用)などとは異なり、1回の服用で治療効果のある「夢の新薬」として注目を集め、昨シーズンはトップシェアとなる約550万人分が出荷されたが、1月以降、耐性変異をもつウイルスが相次いで発見されていた。国立感染研究所がおこなった調査では、12歳未満の患者で23.3%、成人の患者で9.7%から耐性ウイルスが確認されている。

現時点では、重度のインフルエンザ患者や免疫力の低下している患者については、ゾフルーザの単独使用は推奨しないとされているが、その他使用については言及されていない。この提言を受けて、今シーズンのゾフルーザ使用について、現場で抗インフルエンザ薬を処方する医師からコメントを頂戴した。

医師のコメント

 

  • 眞鍋 憲正(救急医・整形外科医・スポーツ医学医)

今シーズンのゾフルーザ処方は患者さんからの強い希望がない限りあまり処方しないと考えています。理由はひとつは記事にあるような耐性ウイルスの問題であり、もともとゾフルーザ以外の抗ウイルス薬でも安易な処方は控えているからです。もうひとつは、新薬はどうしても処方承認をうけてひろく使用開始されてからわかる副作用があるからです。まだデータの蓄積が少ないため、データがたまって副作用などが問題が大きくないことを確認できるまでは、しばらくの間なるべく使用を控えたいと思っています。

 

  • 松浦 恵(小児科医)
    東京医科歯科大学

ゾフルーザはその新規性と利便性から昨年度は患者さん側からの処方希望も多く、治験時から問題となっていた耐性ウイルス出現のリスクや安全性などの面に対する説明が難しかったと感じています。当初より効果および医療費の観点からも原則ファーストチョイスとはならない薬と考えおり、今年度もその方針は変更しない予定です。単回投与が可能という点はコンプライアンスの改善にはつながると考えられますので、処方を希望される成人に関しては、症状の回復が既存薬より早いともされていますが、感染性の抑制や耐性ウイルスの影響、重症症例での効果はまだ不確かである点をよく説明した上で症例を限定して処方を行おうと考えています。

  • 山﨑 ゆか(麻酔科医)
    中部産婦人科

ゾフルーザ、タミフル、リレンザと色々抗インフルエンザ薬もありますが、まだエビデンスもないので、妊婦には、ゾフルーザは使えないと思っています。 まずはやはり予防が大事です。インフルエンザにかかると赤ちゃんに発育障害のリスクもあるという報告もあり、予防接種を妊婦さんも、その家族もしっかりしてほしいですね。

  • 山口 征大(内科医)

耐性菌と抗菌薬の関係と同様で、耐性ウイルスと抗ウイルス薬についても問題となっております。勤務しているクリニックは基本的に院内処方としており、ゾフルーザが採用されていないため、処方することはありませんが、今後も、現場の医師は常に最新の情報を取り入れ治療をしていかなければなりません。