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高齢者の寝室は「24℃」が分かれ道! 夜間の心拍変動を守る睡眠環境を医師が解説

 公開日:2026/03/31
高齢者の寝室なぜ24℃が良いのか

グリフィス大学の研究グループは、夏季の夜間の室温上昇が高齢者の心拍変動を低下させ、自律神経の回復を妨げる可能性があるとの研究結果を発表しました。特に室温が24℃を超えると生理的ストレスが高まる傾向が示されており、気候変動が進む現代において適切な室温管理は急務と言えます。今回、この研究の詳細や睡眠の質を高めるための具体的な対策や高齢者の健康を守るための視点について、五藤先生に詳しく解説していただきました。

※2026年3月取材。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。

24℃が境界線?研究が明かす「暑い夜」が高齢者の体に与える影響

編集部

グリフィス大学の研究員らが発表した内容を教えてください。

五藤 良将先生五藤先生

グリフィス大学の研究員らによって、オーストラリアのクイーンズランド州南東部に住む65歳以上の高齢者47人を対象に、2024年12月から2025年3月の夏季に、夜間の寝室温度が心拍数や心拍変動に与える影響を調べた観察研究が報告されました。

参加者は就寝中にウェアラブルデバイスを装着し、午後9時から午前7時までの心拍数や心拍変動を測定するとともに、寝室内の温度も継続的に記録しました。

解析の結果、寝室温度が24℃未満の夜に比べ、24℃を超えると心拍変動の低下が起こる可能性が高まり、温度が高いほどその傾向は強くなりました。さらに、交感神経と副交感神経のバランス悪化を示す変化や、心拍数の上昇も確認されました。

これらの結果から、暑い夜は高齢者の自律神経機能の回復を妨げ、生理的ストレスを高める可能性が示されました。研究グループは、気候変動で暑い夜が増えるなか、脆弱な高齢者を守るためには、夜間の室内温度に関する目安づくりが重要だとしています。

今日からできる!自律神経を整え、睡眠の質を高める習慣

編集部

今回の研究テーマに関連する、睡眠の質を高める方法について教えてください。

五藤 良将先生五藤先生

睡眠の質を高めるには、適切な睡眠時間を確保するだけでなく、眠りやすい環境や生活習慣を整えることが大切です。寝室が明るすぎたり、暑すぎたり寒すぎたりすると眠りが浅くなりやすいため、快適な寝室環境を意識しましょう。夜は入浴のタイミングや、就寝前のスマートフォン・タブレットの使用にも注意が必要です。

また、朝食をとって生活リズムを整え、日中に適度に体を動かし、寝る直前まで仕事や勉強を続けないことも睡眠の質の改善につながります。さらに、カフェインやアルコール、喫煙などの生活習慣を見直すことも重要です。

こうした工夫をしても眠れない、夜中に何度も起きる、日中に強い眠気がある場合は睡眠障害の可能性もあるため、早めに受診を検討し、良い睡眠を目指して生活を整えていきましょう。

医師が説く「室温管理」の重要性とは

編集部

グリフィス大学の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。

五藤 良将先生五藤先生

今回の研究は、夜間の寝室温度という身近な環境要因が高齢者の自律神経機能に影響することを、客観的なデータで示した点で意義深いと感じます。
特に「24℃」という具体的な閾値が示されたことは、エアコンの使用をためらいがちな高齢者への保健指導にも活用しやすく、臨床的にも有用な知見だと思います。
47人を対象とした観察研究という規模的な限界はありますが、熱帯夜が増加する気候変動の時代において、夜間の室温管理が高齢者の心臓や自律神経を守る重要な要素になりうるという視点は、広く共有されるべきだと考えます。熱中症対策にもよい内容だと思います。

編集部まとめ

今回の研究では、暑い夜の寝室環境が高齢者の心拍数や自律神経に影響し、体が十分に休まりにくくなる可能性が示されました。良い睡眠のためには、睡眠時間だけでなく、室温や光、生活リズム、嗜好品のとり方まで含めた見直しが大切です。まずは寝室の暑さ対策や就寝前の過ごし方を整え、毎日の生活の中で睡眠の質を守る工夫をしていきましょう。

この記事の監修医師