「脳卒中」はピーナッツでリスク低下、研究で判明 脳疾患を防ぐ“食べ物”も医師が解説

大阪大学の研究員らは、ピーナッツの摂取と心血管疾患、特に脳卒中や虚血性心疾患の関係についての調査をおこないました。その結果、ピーナッツを多く摂取する人は、特に虚血性脳卒中のリスクが低いことが明らかになりました。この研究結果について田頭医師にお話を伺いました。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)
研究グループが発表した内容とは?
大阪大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
田頭先生
日本人を対象とした大規模前向きコホート研究「JPHC研究」により、ピーナッツの摂取が脳卒中、特に虚血性脳卒中のリスク低下と関連することが明らかになりました。研究では、45〜74歳の男女7万4793人を対象に、中央値14. 8年にわたり追跡調査がおこなわれました。
研究の結果、ピーナッツ摂取量が多い人ほど、全脳卒中、虚血性脳卒中、心血管疾患の発症リスクが有意に低い傾向が認められました。特に、ピーナッツ摂取量の最も多い層は、最も少ない層と比べて虚血性脳卒中のリスクが約20%低いという結果が得られました。一方で、出血性脳卒中および虚血性心疾患との関連性は確認されませんでした。ピーナッツに含まれる不飽和脂肪酸などの栄養成分が血圧や脂質の改善、炎症抑制に寄与している可能性があると考えられています。
本研究の結果は、日本人のようにナッツ類の摂取量が比較的少ない集団においても、ピーナッツが脳卒中予防に役立つ可能性を示しています。
脳疾患を予防する可能性がある食べ物とは?
脳疾患を予防する可能性がある食べ物を教えてください。
田頭先生
脳疾患を予防する可能性がある食べ物には、青魚、野菜、果物、海藻、大豆などが挙げられます。鯖や鰯などの青魚に含まれるDHAやEPAは、血栓の予防やLDLコレステロールの低下に効果があり、動脈硬化を防ぐ働きがあります。緑黄色野菜に含まれるビタミンCやβ-カロテンは抗酸化作用により血管の健康を守ります。海藻に含まれる水溶性食物繊維やカリウムは、血圧を下げる効果もあります。果物のポリフェノールにも抗酸化作用があり、血管の老化を防ぎます。大豆のマグネシウムは血液の凝固を防ぎます。こうした食品を日々の食事に上手に取り入れ、脳疾患を予防していきましょう。
研究内容への受け止めは?
大阪大学の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。
田頭先生
ピーナッツの脳卒中予防への有用性を示す興味深い研究結果ですが、こうした食事調査の結果を解釈する際には、食事調査の限界についても頭の隅に置いておく必要があると考えます。というのも、疾患や血液検査のデータなどの情報と比べて、食事についての情報はその正確性や客観性を担保するのが難しいのです。今回の研究でも食事内容を知るのにアンケートが用いられていますが、自分が食事のアンケートに答える際にどれだけ正確に答えられるかを想像するだけでもその難しさをわかってもらえるのではないかと思います。また、調査期間が長くなれば、対象集団の食事内容自体も変化していきます。そうなると、仮に脳卒中を予防する効果が出たとしても、その効果が本当にピーナッツの摂取によるものであるのかどうかの信頼性が揺らいできてしまうのです。
とはいえ、理論上は十分に脳卒中予防に寄与し得る食品であるので、一定の参考にはしていいと思います。しかし、過信は禁物です。ピーナッツを食べ過ぎることで、体重増加や脂質過剰摂取による軟便・下痢などのトラブルが出現し得ることにも留意する必要があります。何事もほどほどがいいのだと思います。
編集部まとめ
大阪大学の研究から、ピーナッツを日常的に摂取することで、特に虚血性脳卒中のリスクを下げられる可能性が示されました。ピーナッツに含まれる良質な脂肪分が血液や血管の健康に働きかけていると考えられています。青魚や野菜、果物などとあわせて、ピーナッツもうまく食生活に取り入れて、無理なく脳疾患予防に取り組みましょう。






