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新型コロナワクチン「過去に副反応が非常に強く出た人は今後の接種慎重に」日本医師会呼びかけ

 更新日:2023/08/22
日本医師会 ワクチン有効性強調も副反応出た人に慎重な接種検討呼びかけ

日本医師会の釜萢(かまやち)常任理事は2023年8月2日の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンについて「効果に対する信頼性は揺るぎないものがある」として有効性を強調しました。その一方、過去に副反応が非常に強く出た人については、接種を慎重に検討するよう呼びかけました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

新型コロナウイルスワクチン巡る日本医師会の見解は?

新型コロナウイルスワクチンを巡り、日本医師会の釜萢常任理事が2023年8月2日の記者会見で話した内容を教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

日本医師会の釜萢常任理事は2023年8月2日に開かれた記者会見で、新型コロナウイルスの感染状況について言及しました。釜萢常任理事は「全体として上がっているところが多く、今後の感染拡大には引き続き注意が必要だ。やはり夏の時期に感染拡大がみられたという経験があるので、注意していかなければならない」と述べ、基本的な感染対策を呼びかけています。

新型コロナウイルスワクチンについては、「全ての年齢に対して有効性は直近のエビデンスでもしっかり積み上がってきている。効果に対する信頼性は揺るぎないものがある」と有効性について強調しました。ただ、その一方で「過去の接種で副反応が非常に強く出た人については、その経緯も踏まえワクチンを接種するかどうか慎重に選択していただきたい」と話しています。

釜萢常任理事は2023年7月26日に開かれた会見で、予防接種法に基づいた健康被害の救済制度を巡り「ワクチン接種後に体調を崩した人への対応が非常に重要だ。審査が遅れているのではないかという指摘もあり、医師会としても力を尽くしたい」と述べています。

23年度のワクチン接種の方針は?

23年度のワクチン接種の方針について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

これまで新型コロナウイルスは感染症法上の2類相当として取り扱われていましたが、5月から感染症法上の分類が5類に切り替わりました。このことで、感染対策は個人の判断に委ねられることになりましたが、ワクチン接種については無料で打てる予防接種法上の臨時接種に位置付けられています。23年度については5月には高齢者や医療従事者など対象を限定してすでに実施しています。

一般の人に対するワクチン接種は年末年始の感染拡大に備えて、9~12月に1回の接種を予定しています。これまで新型コロナウイルスのワクチンを一度も打ったことがない11歳以下の子どもや、オミクロン株対応ワクチン未接種の12歳以上の人も打つことができます。詳しいスケジュールなどについては、今後の動向を踏まえて決定される方針です。

日本医師会の会見への受け止めは?

ワクチンの有効性を強調しつつ、過去に副反応が非常に強く出た人については、接種を慎重に検討するように呼びかけた日本医師会の会見への受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

ワクチン接種には、アナフィラキシーショックや心筋炎・心膜炎などの一定の割合で避けられない重篤な副反応が存在します。ワクチン接種の目的は本来重症化予防にあります。そのため、重症化リスクの比較的低い人や前回ワクチン接種で副反応が強く出た人にはワクチン接種の勧奨を適用しないことを確認した今回の日本医師会の判断は妥当であると考えます。

まとめ

日本医師会の釜萢常任理事が2023年8月2日の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンについて「効果に対する信頼性は揺るぎないものがある」として有効性を強調しました。その一方、過去に副反応が非常に強く出た人については、接種を慎重に検討するよう呼びかけたことが今回のニュースでわかりました。新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にある中で、接種について考える際に過去の副反応については慎重に考えた方が良さそうです。

この記事の監修医師