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【東京都が発表】新型コロナ後遺症相談窓口の利用者、若年者が3割超

 更新日:2023/03/27

新型コロナウイルスの後遺症相談窓口への相談者のうち、3割以上を20~30代の相談者が占めていることが判明しました。今回の発表の詳細と、新型コロナウイルスの後遺症における年齢と症状について中島先生に詳しくお伺いします。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

今回の発表の詳細は?

東京都が開設した新型コロナウイルスの後遺症相談窓口への相談者のうち、比較的若い世代が3割以上を占めた件について、詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

新型コロナウイルスの後遺症相談窓口への相談者のうち、3割以上が20~30代であったのは、20~30代の感染者が増加しているためだと考えられます。

東京都は3月下旬以降に、都立・公社病院に相談窓口を開設し、4月末までの216人分の相談内容を分析しました。相談者の割合は40代の47人(22%)が最多ですが、20代の38人(18%)と30代の33人(15%)を合算すると、40代の割合を上回ります。

年齢別の後遺症の現れやすさを予測するにはデータが不足していますが、若いからといって後遺症が現れないわけではないことは確かです。

新型コロナの後遺症の種類と割合は?

新型コロナに罹患(りかん)すると、どのような後遺症が残る恐れがあるのか詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

今回の相談内容を分析すると、新型コロナの後遺症の主な症状は、嗅覚異常(39%)、味覚異常(29%)、倦怠感(28%)、呼吸困難感(18%)です。感染判明から相談日までの経過日数は、1か月未満が47人(22%)、1か月以上が143人(66%)うち4人が1年以上、未回答26人でした。

都の担当者は、後遺症が長引くケースもあることから、改めて感染対策を徹底するよう求めています。

厚生労働省が策定した「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き第4.1版」によると、新型コロナの後遺症は関節痛や胸痛、頭痛、食欲不振、めまい、筋肉痛、下痢など多岐にわたります。新型コロナに罹患し回復した後、これらの症状が現れた際には相談窓口の利用を検討してみてください。

まとめ

新型コロナの後遺症を相談した人のうち3割以上を20~30代が占めていたことがわかりました。若年者は高齢者と比べて重症化リスクが低いことがわかっていますが、後遺症の現れやすさについては詳しくはわかっていません。若いからといって油断することなく、改めて感染予防対策を徹底していきたいところです。

この記事の監修医師