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【コロナウイルスワクチン】「3回目接種で高齢者の重症化率と致死率が低減」と厚生労働省発表

 更新日:2023/03/27

厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンを3回接種した高齢者の重症化率と致死率が1~2回接種した人と比べて、ともに低減したとの分析結果を公表しました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

厚生労働省の発表内容とは?

今回、厚生労働省が発表した内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回のニュースは4月13日に厚生労働省が発表した内容で、ワクチンを1~2回接種したグループと3回接種したグループの重症化率と致死率を比較したものです。調査の対象は石川県と茨城県、広島県で1~2月に感染した12万人です。

この結果、60歳代の場合、1~2回接種したグループの重症化率は0.47%、致死率は0.22%でした。一方で3回接種したグループでは重症化率は0.31%、致死率も0.31%となりました。

70歳代では、1~2回接種では重症化率が1.94%で致死率は1.14%でしたが、3回目接種では重症化率は0.95%、致死率は0.63%になりました。

80歳代では1~2回接種で重症化率は3.67%、致死率は3.15%でしたが、3回目接種では重症化率は2.15%、致死率は1.79%となっています。

90歳以上になると、1~2回接種では重症化率は6.26%、致死率は5.95%ですが、3回接種では重症化率は0.97%、致死率は0.97%となりました。

発表内容の受け止めは?

厚生労働省がおこなった発表内容について、受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受けた高齢者は、重症化および死亡のリスクが低いことを示すデータを厚生労働省がまとめました。これらデータは日本でのコホート研究で大変興味深い有用なデータと考えられます。年齢が上がるほど(70歳、80歳、90歳)未接種および2回以下と、3回接種との間の重症化率と致死率の差が開いており、3回目のワクチン接種の効果を示しています。また、オミクロン株派生型「XE」の出現や、第6波が収まらないうちに第7波の兆候が出ている現状を鑑み、さらなる高齢者へのワクチン接種率の向上が望まれます。

3回目接種率の現状は?

3回目接種率の現状について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

4月11日に発表された内容によると、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種率が最も高かったのが80代で88.4%という結果になりました。70代が86%、65歳から69歳が77.8%と、なっています。一方、いわゆる現役世代では60歳から64歳が66.7%、50代が51.3%、40代が33.8%と年代が若くなるほど低下しています。30代では25.9%、20代は24%、12歳から19歳は5.4%となっています。

まとめ

厚生労働省が公表した新型コロナウイルスワクチンを3回接種した高齢者の重症化率と致死率が、1~2回接種した人と比べた分析結果で、70歳以上の人は3回目接種をした方が重症化率、致死率がともに低減することが明らかになりました。オミクロン株の流行下でも3回目接種の効果が改めて示された形です。

この記事の監修医師