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新型コロナウイルスワクチン3回目接種、3100万人対象に前倒しへ

 更新日:2023/03/27

岸田総理大臣は12月17日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、2回目の接種との間隔を原則8カ月から6カ月に短縮する対象を医療従事者などに拡大するとともに、一般の高齢者は来年2月以降に接種間隔を7カ月に短縮する方針を明らかにしました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

発表された3回目接種の間隔についての方針とは?

今回、岸田首相が発表した新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の間隔についての方針とは、どのような内容なのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

岸田首相が発表した内容の重要なポイントの1つに、ワクチン接種の前倒しということがあります。先日承認されたモデルナ社製ワクチンを活用することで、およそ3100万人を対象に接種の前倒しをおこなうことを表明しています。

そのうえで、医療従事者や重症化リスクの高い高齢者施設の入所者などについて、これまでの原則8カ月という接種間隔から2カ月前倒しして6か月に短縮するとしています。さらに来年2月以降、そのほかの一般の高齢者については、接種間隔を7カ月に短縮する方針にも言及しています。

接種間隔を短縮したことで期待できることは?

3回目のワクチン接種間隔が短縮したことで、どのようなことが期待できるのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

日本でも今後感染拡大の局面を迎える可能が高く、そうなった場合に接種の間隔を短縮して「感染拡大を防ぐ」という意味で受け入れられると思われます。

また、オミクロン株はスパイクタンパク質に多数の変異が存在し、免疫を逃れる力が従来の株を上回る可能性が指摘されています。そのため、ワクチンの効果が乏しくなったとしても、3回目のワクチン接種をすることで、ブースター効果により重症化を防ぐ効果は十分に期待できると考えられます。

自治体のワクチン確保状況は?

3回目接種の前倒しに伴う、自治体のワクチン確保についての状況はどうなっているのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

接種の前倒しによって必要になるワクチンについては、後藤厚生労働大臣が言及しています。それによると、「来月配送する予定のモデルナ社製のワクチン1700万回分に追加して、来年2月上旬に500万回分を配送する」方針とのことです。

さらに、2回目用接種のためにすでに配送したワクチンのうち、ファイザー社製が770万回分、モデルナ社製が120万回分地方自治体に在庫として残っているということで、これらも3回目の接種に活用するよう求めています。

まとめ

新型コロナワクチンの3回目接種について、2回目の接種との間隔を原則8カ月から6カ月に短縮する対象を医療従事者などに拡大するとともに、一般の高齢者は来年2月以降接種間隔を7か月に短縮する方針が今回明らかになりました。オミクロン株の感染拡大が懸念される中で、政府の対応に一層の注目が集まります。

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