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約4610万回分が廃棄 モデルナ製の従来株ワクチン、大量廃棄やむを得ず

 更新日:2024/03/08
モデルナ製従来株ワクチン使用終了 約4610万回分を廃棄

2月10日、モデルナ製の新型コロナウイルス従来株に対応したワクチンが有効期限を迎えたため、「供給を受けた約1億4300万回分のうち、約4610万回分を廃棄した」と厚生労働省が発表しました。このニュースについて甲斐沼医師に伺いました。


甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

今回のニュースの内容は?

今回、厚生労働省が発表した、モデルナ製の従来株対応ワクチンの使用終了について教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

厚生労働省は、新型コロナウイルスの従来株に対応したモデルナ製ワクチンが有効期限を迎えたため、供給を受けた約1億4300万回分のうち、約4610万回分を廃棄したと発表しました。また、厚生労働省によると、モデルナ製の従来型ワクチンの供給をめぐっては、2020年10月に契約が締結して以降、約9690万回分が国内に配送され、そのうち約7910万回分が使われており、各地に残っている約1780万回分のワクチンは順次、廃棄される見通しとのことです。なお、モデルナ製従来株対応ワクチンの使用は2月11日で終了しています。さらに厚生労働省は、武田薬品と供給契約を結んでいた約1億5000万回分の新型コロナウイルスワクチンについて、まだ供給されていない約1億4000万回分をキャンセルしたとも発表しています。

約4610万回分のワクチン廃棄への受け止めは?

今回、厚生労働省が発表した内容についての受け止めを教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

我が国では、モデルナ製の従来株対応ワクチンが約1億4300万回分供給されており、各都道府県の自治体などには約9690万回分配送され、2023年2月9日の時点で約7910万回分が接種されたと報告されています。感染流行期などにおいて、世界的にワクチン獲得の競争が激しい状況下で何とか日本政府としてワクチン量を確保してきた経緯があるので、今回の大量廃棄はやむを得ない部分があると国民が理解してくれることを願っています。なお、モデルナ製のオミクロン株対応の2価ワクチンに関しては、引き続き接種期限になるまでは接種できる見込みです。

今後のワクチン接種は?

今後のワクチン接種ついては、どのような頻度でおこなわれるのか教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

今後のワクチン接種のタイミングについては、2月8日に開かれた厚生労働省の専門部会で、次回の接種タイミングを「今年秋冬に実施すべきだ」とする接種方針案が了承されています。対象者は「全ての者に機会を確保することが望ましい」とされ、重症化リスクの高い高齢者や医療従事者らについては「(秋冬以外の)追加接種の必要性に留意する必要がある」とも指摘されました。5~11歳の3回目までの接種と生後6カ月~4歳の初回接種は、「接種開始の時期が遅かったことを考慮して、4月以降も随時打てるように現在の体制を維持すべきだ」とされました。11歳以下に接種可能なオミクロン株対応のワクチンがない現状については、早期対応を求められています。

まとめ

2月10日、モデルナ製の新型コロナウイルス従来株に対応したワクチンが有効期限を迎えたため、供給を受けた約1億4300万回分のうち約4610万回分を廃棄したと厚生労働省が発表したことが今回のニュースでわかりました。新型コロナウイルスのワクチンに関する情報は引き続きお伝えしていきます。

この記事の監修医師