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加熱式・紙タバコの併用で「新型コロナ感染リスクが非喫煙者の4.66倍」

 更新日:2023/03/27
加熱・燃焼タバコ併用 新型コロナ感染リスクが非喫煙者の4.66倍

大阪公立大学などの研究グループは、「加熱式タバコと紙巻きなどの燃焼式タバコを併用して吸う人は、タバコを全く吸わない人より4.66倍も新型コロナウイルスに感染しやすい」との研究結果を発表しました。このニュースについて竹内医師に伺いました。

竹内 想 医師

監修医師
竹内 想(医師)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。専門領域は皮膚科、美容皮膚科。

大阪公立大学などの研究グループが発表した内容とは?

今回、大阪公立大学などの研究グループが発表した内容について教えてください。

竹内 想 医師竹内先生

今回紹介する研究は大阪公立大学らの研究グループによるもので、オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された内容です。研究グループは、加熱式タバコを含むタバコの使用状況と、新型コロナウイルスの感染状況や新型コロナウイルスに感染した際の症状についての関係を調べました。研究に参加したのは16~81歳の3万130人で、このうち24.3%が現在も喫煙者でした。タバコの種類の内訳は、21.2%が加熱式タバコのみ、30.1%が燃焼式タバコとの併用でした。

解析の結果、新型コロナウイルスの感染リスクは、喫煙経験がない人と比べて、過去に喫煙歴のある人が1.19倍、燃焼式タバコの喫煙者が1.12倍、加熱式タバコの喫煙者が1.65倍、加熱式と燃焼式の併用者は4.66倍となりました。また、新型コロナウイルスに感染した際の入院リスクは、喫煙経験がない人と比べて、加熱式タバコの喫煙者が1.27倍、併用者が3.17倍となりました。さらに、酸素投与を受けるリスクは、加熱式タバコの喫煙者は1.90倍、併用者は4.15倍という結果になりました。

今回の発表内容への受け止めは?

今回、大阪公立大学などの研究グループが発表した内容への受け止めを教えてください。

竹内 想 医師竹内先生

加熱式タバコも従来から用いられてきた燃焼式タバコと同様、新型コロナウイルスに感染するリスクが高いことが今回の研究で明らかになりました。併用者ではさらにそのリスクが高くなっていますが、これはおそらく総喫煙量が多くなることが関係しているものと思われます。

今回の研究内容はどのように活かせる?

今回の研究内容が今後、どのように臨床現場で活かせる可能性があるのか教えてください。

竹内 想 医師竹内先生

喫煙率が高いことは、公衆衛生上の課題の1つであると考えられます。今回の研究のようなデータが増えることで、喫煙行動が減少する糸口になることを期待します。

まとめ

大阪公立大学などの研究グループが、「加熱式タバコと燃焼式タバコを併用して吸う人は、タバコを全く吸わない人より4.66倍も新型コロナウイルスに感染しやすい」との研究結果を発表したことが今回のニュースでわかりました。健康のために禁煙促進の動きが進められている中、新型コロナウイルスに対しても悪影響があることが今回の研究結果で浮き彫りになりました。

この記事の監修医師