新型コロナワクチン次回接種「今年秋冬に実施すべき」無料接種は継続の方針
新型コロナウイルスワクチンの次回接種をめぐり、厚生労働省の専門部会は2月8日、「今年の秋冬に実施すべきだ」とする方針案を了承しました。このニュースについて竹内医師に伺いました。
監修医師:
竹内 想(医師)
専門部会が了承した方針案とは?
今回、厚生労働省の専門部会が了承した方針案について教えてください。
竹内先生
2月8日に厚生労働省の専門部会が開かれました。この部会で新型コロナワクチンの次回の接種タイミングについての議論がされ、「今年秋冬に実施すべきだ」とする接種方針案が了承されました。
対象者は「全ての者に機会を確保することが望ましい」とされ、重症化リスクの高い高齢者や医療従事者らについては「(秋冬以外の)追加接種の必要性に留意する必要がある」とも指摘されました。5~11歳の3回目までの接種と生後6カ月~4歳の初回接種は、接種が開始された時期が遅かったことを考慮して、「4月以降も随時打てるように、現在の体制を維持すべきだ」とされました。また、11歳以下に接種可能なオミクロン株対応のワクチンがない現状については、早期対応を求めました。なお、今年の秋冬に使用するワクチンは、早期に結論が出される方針とのことです。
新型コロナウイルスワクチンの接種は、これまで公費で無料となる予防接種法上の臨時接種に位置付けられていましたが、3月末に期限を迎えます。この接種費用の問題について、政府は4月以降も必要な接種に対して公費負担を継続する方針を示しています。
ワクチン接種の公費負担は?
これまでは公費で無料だった新型コロナウイルスワクチンの接種費用ですが、予防接種法上の臨時接種への位置付けが3月末に期限を迎えることになると言及されました。現在、接種の費用負担の問題については、どのような議論がおこなわれているのでしょうか?
竹内先生
予防接種法では、国費で無料となる「臨時接種」と公的な助成が出る「定期接種」、接種する人が自己負担する「任意接種」という形があります。
新型コロナウイルスワクチンの予防接種法上の臨時接種への位置付けが2023年3月に期限を迎えることから、政府で2023年4月以降も公費負担するかについての検討が進められています。2022年11月の財務省の審議会で、重症化率の低下などを理由に定期接種化の検討が求められました。しかし、2022年12月の厚生労働省の専門部会の議論では、自治体の予算準備への配慮やワクチン接種の自己負担分の価格設定などの課題が多くあり、位置付けを変更することに慎重な意見が相次いでいました。
厚生労働省は専門部会の議論を経て、来年度の接種計画を決める方針を示しています。
専門部会が了承した方針案への受け止めは?
厚生労働省の専門部会が了承した方針案について受け止めを教えてください。
竹内先生
新型コロナウイルスワクチンの今後の接種についての情報が増えてきました。接種希望者の費用負担がある場合、いわゆる「接種控え」が進んでワクチン接種率の低下が懸念されます。今後も新しい情報を注視していく必要がありそうです。
まとめ
新型コロナウイルスワクチンの次回接種をめぐり、厚生労働省の専門部会は2月8日、「今年の秋冬に実施すべきだ」とする方針案を了承したことが今回のニュースでわかりました。来年度以降の接種は、以前と同様のスケジュールを基本としつつも、新たに得られるデータも踏まえて今後も検討するとのことです。