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新型コロナウイルス&インフルエンザ同時検査キットの市販解禁「12月中の流通を視野」

 更新日:2023/03/27
コロナとインフル同時検査キットを市販解禁へ

11月28日、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの感染の有無を同時に調べられる抗原検査キットの販売を解禁する方針を決めました。このニュースについて郷医師に伺いました。

郷 正憲医師

監修医師
郷 正憲(医師)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT。

厚生労働省が決めた方針とは?

新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの感染の有無を同時に調べられる抗原検査キットについて厚生労働省が決めた方針を教えてください。

郷 正憲医師郷先生

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時検査キットの使用は、これまで医療機関でしか認められていませんでした。しかし、11月28日に開かれた専門部会で、厚生労働省は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時検査キットを薬局やインターネットで販売することを了承しました。これは新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行を懸念しての対応になります。さらに12月1日には、厚生労働省で販売方法について専門家による審議がおこなわれ、「検査キットの販売は必ず薬剤師がおこない、使い方などについては購入者に書面などでの説明を義務づける」ことを決めました。また、抗原検査には「偽陰性」というウイルスの量が少ない場合に感染していても陰性と判定されるリスクがあるため、検体採取する綿棒を適切に使用することや陽性だった場合は検査結果を写真で残しておくことなどを説明するよう求めています。厚生労働省によると、同時検査キットの販売は早ければ2022年中にも始まる見込みとのことです。

同時検査キットの市販解禁への受け止めは?

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時検査キットの市販解禁への受け止めを教えてください。

郷 正憲医師郷先生

検査キットが手軽に購入できるようになるのは歓迎すべきことでしょう。受診の心理的ハードルを高く感じて検査をせず、日常生活を続けてしまうリスクを回避することができます。前回の第7波の際には、あまりに多くの感染者が出たため、医療機関がパンクして受診できない、検査すらできないと言う人が続出したため、今回はそれに対応したとも言えます。ただし、現状で問題となるのは、やはり手に入れるのにハードルがあるということです。熱が出てから買おうとしても薬剤師のチェックが必要であるため、結局対面で買わざるを得ない可能性がありますので、感染を広げる可能性もあります。

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行への備えとは?

新型コロナウイルスとインフルエンザへの同時流行が警戒されていますが、私たちができる備えを教えてください。

郷 正憲医師郷先生

昨年までインフルエンザの流行が抑えられていたことから分かるように、感染症対策はインフルエンザの感染予防にも非常に有効です。マスク着用や手指消毒など、この3年間で国民が身につけた感染対策が役に立つと思われます。その一方で今年は活動性が上がっており、感染拡大しやすい状況であると言えるので、従来の感染対策に加えて早期発見が必要となってくるでしょう。そのため、今回承認された検査キットを早期に購入しておくことも1つの手だと思います。また、陰性であっても発熱や咳など、感染症の兆候がある場合は偽陰性かもしれませんし、新型コロナウイルス以外の感染症かもしれませんから、他人に広げないようにしっかりと安静にしておくことが必要になるでしょう。その際、いざ熱が出たときになるべく外出しなくて済むような買い込みをしておくのも良い対策と言えます。

まとめ

厚生労働省が、新型コロナウイルスとインフルエンザの感染の有無を同時に調べられる抗原検査キットの販売を解禁する方針を決めたことが今回のニュースでわかりました。同時流行への警戒が高まっている中で、検査キットが市販解禁されることは大きな決定と言えそうです。

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