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「新型コロナの重症化リスクが低い人は対面でインフルエンザの診療を」東京都医師会会長が発言

公開日:2022/10/28  更新日:2022/10/27
都医師会長 インフル対面診療呼びかけ

東京都医師会の尾﨑治夫会長は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行時の対応をめぐり、「重症化リスクの低い人が検査キットでコロナ陰性と判明した場合は、対面診療でインフルエンザの感染を確かめるのが望ましい」との考えを示しました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

今回のニュースの内容は?

今回取り上げるニュースについて教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回のニュースは、10月19日に実施された東京都医師会の尾﨑治夫会長の定例記者会見での発言内容についてです。尾﨑会長は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行時の対応について「新型コロナウイルスの重症化リスクの低い人が自宅で検査キットを使用して陰性が判明した場合、対面で医療機関に受診してインフルエンザかどうかを確かめるのが望ましい」との考えを示しました。

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行については、政府が既に発熱外来の受診制限の対応策を発表していますが、尾﨑会長は「発熱外来についての対策は本当に医療がひっ迫したとき、オンラインや電話を活用しながら患者さんの状態を診て、最悪の場合はインフルエンザの検査をしないでも治療薬の提供を考えていただきたいという方針である。同時流行が始まったからあの方針でやってくださいという話ではない」と述べた上で、「現在、東京都医師会では自宅で抗原検査キットを使って陽性かどうかを判定する仕組みができている。そこで新型コロナウイルスでないという可能性が極めて高いと判明した場合、従来通り医療機関を受診していただいて問題ないと考えている」と発言しました。

政府が既に発表している対応策とは?

今回の東京都医師会の尾﨑会長の会見での発言に先立って発表されていた、政府による新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行を念頭に置いた対策について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

厚生労働省が10月13日に、発熱外来の受診対象の制限について発表しました。発熱外来の受診制限は、今冬の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行への対策を念頭に置いたものになります。発熱外来の受診対象者となるのは、新型コロナウイルスの重症化リスクが高い高齢者基礎疾患を抱えている人妊娠中の女性小学生以下の子どもです。

重症化リスクが低い人は、新型コロナウイルス抗原検査キットを使って自分で感染の有無を確認していただきます。新型コロナウイルスが陰性であれば、電話やオンライン診療などを利用していただき、もしインフルエンザと診断されれば自宅療養となります。また、薬については必要に応じて自宅に配送されるほか、近くの薬局での受け取りも可能です。新型コロナウイルス抗原検査キットで陽性だった場合は、都道府県の健康フォローアップセンターに登録した上で、自宅療養をおこなうことになります。この対応策の適用について、加藤厚生労働大臣は「流行状況を見極めた上で都道府県など自治体が最終的に判断する」という考えを示しています。

東京都医師会会長の考えの受け止めは?

東京都医師会の尾﨑会長が「対面診療でインフルエンザかどうか確かめるのが望ましい」との考えを示したことについての受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回、政府は同時流行による医療のひっ迫に備えて、重症化リスクの低い人が新型コロナウイルス陰性の場合はオンライン診療でインフルエンザと診断されれば、必要があれば治療薬を処方できる対応策を発表しました。しかし、本当にインフルエンザかどうかは対面での診察と検査をしないと確定できません。また、電話やオンライン診療では、発熱や筋肉痛のある患者が肺炎やほかの重要臓器の炎症があるにもかかわらずインフルエンザと診断され、病態の重症化をきたすリスクは避けられません。そのため、今回の尾﨑会長のコメントはその通りであると考えます。ただし、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に加え、第8波の流行が前回の第7波を上回るような状態になった場合、対面診療は医療機関のひっ迫をきたすことが容易に予想され、そのときの感染状況に合わせた柔軟な対応が必要と考えられます。

まとめ

東京都医師会の尾﨑治夫会長は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行時の対応をめぐり、「重症化リスクの低い人が検査キットで陰性と判明した場合、対面診療でインフルエンザの感染を確かめるのが望ましい」との考えを示したことが今回のニュースでわかりました。政府が示した発熱外来の受診制限の実施については、最終的に都道府県が判断しますが、対応には今後も注目が集まりそうです。