オミクロン株対応の改良型ワクチン 10月24日から「職域接種」開始へ
加藤厚生労働大臣は9月30日に開かれた閣議後の記者会見で、オミクロン株に対応した新型コロナウイルスワクチンの「職域接種」を10月24日の週から開始することを明らかにしました。このニュースについて武井医師に伺いました。
監修医師:
武井 智昭(医師)
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
オミクロン株対応ワクチンの職域接種とは?
加藤厚生労働大臣が発表したオミクロン株対応の新型コロナウイルスワクチンの職域接種について教えてください。
今回のニュースは、加藤厚生労働大臣が9月30日の閣議後記者会見で発表したオミクロン株対応の新型コロナウイルスワクチンの職域接種の開始に関するものです。記者会見では、オミクロン株対応ワクチンの職域接種を10月24日の週から開始することを明らかにしました。
職域接種とは、企業や大学など職域単位でワクチン接種をおこなうものです。企業の職域接種では、本人だけでなくその家族もワクチン接種を受けることができます。職域接種の企業や大学による申込みは9月21日より開始されており、9月29日時点で443箇所から申請を受けています。政府は10月から11月に1日100万回のワクチン接種を目指しているとのことです。なお、準備が整った会場では、10月17日から実施できるように調整をおこなうとのことです。
職域接種がおこなわれる理由は?
政府が職域接種を呼び掛けている理由について教えてください。
職域接種には、新型コロナウイルスワクチン接種の加速化や自治体の負担の軽減を図る目的があります。通常、新型コロナウイルスのワクチン接種は、各自治体で年齢が高い方から順番に予防接種券が発送されます。ワクチン接種は地域の医療機関でおこなわれますが、対象者が多いため、接種がスムーズに進まなかったり地域医療の大きな負担になったりする恐れがあります。
職域接種は強制ではなく、賛同した企業や大学によっておこなわれ、国からワクチンだけでなく注射器や防護服、保管用の冷凍庫といった医療用品が提供されます。なお、会場やワクチン接種をおこなう医療従事者の確保は、企業や大学がしなければなりません。医療機関から派遣を依頼したり、委託先の医療機関で接種をおこなったりすることもできますが、自治体のワクチン接種事業に影響を与えないことが前提になります。
オミクロン株対応ワクチンの職域接種に関する見解は?
早ければ10月17日よりオミクロン株対応ワクチンの職域接種が始まるとのことですが、職域接種に関する先生の見解を教えてください。
オミクロン株対応ワクチンの職域接種と集団接種の組合わせでワクチン接種率が増加し、集団免疫が早期につくことは、冬の新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの二重感染の懸念に対して効果的な手法と考えられます。
まとめ
加藤厚生労働大臣は9月30日に開かれた閣議後の記者会見で、オミクロン株に対応した新型コロナウイルスワクチンの職域接種を10月24日の週から開始することを明らかにしました。通常のワクチンの集団接種に加えて、職域接種が広がることで、国全体のワクチン接種が進むのか注目が集まります。