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日本でも「サル痘」感染者確認、WHOは緊急事態宣言。感染を防ぐにはどうすればいい?

公開日:2022/07/27
サル痘巡ってWHOが緊急事態宣言 日本でも感染者確認

WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は7月23日、欧米を中心に拡大するサル痘をめぐり「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。また、日本でも感染が確認されました。今回は、サル痘のニュースについて中路先生にお話を伺います。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

今回のニュースの内容とは?

今回取り上げるニュースの内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回のニュースは、欧米を中心に拡大する天然痘に似た感染症のサル痘について、7月23日にWHOのテドロス事務局長が記者会見を開き「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したというものです。テドロス事務局長は会見に先立つ7月21日、専門会による緊急委員会を開催して宣言発令について議論しましたが、全会一致の結論には至っていませんでした。しかし、テドロス事務局長は「サル痘のリスクは高リスクであるヨーロッパ地域を除いて、全世界および全地域で中程度である」と述べた上で、「さらに国際的に広がる危険が明らかであることから、サル痘の世界的流行は国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態であると判断した」と説明しています。

こうしたWHOの対応を受けて、日本政府は7月25日、関係省庁による対策会議を開き、外務省は同日、全世界を対象に感染症危険情報のうち渡航に十分な注意を促す「レベル1」を出しています。

日本での感染者は?

サル痘の日本国内の感染状況について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

これまで感染症発生動向調査で、日本国内でのサル痘の感染者は、集計が開始された2003年以降での報告はありませんでした。しかし、7月25日、東京都内の30代男性が感染していることが明らかになりました。男性はヨーロッパへの渡航歴があり、発熱や発疹、倦怠感などが出ているということですが、症状は安定しているとのことです。

サル痘の感染を防ぐためにできることは?

サル痘の感染を防ぐために私たちができることはなんですか?

中路 幸之助 医師中路先生

現時点でサル痘の感染経路の解明は不十分ですが、「感染した人や動物の皮疹」、「性的接触を含む体液や血液との接触」、「感染者と接近した際の対面での飛沫の長時間の曝露」、「感染者が使用した寝具や衣服などとの接触」などにより感染するとされています。また、サル痘は中央アフリカや西アフリカの熱帯雨林地帯でスポラディック(散発的)にみられる感染症であるため、これらを含む感染が流行している地域への渡航を控えることが肝要と考えます。

さらに、マスク着用や手指衛生などをはじめとする、これまでの新型コロナウイルスの感染防止策を十分にすることで、感染を防げる可能性が高まると考えられます。加えて、「天然痘」のワクチンが有効だとされており、今後流行した場合には予防に有効と考えられます。ただし、天然痘がなくなったため天然痘のワクチンは1976年に接種が廃止されており、今の若い世代の人たちは接種を受けていないのが現状です。

まとめ

7月23日、WHOが欧米を中心に拡大するサル痘をめぐって「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したことが今回のニュースでわかりました。新型コロナウイルスの流行に続く新たな感染症の動向は今後も注視する必要がありそうです。