ファイザー製ワクチン 有効期限1年に延長
厚生労働省はファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの有効期限をこれまでの9か月から1年に延長することを決めました。このニュースについて中路先生にお話を伺います。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
今回のニュースの内容は?
今回、厚生労働省が決めたファイザー製ワクチンの有効期限延長について教えてください。
中路先生
新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンは、2021年9月10日に、-90~-60℃で保存する場合の有効期間が6か月から9か月に延長され、今回のニュースで取り扱っているように2022年4月22日に9か月から12か月に延長されました。有効期限が2022年2月28日以前となっているワクチンは、有効期間が6か月という前提で有効期限が印字されています。また、ロットNo.別ファイザー製ワクチンの有効期限中、有効期間9か月のロット一覧に記載しているロットNo.のワクチンは、有効期間が9か月であるという前提で印字されています。厚生労働省はこれらのワクチンについては、有効期間が12か月まであるワクチンとして取り扱って差しつかえないとしています。
新型コロナワクチンの有効期間の取り扱いは?
新型コロナワクチンの有効期間の取り扱いについて教えてください。
中路先生
厚生労働省のHPに、「ワクチンの有効期間は、一定期間ワクチンを保存した場合に品質が保たれるかについて、当該ワクチンを製造・販売する企業において集められたデータに基づき、薬事上の手続きを経て設定されます。このため、一度有効期間を設定した後であっても、当該企業において、引き続き、より長くワクチンを保存した場合に品質が保たれることについてデータが集められれば、そのデータに基づき、薬事上の手続きを経て、有効期間が延長されることがあります」と説明されています。その上で、有効期間の延長前を前提とした有効期限が印字されている注射剤を入れる容器も現在流通していることについては、「新型コロナワクチンは貴重なワクチンであり、これを無駄にせず有効に活用する観点から、このようなワクチンについては、延長後の有効期間を前提として取り扱って差しつかえない」としています。
有効期限延長によるメリットは?
新型コロナワクチンの有効期限延長はどのようなメリットが生まれると考えられますか?
中路先生
新型コロナウイルスのワクチンの有効期限は当初の6か月から9か月に延長され、さらに今回ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンについてメーカーのデータに基づいて有効期限を1年まで延長することを厚生労働省が認めました。適切な方法でワクチンが管理されていることを条件としますが、無駄になるワクチンを減らすことで医療経済に貢献できることと、何よりその分ワクチン接種の機会が増えることで日本の新型コロナウイルス対策に寄与できる点でメリットがあると考えられます。
まとめ
厚生労働省はファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの有効期限をこれまでの9か月から1年に延長することを決めました。モデルナ製のワクチンについては、引き続き有効期限を9か月としています。