【新型コロナワクチン】3回目だけモデルナ接種すると抗体価の上昇率高く
厚生労働省の専門部会は2月18日、新型コロナワクチン接種で3回目だけモデルナにした場合は、3回全てファイザーだった場合より抗体価の上昇率が高くなったと明らかにしました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
厚生労働省が発表した抗体価のデータとは?
厚生労働省が発表した副反応のデータについて教えてください。
中路先生
2月18日、厚生労働省の専門家部会は、3回目もファイザー製ワクチンを接種した396人と3回目だけモデルナ製ワクチンを接種した233人を対象に抗体価の変化を分析した結果を公表しました。3回目接種の前では、抗体価に大きな差がなかったものの、3回目ともファイザー製だった場合は、抗体価の上昇率が54.1倍になり、3回目だけモデルナ製だった場合は抗体価の上昇率が67.9倍になりました。数値だけでみると、3回ともファイザー製だと約2万ユニット/mlでしたが、3回目だけモデルナ製にした場合は約3万ユニット/mlと約1.5倍の数値となりました。
発表された抗体価の違いについて受け止めは?
3回目のワクチン接種において、ファイザー製とモデルナ製の抗体価の上昇率の違いについてどう受け止めていますか?
中路先生
3回目の接種で得られた抗体の量が、モデルナ製ワクチンの方がファイザー製ワクチンの1.5倍多かったということより、3回目がモデルナ製ワクチンの方が3回ともファイザー製ワクチンの場合よりも新型コロナウイルスに対する効果が若干高いと考えられます。また、現在流行しているオミクロン株に対しても、モデルナ製ワクチンの効果が少し高いのではないかと思われます。
3回目接種のワクチン選びで留意する点は?
これから3回目のワクチンを接種する人が留意する点には、どのようなことがあるのでしょうか?
中路先生
副反応について、3回目だけモデルナ製ワクチンを打つ「交互接種」の方が、3回ともファイザー製ワクチンだった場合より発熱のなどの症状が多かったことが報告されています。3回目にどちらかのワクチンを選択するかは、これらの効果や副反応などを考慮して、総合的に判断するべきだと考えます。
まとめ
新型コロナワクチン接種で3回目だけモデルナにした場合は、3回全てファイザーだった場合より抗体価の上昇率が高くなったことが今回のニュースでわかりました。3回目接種は全人口の12.6%に留まっており、今後接種を進めるためにもこうしたデータは重要になると言えそうです。